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明日へ

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今年の年末は、温泉宿にでも泊まって、静かに年を越したいなぁ、など考えていた。 サンフランシスコから南に3時間半程行ったところにある、シカモア温泉という硫黄の強い温泉宿を、近所に住む友人や、 ブログをやっている方 が以前紹介していたのを思い出したのである。 このご時世で日本には帰れなくとも、カリフォルニアの温泉の湯けむりの中で、年を越すのも良いじゃないの。 しかし、年末の仕事のスケジュールの目途が立たず、宿の予約を後回しにしていたら、その温泉宿はすでに満室になってしまっていたのだった。 ならば、以前何度か訪れた、サンフランシスコから北に2時間ほど行ったところにある、温泉街のカリストガにしようと、いくつか目ぼしい温泉の出る宿を当たってみる。 だが、どこの宿も満室で、結局、先月オープンしたばかりだという街の外れのホテルが空いていたので、そこに一泊だけすることとなった。 天気予報では、雨模様だったが ホテルに着くころには、青空に。 雨の後の空気が気持ちよい。 温水プールからは湯けむり。 部屋のテラスからは、ぶどう畑がみえる。 プールで泳いだ後は、温泉にで温まりましょ、と思ったら、 ここのホテルは温泉が出てないことが発覚・・・ (前もって確認しなかった自分が悪い) カリストガに向かう途中のナパにて 古代ペルシャをテーマにしたDarioushワイナリー で 一杯ひっかける。 大晦日イブのディナーは、ホテルから15分ほどのところにある Press Restaurant という店で。 前菜のタコも主菜の白身魚も美味かった。 (最近、外食でどこでも味がしょっぱく感じるのは、 高血圧防止で塩分を控えてるからかしらん・・・) ーーーーーーーー 大晦日の朝。 一足先に年を越した日本の家族や友人から、年始の挨拶が届き始めた。 昨年同様、軽井沢に住む友人からは、紅白歌合戦で薬師丸ひろ子が「Wの悲劇」のテーマを歌う姿やらラスボスMISIAが「明日へ」を歌う姿やらが送られてきた。 "2021年も色々ありがとう。" "2022年もどうぞ宜しく。" 家族へ友人へ、直接会えなくとも、そんな気持ちを込めて、LINEでメッセージを送るのだった。

きのう何食べた?

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先月、漫画「きのう何食べた?」の最新刊が発売されたというので、今回は紀伊國屋書店のオンラインショップで注文したのだが、1か月以上経って忘れたころに、やっと届いたのだった。 この漫画は、弁護士のシロさんと美容師のケンジの中年ゲイカップルの物語で、一般青年誌で連載が開始されてから、かれこれ15年近く続いている。 自分もだいぶ前に、日本の母から送られてきた荷物の中に、食料品に混じって入っていたのがきっかけで読み始め、それから毎回新刊が出るのを楽しみにしているのだ。 そんなゲイ(ましてやおっさんのゲイ)が主人公の物語が、一般誌で十何年も連載し、一般向け映画として公開されてるくらいまで、世間に受け入れられるとは、時代も変わったものである。 自分が日本に住んでいた、まだうら若き乙女(?)だった頃は、ゲイが主人公の漫画なぞ、せいぜい「さぶ」やら「薔薇族」といったゲイ雑誌か、やおい(BL?)雑誌で、こそこそ読むくらいしかできなかったわよね…。 連載当初、今の自分と同い年くらいだった シロさんやケンジも、今や50半ばのおっさんである。 しかし、おっさんなのに可愛いカップルだな。 映画版、観てみたいな~。 (C) 東宝 50過ぎても、見た目も美しく、仕事もそこそこ頑張って、家ではパートナー(ケンジ)のために日々料理をする、そんなシロさんをひそかに目標としている自分である。 しかし、実際は、40半ばにして既にめっきり老け込み、料理も苦手意識があるせいか、毎晩キッチンに立つことなどないのが現状・・・。 つい数日前のクリスマスのディナーも、我が家のN君が、N君の実家で家族皆に「 ビーフ・ウェリントン 」なる、なんだかすごそうな料理を披露するというものだから、せめて自分も何か手伝おうと横で野菜を切っていたら、 「あ~ら、珍しい! 包丁持つ手もなんだか危なっかしいわね~」 などと、後ろで見ていたN君のお母さんに、嫌味を言われてしまう始末である(コワイヨ~)。 来年は、理想のシロさんに近づけるように、ジムにちゃんと通って若々しく、料理ももうちょい頑張りますかね・・・。 N君作・クリスマスディナー なんか肉がパイ生地につつまってるような、すげーやつ出てきたよ。 自分が最近やった料理といえば、蕎麦ゆでてネギ乗っけただけのやつ。 後ろの餃子は、トレーダージョーズの冷凍モノです・・・。 (それでも自分で写

真実の先を知りたくないか

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土曜日の朝。 我が家から、歩いて十数分のところにある映画館に、俳優キアヌ・リーブス本人がやってくるというので、ジムに行くついでに、ちょろっと覗いてみることに。 どうやら、彼の新作映画「マトリックス・レザレクションズ」のUSプレミアが行われるらしいのだ。 母と妹は昔から彼の大ファンで、彼の映画は何度も観ているらしいが、自分は、彼が若かった頃の「マイ・プライベート・アイダホ」や「スピード」、あるいはマトリックスも1作目しか観てない程度で、大して興味がないのが、正直なところである。 しかし、こんな近所に来ているのなら、うっかりキアヌ本人と遭遇する可能性が無きにしも非ず。 母と妹へのサインを貰うことは無理だとしても、せめて写真くらい撮って送ったら、母も妹も喜ぶことだろう。 劇場のあるカストロ通りに入ると、すでに朝から通行止め。 レッドカーペットならぬ、グリーンカーペットが敷かれている。 準備をしているお兄さんに聞くと、俳優たちが劇場入りするのは夜だという。 早々来すぎたわ・・・(失笑)。 コロナ対策も万全のよう。 結局、キアヌがやってくるのは、夕方ということなので、あとで出直すことに(あたしゃ、暇か)。 我が家のN君にも、キアヌ・リーブスが近所に来ることを知らせると、彼は「マトリックス」の大ファンで、過去作も全部観たらしく、 「第1作が一番好き。高校の時、何度も観た。」 と言う。 はて、自分が1作目を観たのはいつだったかと調べてみると、1999年の作品ということだから、東京で大学生をしていたころだったか。 こういうところで、いつもN君との年齢差を感じるのよね・・・。 夜になると、サンフランシスコ市庁舎もマトリックス色に。 ここに日本から母と妹を呼んで結婚式をあげたのも、もう2年近く前の話だ。 シンフォニーホールも、今夜は緑。 最新作の舞台がサンフランシスコというから、市も総出でPRである。 お祭り好きのN君は、水球チームのクリスマスパーティの プレゼント交換でもらったという電飾付きの靴を履いて来た。 (好きよね・・・) さて、朝訪れた、映画館のある通りに入りと、すでに大勢の人だかりができて、待てどもキアヌが現れない。 「ヘドウィグ」のニール・パトリック・ハリスや、「アナ雪」のジョナサン・グロフ(どちらもゲイよね...)等が続々と黒塗りのリムジンから現れたが、あたしの目的はキ

色褪せた いつかのメリークリスマス

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サンフランシスコは、珍しく雨の日が続いている。 晴れているならば、運動を兼ねてと、近所の家々のクリスマスツリーやら家の電飾を観ながら散歩にでも行くのだが。 結局、家にこもりながらも、せめてホリデー気分に浸ろうとクリスマスめいた曲をかけてみる。 「なんで、日本のクリスマスの曲は、悲しい歌が多いの?」 と、我が家のN君が問う。 アメリカ人のN君は、彼が日本に住んでいた頃よく聴いた、B'zの「いつかのメリークリスマス」が好きだというが、改めてその歌詞を読むと確かにもの哀しい。 山下達郎の「クリスマス・イブ」も、"ひとりきりのクリスマスイブ”を歌っているし、辛島美登里の「サイレント・イヴ」に至っては、悲しいどころかちょっと怖いくらいだわよね・・・。 とは言え、おマラ姐さん(マライアキャリー)の例の曲よりかは、やはり日本のしっとりしたクリスマスソングが好きな昭和のオカマなので、そんな"哀しい曲”たちをリピートして家の中で流している。 ——————————— 結局この年末も、コロナ禍で日本にも帰れず、引きこもりの年末年始になりそうなので、せめて家の中だけでも盛り上げましょと、生のツリーを買ってきて、飾り付けた。 街の外れの ボランティア団体 がやっているクリスマスツリー屋で購入。 (マッチョなお兄さん達がいっぱいで、ムフフ。) 年が明けると、市がちゃんとリサイクルしてくれるらしい。 そんなツリーが反射する窓の外を眺めながら、安物のワインを開け、物思いにふける。 子供の頃は、冬休みが始まると同時に、クリスマスがやってきて、前々から親に”サンタクロースに伝えておいてもらった”プレゼントが、朝目を覚ますと、枕元に置いてあった。 プレゼントに添えられてあったカードも、今思えば明らかに母の筆跡だったのだが、その時はそれでもサンタクロースを信じていたのだ。 窓に映るツリーに目を戻すと、あの日本の包装紙の独特の匂いを思い出し、突然長いこと会っていない日本の家族が恋しくなったわ。 一方で、今やクリスマスは楽しみどころか、正直ストレスである。 アメリカの家族は、どこの家もそうなのかしらぬが、プレゼントを遠くに住む人には前もって郵送したり、当日集まる人々には幾つも小さなギフトを買って包装紙に包んだり。クリスマスカードも、年末の混む郵便事情を考慮して、早めに書いて投函せね

砂漠へ

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例年、サンクスギビングの連休は、N君家族の集まりで、七面鳥を焼いたり皆でパズルをしたりと、なんともアメリカらしい休日を過ごすのだが、今年は諸事情で家族でのサンクスギビングはキャンセルとなった。 さて、家族での集まりがないとなると、まるまる4連休することがない。 「K枝ちゃん、あんたサンクスギビング休暇は、何するの?」 と近所に住むゲイ仲間のK枝に問うと、 「パームスプリングスの友達んとこ、行ってくるわ!」 と答えが返ってきた。 同じく近所に住むアメリカ人の友人E子や、LAに住む”いい男カップル”のA子やM君にも聞いてみると、皆口を揃えて、 「パームスプリングス!」 と言うではないの。 “確かにサンフランシスコは寒いし、どこかあったかいところ行くにもハワイやメキシコは遠いし…. パームスプリングスなら、同じカリフォルニア内で近いし、いいかも…” と友人達の予定に勝手に乗っかろうとる自分である。 そこに、その昔、中森明菜がSand Beige〜と歌っていたのが(あれはサハラ砂漠か)、突然脳内再生しだし、 “もうこれも何かのご縁、あるいは運命なんだわ!?” と、我らも急遽この連休は、砂漠の街パームスプリングスで過ごすこととなったのだった。 サンフランシスコから1時間半ほどのフライトで 窓の外にはパームスプリングの砂漠と風車群が見えてくる 砂漠の中に突如現れるこの小さな街は、一年中暖かいということもあり-夏は外に出れないほど暑くなるようだが-、ゲイやレズビアンの人々の老後の生活拠点としても人気である。 自分の会社のゲイの元上司も、60歳を前に早期退職すると同時にサンフランシスコから、パームスプリングスへの引越しを決めていた。 今年の夏に、パームスプリングス~デスバレーと旅行をしたという、近所に住む年下ゲイのH君は、 「パームスプリングスは、ほんと! ジジイしかいなかったわ!」 などと嘆いていたが、実際にこうやって街を歩いてみると、朝から中高年のゲイのおっさんやレズビアンのおばちゃん達が、街角で楽しそうに仲間達とコーヒーを飲んでいたりする。 まだ外の明るい夕刻に、ダウンタウンの飲み屋に向かうと、H君の言う通り、自分よりもだいぶ年上のゲイの"ジジイ"達が、みな楽しそうに夕暮れ時のカクテルを楽しんでいた。 家族とも離れて暮らし、子供もいない我々ゲイにとって、同

咲き誇れ愛しさよ

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「ねぇ、みんな仕事以外の時間って、何してるの」 久しぶりに集まった同年代の友人達と、食事をしていたらそんな話題になった。 「コロナ禍になってから、自転車買ってサイクリングを趣味で始めたわ」 「私もコロナ禍になってから、昔やってたピアノを再開しようと思って、電子ピアノ買ったのよ」 などと、皆コロナ禍が長期化することを見越して、新しい趣味を見つけたようだ。 自分といえば、コロナ前ならば、旅行が趣味!などと言いまわっていたが、このご時世でそんな旅行の予定もなく、実際、今、仕事以外に何をやってるかと問われたら、スマホを片手にぼんやり無駄に時間を過ごしていることが多い。 我が家のN君は、毎日のように水泳やら水球チームの練習やらで、仕事以外の時間も充実しているようで、それと比べると自分は本当に時間を無駄にしているような気になってくる。 昨日も仕事の後に、日本の友人から送られてきた薬師丸ひろ子が歌うYoutubeを観てるうちに、寝落ちして一日終わったわよ・・・。 「コロナ禍だからこそ、人と出会えるような趣味を見つけたほうがいいよ。音楽やってたんだから、サンフランシスコのゲイコーラスのグループに参加するとか?」 と、N君は言うが、元々外向的ではない自分には、ハードルが高すぎる・・・。 老後のためにも、ボケ防止のためにも、何か新しいことを始めたいとは思うのだが、何も思いつかず、またソファーに寝そべってスマホをいじってる間に1日が終わってゆくのであった。 _____________ 胸を張って趣味とは言えないものの、時々週末に、我が家の狭いテラスで、サンフランシスコでも育つような野菜や花を育てようと、土いじりをしている。 だいぶ前に種をまいた、忘れな草も青い美しい花を咲かせている。 そんな中、近所に住むM子と毎週楽しみに聴いている ポッドキャスト「Over the Sun」 で、 "おばさん皆で、ヒヤシンスを育てよう!" なる企画があった。 全国各地に住む、いい年をした視聴者が、各自ヒヤシンス("ヒヤスンス")の球根を購入し、この11月の週末に皆同じタイミングで植えて、春に花が咲くのを楽しみに待つ、という地味な企画である。 「M子ちゃん、うちらも一緒にヒヤスンス、育てよ!」 と、若い頃だったならば決して興味ももたなかったであろう企画に、現役おばさ

秋の鍋と切なさと心強さと

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 一年中、変わらぬ気候と言われるサンフランシスコの街も、春には少し暖かくなり桜や梅のようなピンク色の花を咲かせ、秋には落ち葉が舞う季節となる。 そんな11月の半ば、だいぶ寒い日が続いていたので、近所に住む年下ゲイのH君と、 「みんなで集まって、いつか鍋でもしようか?」 などと話していたところ、ちょうど皆仕事も落ち着いているしと、この週末の土曜日にH君の家に食べ物やら酒やらを持ち寄って、日本人ゲイ4人での鍋大会となったのだった。 年頃の(?)オカマが集まって、話すことと言ったら、 「明日、年下のアメリカ人男と映画デートなんだけど、全然ときめかない。キャンセルすべき?」 「それより、K枝。あんたの出会い系アプリのプロフィール、年齢詐称疑惑はどうなった」 「H君、鍋のスープ、出汁がきいててほんとうに美味しい。大根もちゃんと面取りしてるし。料理できるオンナ、アピール?」 「料理といえば、"きのう何食べた?"のシロさんとケンジみたいな恋愛がしたいよぉ」 「コロナ入ってから、マッサージ行ってないわー。誰かに揉まれたい・・・!」 「来月はじめに、Sex and the Cityの続編はじまるって! サマンサ出ないのは哀しいけど、やっぱり観るわよね」 「あたしとH君は、ミランダ。K枝とKちゃんは、シャーロットだわね。ってか、キャリーとサマンサいないと、話がはじまらないじゃん」 などと、日本酒の久保田を注いだグラス片手に、豚肉と魚介に野菜一杯の鍋をつつきつつ、皆いい年しながら、わいわい、きゃっきゃっと話題があちこちとっ散らかりながら、下らない話で土曜の夜は更けてゆく。 Sex and the Cityといえば、続編のAnd Just Like That...の来月公開を前に、主演のサラ・ジェシカ・パーカーがVogue誌で、彼女の白髪や顔のしわなど年を重ねた姿に対して、"劣化した" "老けた"などと言った、世間の中傷・批判に対して反論しているという。 自分も今朝行ったいつもの床屋で、切ってもらった髪の毛が黒い床に落ちるたびに、数年前なら気づくこともなかった白髪の多さに、思わず言葉を失い切なくなる。 「ねぇ、あんたほんと、顔のしわ増えたよね」 「しわもそうだけど、白髪も増えて、髪のボリュームもだいぶ減ってさぁ。ハゲ薬は一応、飲ん

木の葉が色を変える 風の中を旅しています

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アメリカに住み始めてから、早十数年。 未だに慣れないのが、夏時間ーDay light savingである。 毎年3月初めから11月初めまでは、1時間繰り上げて夜の9時頃まで外が明るい生活となる。 仕事を終えたあとも、外がまだ明るいのは嬉しい。 夏時間の間は、 「今日仕事何時に終わる? まだ外も明るいし飲みにいかない?」 などとK枝やM男と、仕事の後に"ハッピーアワー"と称して、仕事の後に飲みに出かけたりする。 しかし夏時間が終わり冬時間に入ると、急に1時間繰り下がり突然日が短くなり夕方5時にもなるとすでに外は真っ暗である。 この土曜日は、ちょうどその夏時間が終わり冬時間に入る週末で、それでなくても日々不眠症の自分にとっては、この1時間のずれがますます体内時計を狂わせるのであった。 目が覚めて携帯の時計を見ると、まだ朝の4時半である。 若い頃は、1時間の時差ぐらい全然平気だったのだけどね・・・。 ーーーーーーーーーーー 「秋になったことだし、紅葉観たいな~」 と我が家のN君がふとつぶやいた。 十数年前に奈良の十津川村に住んでいたN君に言わせると、秋になると真っ赤に染まる紅葉の吉野の山々が恋しいという。 とはいえ、サンフランシスコは年中春・秋の気候で、日本のような美しい紅葉を見ることは難しい。 「それじゃぁ、久しぶりにナパに紅葉(ワイン)狩りに行こうか」 ということで、この週末は久しぶりに朝からおにぎりを握って、ナパへ"秋の大人の遠足"に行こうということなった。 ナパへはサンフランシスコから車で1時間半ほど北にある、田園風景の広がる美しい地域である。 ちょうど日本に住む友人から、 "80年代、秋のアイドルソング" なるプレイリストを送ってもらっていたものだから、ドライブのBGMは昭和の秋めいた曲ばかりである。 「もう逢えないかもしれない~秋は旅人 (C)菊池桃子」 「秋の風が、窓をたたくコテージ~ (C)南野陽子」 などと、車内で秋の昭和アイドル歌謡をひとしきり歌えば、あっという間にナパに到着だ(昭和歌謡なぞ知らぬ、運転手のN君は迷惑だったわよね・・・)。 今回は久しぶりに、日本人が経営するケンゾーエステイト(Kenzo Estate)で紅葉狩り兼ワインテイスティングをすることに。 桜の花びらのような美しい色の

続・死に至る病、そして (3)

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 「ちょっと、これから鹿児島行ってくるわ!」 東京に住む、大学時代からの悪友オカマのK子から、LINEにメッセージが入った。 「あんた、鹿児島まで何しに行くのよ?」 と問うと、緊急事態宣言が解除されたということで、一回り年下の"知り合い"を連れて旅行に出かけるのだという。 「あんた、またそんな若い子連れて、旅行費用だけせびられて、東京帰ってきたら捨てられるんじゃないでしょね!?」 と、思わず嫉妬で嫌味が出てしまう自分である。 日本に住む他の友達のSNSの投稿をみていると、皆、伊豆や沖縄などの旅行写真があちこちで見られる。 「いいなぁ。自分も日本帰って、温泉行って浴衣来て、畳の部屋で郷土料理に舌鼓打ったりしたいわよっ」 と、同じく日本に帰りたくとも、なかなか帰れずにいるサンフランシスコの友人や同僚に愚痴ると、皆やはり10日~14日間の自宅待機がネックだという。 日本に帰るにも、せいぜい2週間程度しかまとめて休みが取れないサラリーマンの身としては、10日間どこも行けずに誰とも会えずに過ごすのはどうにももったいない。 「コロナ前でも、せいぜい1年に1回しか日本の親に会えなかったのに、去年も今年もコロナで会えずだわ」 「親の年齢考えたら、やっぱり無理してでも毎年顔見たいよ~」 などと、近所に住むM子やK枝とも話すが、結局、皆今年の冬もアメリカ居残り組になりそうである。 ーーーーーーーーーーーーーー 先月のはじめくらいから、ワクチンのブースターとして3回目の接種が一部で開始されたようだ。 カリフォルニア州では、65歳以上の人や、仕事内容・健康状況に応じて、3回目の接種が認められていて、自分の周りでも既に3回目を接種した人という人が何人もいる。 だが、カリフォルニア州全体では、必要回数と言われる2回のワクチン接種を完了している人口は60%ちょっとに留まっている。 それでも、街を歩けばだいぶ人が戻ってきており、マスクこそしているものの、普通に買い物したり、レストランや飲み屋で食事をしている人が増えた。 「今日は久々に会社行ってくるわ」 と朝、同業女子のM子からLINEが入った。 自分の会社も今月から正式にオフィスが再開されたが、まだ基本的に皆家から働いている。 一方で、M男やK枝は仕事柄、ほぼ毎日出社しているという。 日本はすでに国内のワクチン接種率が70%を

少女に何が起こったか

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コーヒーを飲むとすぐに腹をこわすので、仕事中は大抵、緑茶を飲んでいる。 それでも毎日緑茶だと飽きてくるので、時々気分を変えてミントティやらレモンジンジャーティといったハーブティにしたりもしている。 今日は、この間スーパーで安売りをしていた「ホワイトローズティ」とやらと、試してみることにした。 ティーバッグに湯を注ぎ、待つこと5分。 微かに薔薇の香りがしてきた。 "ん、この薔薇のお茶、昔どこかで飲んだぞ?" 香りに誘われ、中年の朧で曖昧な記憶を辿ってみる。 "そうだ、ピアノの先生のうちで、レッスンの前にお菓子と一緒によく出てきたお茶だわ・・・" 中学生、高校生だった頃。 放課後に制服のまま電車に乗り込み、横浜駅からまたバスで数十分行ったところにある、ピアノ教室に通っていた。 先生とのレッスン前に、別室のレッスン室で練習をしていると、毎回美味しいお茶と我が家では食べたこともないようなお菓子を出してくれたものである。 部活もあるし、塾もあるし、友人との付き合いもあるし、でろくに練習もせずにレッスンに臨むと、 「あなた、練習してこなかったでしょ」 と厳しく先生に一蹴され、別室のレッスン室で練習だけして帰ったことも何度とあった。 それでも、吹奏楽部で担当していたオーボエで音大の器楽科に進みたいなどと、途方もない野望を伝えると、 「あなた、絶対音感がないから、大変だろうけど・・・」 と言いながらも、音大受験のための対策をと、つきっきりで夜遅くまで、楽典、聴音、視唱、等のソルフェージュのレッスンをしてくれたのだった。 時には出前の弁当を注文してくれて、レッスン室で遅い夜飯をとったことも何度とある。 今でこそ、友人たちに自分が音大を目指していたなどといったならば、 「あんたは、芸大じゃなくて、ゲイ大目指してたんでしょ?」 などと笑い話になるが、あの頃の若き自分は、N響アワーなどでテレビに映る演奏家のように音楽家になるのを、本気で夢見ていたのである。 しかし、毎日の練習と訓練の日々の中で、自分の才能の無さを知り、結局、オーボエの先生にも、このピアノの先生にも、 「やっぱり無理なので、やめます」 と、あっさり挫折したのだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「今日、本選の結果でるよ!」 と、仕事中に会社の同僚から業務チャットでのメッセージが

心の鍵を壊されても 失くせないものがある

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仕事の繁忙期の山をやっと越えて、久しぶりにゆっくりと週末を過ごしている。 歯を磨きながら久しぶりにしっかりと鏡を覗くと、髪も髭も伸び切り、くまが目立つ肌も荒れ果て、目じりのしわもほうれい線も一段と深くなった、中年オカマの顔があった。 ーこの、新宿2丁目で始発電車を待つ、場末のオカマは誰ぞや? ー嘘・・・。これが、本物のあたし・・・? ーひゃだ、こんなのいつものあたしじゃない・・・ と鏡の前で人知れず一人芝居をうつも、ここ数か月、特にこの数週間は毎日2、3時間睡眠という生活だったから、こんな荒れ果てた枯れた砂漠のような顔をしていても、驚くことではなかったのだった。 せめて髪でも切りに行って若返らなきゃだわ、と数週間ぶりに家の外に出て、歩いて近所の床屋に向かうことにする。 「いらっしゃい~! 生きてた?」 床屋のドアを開けると、いつものベトナム出身のお兄さん(おネエさん)が迎えてくれた。 「昨日まで仕事で死んでたわよ」 とチェアに腰掛けながら答えると、大変だったねぇ、と鏡越しにうつった寝不足で顔色の悪い自分の顔を見ながら、肩を優しくなでてくれたのだった。 日々ジムで身体を鍛え、いつも身体にぴったりとフィットした自作の服(衣装?)を纏っている優しいおネエさんである。 「今日の衣装も素敵だね。自分で作ったんでしょ?」 と問うと、 「もちのろんよ。ほら、マスクも同じ柄の生地で合わせてあるんだから。」 と髪を切っていたハサミを一旦おいて、ファッションモデルのようなポーズをとって、答えてくれた。 仕事中に次はどんな衣装を作ろうかと考えて、仕事がない日に好きな音楽をかけながら、ミシンをかける時間がとても幸せなのだという。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 床屋で髪をきれいにしてもらい、また歩いて家へ向かう。 歩きながら横目で店のショーウィンドウにうつった自分の姿をみると、顔はまだ疲れているが短く整えてもらった髪のおかげで、少しは若返っただろうか。 普段から肌寒い秋のサンフランシスコの日にしては、暖かい日で頬をふれる優しい風と日差しが気持ちよい。 もう何週間も外に出ていなかったから、そんなすべてが久しぶりで久々に生きた心地がしている。 一日中、飯やトイレに行く時間もないほど、ずっとコンピュータの前にすわり、ストレスにされされながら仕事をしていると、心も体も病んでいくのが

失われたラーメンを求めて

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"うぐっ…ラーメンが食いたい…!" ここ数週間、無性に"ラーメン食いたい症"にかかっている。 とは言え、数か月前に受けた健康診断では高血圧が悪化しており、塩分のかたまりと言われるラーメンをむやみに食べるのは躊躇われる哀しき中年である。 しかも、その健康診断では体脂肪率も大幅にアップしており、医者にコロナ太りを正式に認められたばかりであるから、ダイエットの敵と揶揄される愛しのラーメンちゃんとは、縁を切らねばならぬところなのだ。 学生時代には昼に日清のシーフードヌードル、夜にカレーヌードル(どちらも大好物)とひとりでカップ麺祭りをやったり、東京でのサラリーマン時代には、毎晩のように友人や後輩と飲んだ帰りにラーメン屋を渡り歩いても平気だったのだがね。 ーーーーーーーーーーーーーーー この街に住む同年代の日本人の友人達と、毎日のように「今日は何歩歩いてきたわ」とスマホの万歩計表示を送りあったり、「今日は野菜がっつり食べました」となどと飯時の写真をシェアしたりしている。 M男に至っては、ダイエットの効果が確実に出ているらしく、体重の折れ線グラフをわざわざ送ってくるくらいだ。 「あのさ、うちらいつから、こんな健康ばっかりで色気もへったくれもない話してるわけ?」 「お互い40過ぎてるんだから、嫌でも健康に気を使わなきゃ」 と、もはや中年どころか老年の会話であるが、お互いが「健康警察」として見張られているような状態なので、お互いの健康維持にある意味役に立っている。 しかし、そんな「健康警察」仲間の核ともいえる、同業女子のM子でさえも時々、 「プリングルスの緑のやつ、食べちゃったよ」 などと告白してくるので、 「M子ちゃん、たまにだからいいのよぉ。我慢のし過ぎもよくないし!」 と慰めたりする。 健康とジャンクな食欲に揺れ動く、中年心と秋の空である(なんのこっちゃ)。 ーーーーーーーーーーーーー 仕事を終えた日曜の昼。 "そう、たまになら。たまになら、いいよね" となんだかんだ言いながら、結局欲に負けてラーメンを食べに行くこととなった。 とは言え、日本のようにあちこちにラーメン屋があるわけではなく、あってもとんでもない値段で大して美味しくないラーメンを出す店も多い。 そんな時に助かるのが、地元の日本人の情報網である。 前に仕事

ずっと心に描く未来予想図は

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東京でサラリーマンをしていた頃、毎週のようにつるんでいた友人がいた。 お互い遅くまで残業した後、スーツのまま二人でスーパー銭湯に行ったり、夜食にラーメンを食いに行ったり。 週末には、彼の運転する車で当時流行っていた曲やラジオを聴きながら、夜の東京をドライブしたり、少し遠出して、日光やら箱根やらも行ったりした。 自分がアメリカに行くのを決め、東京での仕事を辞めた日。出勤最終日に会社のビルを出ると、外で背の高いその彼が待っていた(まるで大昔のトレンディドラマのようだわよ・・・)。 「今日から自由だね! 何したい?」 と問う彼に、 「なんか海が見たい気分かも」 などと、今時若い娘も言わないような、ブスな返事をする自分を静かに笑って、千葉の海まで連れてってくれたのだった。 アメリカへ出発する直前には、彼は涙を流して惜しんでくれて、自分は自分で彼との思い出にと、当時二人で車でよく聴いた曲を入れたMD(ミニディスク....若い子は知らんだろな)を彼に渡したり(重っ...)。 こんな風に思い出してみるとーだいぶ脳内で想い出補正してるかもしれぬがー、まるで恋人同士のようである。だが、彼と自分はあくまで仲の良い"ただの"友達だったのだ。 それにしても、スーツ姿の似合う、背の高いいい男だったよなぁ。 さて、自分がアメリカに渡った直後は、アメリカでの生活経験のある彼には色々アドバイスを仰いだり、一度彼が仕事の出張でサンフランシスコに滞在した時には一緒に酒くらいは飲んだが、時間が経つにつれて、お互いだんだん連絡も取らなくなっていった。 そしてその後、彼は女性と結婚し、今ではお子さんもいると、風の便りに聞いた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今の会社の日本人の上司は、時々週末に会社の日本人メンバーとその家族ををサンフランシスコ郊外の彼の家に呼び、手巻き寿司やら焼肉やら天ぷらやら、自宅でとれた新鮮野菜やら、色々と美味しいものを食べさせてくれる。 子供を何人も育てながら働いているママさん同僚も何人かいるので、その上司の家の会では、お子さんたちのはしゃぐ声で賑やかになる。 時々こうやって会うたびに、そのお子さんたちはどんどん成長していくのに驚くばかりだ。 「この前あった時は、まだ赤ちゃんだったのに、今じゃ旦那さんに似て、本当よー喋るわ!」 「数年前は"

私がオバさんになったよ

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「あんたの、推しってだーれ?」 「えー、誰だろ。やっぱり、大谷翔平かなぁ。」 ジェーン・スー女史とTBSの堀井美香アナウンサーの、オバさんトーク満載の ポッドキャスト を、サンフランシスコに住む同業女子のM子と、毎週楽しみに聴いているのだが、そこでよく「推し活」について話されている。 そんな流れで、M子に自分の「推し」を問われ、真っ先に思いついたのが、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平クンだった("君"を"クン"と書くあたし昭和..)。 推しといっても、元々野球に興味のない自分であるから、せいぜいインスタやユーチューブで勝手に(?)表示される、大谷クンの写真やら動画などを拝見する程度なのだがね・・・。 それにしても、あの笑顔にあの筋骨隆々とした体躯(ムフ)。見ているだけで、日々の心身の疲れを一時忘れることができそうなくらいである。しかも、なんだか性格も良さそうな雰囲気なのよ(勝手に推測)。 彼の上半身裸くらい拝めないものかしらん、とネットでこっそり写真を探してみるも見当たらなかったわよね。 M子も、大谷選手は確かに可愛いと同意したものの、 「でもさ、あたしたち、完全に目線がオバさんだよね・・・親戚の甥っ子を見守る親戚のオバちゃん」 「確かに、若い頃、テレビでアイドルを追いかけてた頃の目線じゃぁないね」 と、二人で笑って納得したのだった。 今でこそ、「推し活」などと言った言葉があるようだが、我々がまだ子供だった当時も、確かに"推し"はいたのであった。 M子は、当時「明星」や「ポテト」といったアイドル雑誌を買っては、少年隊やらジャニーズを追いかけていたというし、この街に住むゲイのY子に至っては、当時実家の自分の部屋の壁一面に加勢大周のポスターをいくつも貼っていたらしい(あの子、親によくオカマってばれなかったわよね・・・) 自分は、当時から聖子や明菜が大好物だったが、一時期おニャン子に傾倒していた時期がある。 母の化粧台の鏡の前で、妹と一緒にマイクを手で持つふりをして新田恵利の声を真似たりして、よくおニャン子ごっこをしていたものだ(あたしも親によくオカマってばれなかったわよね・・・ってかバレてたか) 今でも時々、同じ街に住む同年代のK枝と二人、飲み屋の片隅で酔った勢いで元おニャン子の 河合その子の振り付け を真似

続・死に至る病、そして (2)

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数週間前から、我が家のN君はなんだか落ち着かずそわそわとしていた。 こっちは仕事の締切前で朝晩関係なく、馬車馬のように働いていたのだが、一方で N君はなんだかやけに楽しそうにみえる。 「なんか、最近ずっとご機嫌だよね~?」 と意地悪な女優のように半分嫌味で聞いてみると、どうやら久々に仕事の出張でコロラド州のデンバーに行くのを楽しみにしているようなのだった。 「この仕事はじめてから、今までコロナ禍で会社のだれとも直接会ったことなかったけど、今回やっとチームメイトや直属の上司に会えるからね。」 と仕事だからしょうがなく行くというふりをしつつも、実際は楽しみなのを隠しきれずにN君は言う。 出張出発の数週間も前から、まるで遠足の日を待つ子供のようだったわよね。 一方、自分の会社はといえば、去年の3月からずっと完全に家からのリモートでの仕事となっていたのだが、ワクチン接種もだいぶ進んだということで、来月10月に約1年半ぶりに全米のオフィスを再オープンさせるという。 日本人の同僚とは、 「オフィス開いても、今更通勤する気もさらさらないし。あのごみごみした地下鉄乗るのもも嫌。」 「このまま家から働くわ。普通に仕事回るし、メイクもしなくていいから楽だし。」 などと仕事中に話している。 確かにこのご時世で、人前に出るためにきっちりと着飾る必要もなく、社内での飲み会などの付き合いや、クライアント先へ訪問する必要もなくなり、自分もその分ストレスが減り気が楽になっているのは確かなのだった。 人と出会えなくても、家でぼさぼさ頭のまま黙々と仕事をこなし、仕事の後は酒の入ったグラスを片手に一人読書をしたり、テレビゲームをしたり、ピアノを弾いたりしているほうが、よっぽどリラックスできる自分である。 そんな内向的な自分に比べて、外向的なN君は人と出会えないのがストレスなのであった。仕事仲間なり、水球仲間なりと集まってワイワイやるのを生きがいとするN君である。なので、今回の出張もまるで修学旅行のような気分で楽しみにしているは、理解はできるのだが・・・。 そういえば、だいぶ前にやった、 マイヤーズブリックスの性格診断 の結果も、確かにN君は"E" (Extraverted)の外交的性格で、自分は"I"(Introverted)の内向的性格だった。 しかし自分の本心

8月の風を両手で抱きしめたら

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「今週末会社の同僚と久しぶりにWaterbar行ってくるよー」 8月の夏の終わりに、この街に住む同業女子のM子からLINEが入った。 Waterbar は、サンフランシスコ湾に面するエンバカデロ通り沿いにあるシーフードレストランで、店の席からはゴールデンゲートブリッジが一面に見渡せる。 しかも、ランチタイムから夕方までの間は、生牡蠣が1つにつき1ドルちょいで食べられるので、コロナ前はよく”女子会”と称して皆で、泡ちゃん片手に生牡蠣をたらふく食べたものである。 「いいな~。あーた、生牡蠣いっちゃうつもり?!」 とM子に問うと、 「もちのろん!」 と即座に返事が来た。 デルタ株やら何やらで、また引きこもり生活に戻ってしまい、平日は殆ど外に出ない生活である。 こうやって、週末だけでも同僚や友人と、屋外ではあるものの、うまいものでも食べて、日々のストレスを発散しないと、メンタルがやられてしまいそうだ。 ーーーーーーーーーーー 土曜日の朝。 久しぶりに真夏のような、暑さである。 そんな暑い夏の日は、ーM子に触発されたからかー、無性に、冷えたワインと生牡蠣にレモンをしぼって食いたい気分である。 "あーん、M子のせいだわ。こうなったら自分も牡蠣食いに行ってやる!" と中年オカマの食い意地でシーフードの店を探すも、手ごろな値段で生牡蠣を出す店は、どこも既に予約で埋まっている。 近所のスーパーマーケットにも、生牡蠣を売ってる店はあるにはあるが、値段も高く、いつ入荷したものかも怪しくて食中毒も怖くて手が出せない・・・。 ふと、同じくサンフランシスコに住む ブログ をやってる方が、時々ファーマーズマーケットで新鮮な牡蠣を買ってきて家で生牡蠣を楽しむという、美味しそうな記事を載せていたのを思い出した。 "今夜は我が家も、家で白ワイン&生牡蠣大会、やっちまおうか!" サンフランシスコから北へ車で1時間少々行ったところに、トマレスベイやボデーガベイといった、牡蠣やその他魚介で知られる海沿いのエリアがある。 今日はそのボデーガベイに、新鮮な牡蠣ちゃんたちを買い求めに行こうじゃないの。 湾から少し離れたところにあるオイスターの専門店 この古いボートが目印よ 店の中では、クマモトやミヤギなどの色々な種類とサイズの牡蠣を売っていたので、お店のお姉さんにお勧めを聞