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続・死に至る病、そして (5)

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散歩をしていても、スーパーに買い物に行っても、ジムに行っても、サンフランシスコの街は、多くの人がマスクをせず、普通に過ごしている。 どこに行くにも、もはやワクチン証明書も必要無い。 人々が、コロナ前と同じように生活しているのを見ていると、コロナ禍の日々はまるで夢の話かフィクションのドラマ名の中での話だったような、気がしてくるわよね。 そんな中で、自分一人、まだマスクをしていると、 "なんで、マスクをしてるの?” ”ワクチン打ってないのかしら?” みたいな顔をされる(気がする)のだが、自分はマスクをしている方が、安心な気がするので(あとコロナ太りした顔も隠せるし?苦笑)、今のところまだマスクは続けている。 自分の会社も、完全に再開し、マスクも不要となったが、自分はあの地下鉄に乗って通勤するのが億劫で、まだ家から働いている。 ------------------------ 金曜日。 「また、チームメイトが、コロナに罹った!」 とN君が騒いでいたのだが、もうここ数ヶ月で何度も聞いている話だったので、 「また、きたか」 と自分は驚くこともなく、チームメイトがコロナに罹ったタイミングとN君が練習に参加した日のタイミングを聞き、それじゃぁ、とテストキットの1つをいつものようにN君に手渡す。 米国の郵便局のウェブサイトから注文できるものや、会社の健康保険を使って購入できるもの(どちらも無料)が、我が家の棚にたくさん買い溜めてある。 N君は、いつものように手慣れた手つきで、鼻に綿棒をぐりぐりやり、溶液に浸してそれをテストカードに滴らし、15分ほど待って陰性であることを確認し、とりあえずホッとしたのだった。 その日の夜は、自分は、日本人のリアルおばちゃん&ゲイ友達のグループ(40代、50代の女性とオカマ)と、サンフランシスコの街外れにある韓国料理屋の屋外の席で、誕生日ディナーの会だったのだが、その後家に戻ると、N君は、なんだか疲れていると言って、早々寝床についていた。 そして、その翌日・・・。 なんだか朝から咳こんでいるN君である。 「あのさ、昨日陰性だったけど、念の為に、もう1回テストしてみれば?」 とN君を促し、昨日と同じようにテストしてみると、、、結果は陽性であった。 ”あらら、ついに、我が家にも、コロナがきたか・・・。” と、正直、驚きもない自分である。 あれだけ

哀しみは絶えないから 小さな幸せに気づかないんだろ

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雨上がりの空。 雨雲の切れ目が、少し明るくなってきたので、いつものように散歩に出た。 いつもと変わらぬ平凡で静かな道を歩きながら、昨夜、日本に住む、中学時代の吹奏楽部仲間の女子から、真夜中に届いたLINEのメッセージを思い返していた。 彼女は、ウクライナの人たちのことを考えると、夜も眠れない日々が続いているという。 いつもならば、ふざけ合っている彼女たちと、戦争と平和について話し合った。 そして、 「うちらは、彼らの為に今、出来ることをしよう」 ということで、 自分も、微力ながら、 ウクライナ・難民支援の団体 に募金をしたのだった。 春の北カリフォルニアは、ウクライナ色 難民といえば、ついこの間、デンマークへ亡命したアフガニスタンのゲイの青年を主人公にしたドキュメンタリーを観たばかりであった。 「FLEE」というタイトルの、実際にあった話をアニメ化したドキュメンタリーである。 祖国で安全に住むことを許されず、ロシア、そしてデンマークへ難民として渡らねばならなかったゲイの青年とその家族の物語を観て、21世紀の令和のこの世にも、世界のあちこちでこういったことが起こっていることに、今更ながら、改めてショックを受けたのであった。 彼が家族にカミングアウトをしたあとに、 お父さんが彼をある場所につれていったシーンには 泣いたわ。 (C) NEON ------------ 先週末。 「久々に焼肉食べたいな」 「久々に家焼肉やっちゃおうか」 ということで、いつものニジヤで、肉やらカボチャやらその他の野菜やらを買い込み、久しぶりに、狭い我が家をもくもくと煙り臭くさせながら、家で焼肉となった。 牛タンは、塩とレモンで。 カルビは、やっぱりエバラの焼肉のタレと一緒に。 冷蔵庫の奥に眠っていた、古い野菜たちも、全部食べちゃおう。 遠い昔、東京に住んでいた頃は、西麻布かどこかの焼肉屋に、仕事の後にスーツのまま、スーツに匂いがつくのも気にせずに、美味しい焼肉を求めて、よく向かったものだが、アメリカに住んでいると、そんなものは夢の世界である。 そんな日本の焼肉には到底及ばぬが、こうやって、異国で家で焼肉をするのも、それ程悪くない。 そんなことを思いながら、ふと、箸を止めて、窓の外を見ると、遠くに見えるダウンタウンのビル群の中のセールスフォースタワーは、ウクライナの国旗の色に染まっている。 今

卒業できない恋もある

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いつもの散歩道を歩いていると、桜や梅の花びらが、ひらひらと舞っているのに気づく。 つい数週間前は、美しい薄紅色の花を咲かせていた木々も、花を散らせ寂しそう。 3月に入り、サンフランシスコの"花見"の季節も、終わりが近づいているようだ。 それにしても、街は人であふれ、マスクをしている人もほとんど見かけなくなり、まるでコロナなどなかったかのようで。 自分の会社も、3月に入ってからは、オフィスでのマスク着用は必要なくなり、ミーティングなどの人数制限もなくなったらしい。 先週末、久々にジムに行ったら、マスクしているのは自分だけで、逆にマスクをしていると、 "こいつ、ワクチン打ってないんじゃね?" みたいな顔で見られたわよ? このまま、コロナもインフルエンザのように、ブースターワクチン打ってりゃ大丈夫、って話になるのか。 いずれにしても、日本の水際対策が緩和され、日本に帰れる日が近づいているのなら、嬉しいのですがね・・・。 -------------------------------------- 久しぶりに、泣ける映画を観た。 「 Coda (コーダ) 」というタイトルの映画で、耳の聞こえない家族の中で、一人だけ耳の聞こえる高校生の少女の物語で、実際に生まれつき耳の聞こえない役者が、その家族を演じている。 とても温かい、美しい良い映画だったのだ。 しかも、そんな映画を見ながら、遠い昔に一時期お付き合いをしていた、生まれつき耳の聞こえない昔の男なぞを思い出したもんだから、またおセンチ(昭和!)な気分になって、また涙。 もはや今、その彼がどこで何をしているかを、自分は知る由もないのだが、そんな温かい映画をみて、彼がどこかで元気に幸せに暮らしていることを、切に願うのであった。 というか、家のソファーに寝そべって、中年ゲイのおっさんが映画を見ながら、きったない顔で何度も涙を流すっていうのも、絵的にはかなりキツいですがな・・・(苦笑)。 ほんと、年取るごとに、涙腺弱くなるわ・・・。 テーマ曲の、ジョニ・ミッチェルの「青春の光と影」のカバーが また良くて。 思わず、 へったっぴピアノ で弾いてみたわよね。 (C) Apple TV+