私がオバさんになったよ

「あんたの、推しってだーれ?」

「えー、誰だろ。やっぱり、大谷翔平かなぁ。」

ジェーン・スー女史とTBSの堀井美香アナウンサーの、オバさんトーク満載のポッドキャストを、サンフランシスコに住む同業女子のM子と、毎週楽しみに聴いているのだが、そこでよく「推し活」について話されている。

そんな流れで、M子に自分の「推し」を問われ、真っ先に思いついたのが、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平クンだった("君"を"クン"と書くあたし昭和..)。

推しといっても、元々野球に興味のない自分であるから、せいぜいインスタやユーチューブで勝手に(?)表示される、大谷クンの写真やら動画などを拝見する程度なのだがね・・・。

それにしても、あの笑顔にあの筋骨隆々とした体躯(ムフ)。見ているだけで、日々の心身の疲れを一時忘れることができそうなくらいである。しかも、なんだか性格も良さそうな雰囲気なのよ(勝手に推測)。

彼の上半身裸くらい拝めないものかしらん、とネットでこっそり写真を探してみるも見当たらなかったわよね。

M子も、大谷選手は確かに可愛いと同意したものの、

「でもさ、あたしたち、完全に目線がオバさんだよね・・・親戚の甥っ子を見守る親戚のオバちゃん」

「確かに、若い頃、テレビでアイドルを追いかけてた頃の目線じゃぁないね」

と、二人で笑って納得したのだった。

今でこそ、「推し活」などと言った言葉があるようだが、我々がまだ子供だった当時も、確かに"推し"はいたのであった。

M子は、当時「明星」や「ポテト」といったアイドル雑誌を買っては、少年隊やらジャニーズを追いかけていたというし、この街に住むゲイのY子に至っては、当時実家の自分の部屋の壁一面に加勢大周のポスターをいくつも貼っていたらしい(あの子、親によくオカマってばれなかったわよね・・・)

自分は、当時から聖子や明菜が大好物だったが、一時期おニャン子に傾倒していた時期がある。

母の化粧台の鏡の前で、妹と一緒にマイクを手で持つふりをして新田恵利の声を真似たりして、よくおニャン子ごっこをしていたものだ(あたしも親によくオカマってばれなかったわよね・・・ってかバレてたか)

今でも時々、同じ街に住む同年代のK枝と二人、飲み屋の片隅で酔った勢いで元おニャン子の河合その子の振り付けを真似て、周りの男どもから冷たい目線を浴びる中年オカマのヤバいやつになる始末である。

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「推し」と言えば、実家の母と妹は、俳優キアヌリーブスの大ファンである。

「スピード」の頃から、「マトリックス」シリーズはもちろんのこと、彼の出演したその他の数々の駄作映画(失礼)すらも何度も観るほどらしい。

彼が若き頃に出演していた「マイ・プライベート・アイダホ」は、自分も好きでよく観たわ(共演のリバーフェニックスの美しさよ)。

さて、そのキアヌリーブスだが、最新作「マトリックス・レザレクションズ」の予告編が先週発表されたらしく、妹が興奮してLINEメッセージを送ってきた。

サンフランシスコが一部舞台となるらしく、去年の2月くらいにはダウンタウンにあるN君のオフィスの入ったビルのコーヒーショップなどで撮影をしていたらしい。

どれどれ、と自分もユーチューブで予告編を観てみると、靄がかったサンフランシスコの街並みのシーンが映り、歳を重ねて渋い顔になったキアヌリーブスが現れた。

”今のキアヌリーブスもいいけど、やっぱり若かった頃の彼は、いいオトコだったわよねぇ"

と、やっぱりオバさん目線になる自分なのである。


劇中のシーンの右端に、母と妹が去年結婚式に来てくれたときに泊まったホテルを発見
早速LINEで伝えたら、それだけで大騒ぎ
(C) Warner Bros. Pictures


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