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It's a Sin

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春の強い風の日が続いているサンフランシスコの町だが、散歩をしていると歩道には花々が見られ、大分春らしくなってきたと気づく。 先週でこのコロナの引きこもり生活が始まってから、ちょうど1年経った。 会社の上司や友人の中にも、健康状態や仕事の業務内容によっては、既に優先的にワクチン接種を終えた人が増えてきている。 カリフォルニア州内に住む者は、自分のような一般人でも4月15日から接種可能になるようだが、さてどうなることやら。 ーーーーーーーー 「最近ネットフリックスでなんか面白いの観たー?」 いつもの友人や家族とのLINEのやりとりでも、大抵テレビや映画の話になる。 こうやって家にこもってたら、みんなやっぱりテレビの前に座ることも多くなる訳で。 オスカーにノミネートされた「ノマドランド」や「ミナリ」もよかったが(どちらもアジア系監督作品!)、自分が最近観た中で特に気になったのは「It’s a Sin - 哀しみの天使たち」というゲイドラマである。 英国のテレビシリーズで、エイズがまだ未知の病気で「ゲイの癌」と呼ばれ、多くの同性愛者たちがエイズクライシスで次々と亡くなっていった時代を生きる若者たちの話である。 今でこそHIVへの有効な薬ができて、自分のHIVポジティブの知人達も元気に生活を送れる 時代になったが、我が家のN君が、両親にゲイであることをカミングアウトした当時は、お父さんに「エイズになったらどうするんだ」と真っ先に言われたという。 80年代当時、ゲイの多く住むサンフランシスコに住んでいたN君の両親は、エイズクライシスを目の当たりにし知り合いを多く亡くしてきたというから、息子を心配したその発言も理解はできる。 未知のウィルスであるコロナの時世とも重なり、興味深くそのテレビドラマを観たのだった。(泣いたわ!) 他にも、中年ゲイの大学教授とその姪の家族のドラマを描いた「Uncle Frank」や、認知症を発症した中年ゲイとその旦那の物語「Supernova」もよかったわ!(どっちも泣いたわ。中年・ゲイ映画ばっかよね...) さて、今夜は仕事は早めに切り上げて、ワインとチーズをつまみに我が家でまた映画ナイトしましょかね。 早くまた劇場の大きなスクリーンで映画を観れる日が戻ってくることを楽しみに....。 当事者と周りの家族や友人達のそれぞれの物語。 It's a

さくら さくら いざ舞い上がれ 永遠にさんざめく光を浴びて

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"あなたの令和3年度神奈川県立公立高等学校の入学者選抜における合否結果は次の通りです。 " 合格 " 兄からLINEで、甥っ子の合格通知が送られてきた。 受験勉強にもなかなか集中できず、携帯も合格するまで取り上げられていたと聞いていたから、一時はどうなることかと思ったが、無事に合格のようだ。 思わず遠い空の下でガッツポーズを決めた自分である(昭和の大映ドラマか)。 「あんなにがきんちょだったのに、来月から高校生徒とはね!」 などと、酒を片手に独り言ちながら、大昔に撮った彼が赤ん坊だったころの写真を引っ張りだして眺めてみる。 すると矢継ぎ早に今度は母からLINEで、メッセージが届いた。 一緒に送られてきた写真は、卒業式で制服姿の友人たちと一緒にうつる姪っ子である。 今度は、 「あんながきんちょだったのに、もう立派な大人の女だわね~」 などと、高校を卒業し来月から短大に進むという彼女の幸せを願わずには言われない、おじさん(おばさん!)なのであった。 ーーーーーーーー サンフランシスコの街が薄紅色の花の木々で染まる短い季節も、あっという間に終わりを迎えようとしている。 花びらが全部散ってしまうまえにお花見を!と急遽仕事のランチタイムに家を抜け出し、街の桜だか梅だか桃だかわからぬが、美しい色の花たちを眺めながら、散歩をしてみる。 歩きながら、ふと風が吹き、その風にふかれて舞っていく薄紅の花びらをみると、思わず昭和の卒業ソング(渡辺美里とか菊池桃子とか尾崎豊とかおニャン子とかやまだかつてないWINKとか)が脳内再生されるのは、桜=卒業とイメージさせる日本の文化のせいかしらん。それとも単にしみじみしたがりのめんどくさい昭和のオカマの性か。 先の甥っ子、姪っ子の知らせを聞いたばかりだったからか、自分が遠い昔に何度と経験した卒業と別れがフラッシュバックして、なんだか切なくなる自分である。 さくら さくら 今 咲き誇る 刹那に散りゆく運命と知ってー さて、弁当でも買って、公園で花見しながら昼飯にしようか。 町外れの公園の桜も満開だ カツカレーや焼肉弁当も売ってる 可愛らしいカフェで弁当を調達 ちと買いすぎたか、色気より食い気 腹周りの肉ばかりが育ち盛り