2016年12月31日

悠久の時の流れを

大晦日。

今年は仲間四人とナイル川を船で下りながら過ごしている。

2016年は、長引く咳や10円ハゲなどでジタバタしたものの比較的穏やかに過ごせたと思う。

古代エジプトの雄大な遺跡を一つずつ訪れていると、日々の細かい出来事や悩みなどどうでもよくなってくるもので。

2017年も、家族、友達、自分自身が健康に平穏に過ごして行けますように。



穏やかに流れるナイル川を眺めながら、
2017年もこうやって穏やかに過ごせることを祈る中年乙女であった (C) 来宮良子


2016年12月26日

微笑がえし

月曜の朝の地下鉄。

まわりを見渡すと、週末明けで憂鬱な顔をした乗客でいっぱいだ。

窓に映った自分の顔を見ると、そこにはブスな中年オカマの自分。

目元のしわや顔のたるみはさておき、こんなに自分の口角って下がっていたっけ!?と思わず目を逸らす。

この時期は毎年毎日残業で、週末はホリデーパーティ続きだから、肉体的にも精神的にも疲れが溜まるのはしょうがないと理由をつけるにしても、こんな不幸顔をしていたら、以前オカマのY子に「あんた、そんな口角下げた顔をしていたら、いいオトコも幸運の神様も寄ってこないわよ!」などと言ったのにも、示しがつかない。

こんなんじゃ、きらきらした40歳健康優良男子にになるには、程遠い!

今年の初めに癌を患った元同僚で同年代の女子に、携帯から「もう仕事つかれた~ 週末も休めないし~ もう無理!」とチャットで弱音メッセージを送ると、彼女から即座に「あんた、毎日疲れた疲れたって言ってるけど、疲れてても、元気がなくても、笑わなきゃだめ! 笑えば脳も細胞もだまされて、元気になるんだから!」と、いつものぎゃーぎゃした調子で、まくし立ててきた。

だまされたと思ってと、地下鉄の窓に向かって80年代アイドルぶって口角を上げてみたら、引きつり顔の売れない中年アイドルみたいになったが、なんとなく元気がでてくる気もする。

突然、まわりの乗客も、にやにやしはじめた。

ど、どゆこと?と明菜のカバーアルバムをガンガンにかけていたイヤホンをはずしてみると、女の車掌さんが車内放送でなんだか面白いことを言っているらしい。

どうせ、あたいの英語力じゃ理解できないような、アメリカンジョークでも言ってるんだわ、とスルーを決め込んでいたら、会社のある終点の駅に近づいてきた頃、その車掌さんがまた車内放送で何やら言い出した。

「誰だって月曜は憂鬱よね。でも、会社についたら隣のきらいな同僚にも笑顔を向けてみて! きっといいことあるから!」

いつもは憂鬱な顔をした乗客でいっぱいの地下鉄の車内が、駅につく頃にはみんななんだかほっこり笑顔になった。

電車を降りて、車掌室に向かって Thank you!と無理やり口角を上げて声をかけてみたら、サンタクロースの帽子を被ったアフリカ系アメリカ人のおばちゃん車掌さんが顔を出して、Have a wonderful day! と笑顔で送り出してくれた。

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その昔、「東京ラブストーリー」というドラマが流行って、今でも時々Y子と夜の飲み屋で"リカ vs さとみ"論議をしたり、DVDで一人で観たりしている古いオカマの自分。

最終回だったか、鈴木保奈美が演じる赤名リカが、織田裕二が演じるカンチに向かって、別離を予感してか、転校ばかりだった自身の子供時代を思い出して、「あの子と最後に会ったとき私笑顔だったかなって。二度と会えないかもしれないから、なるべく笑顔でいなきゃって、思うんだ」と呟くシーンがあった(あたいも、よー覚えてるわ!)。

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この年になると、仕事のストレスや人間関係、ぱっとしない体調で、家族にも友達にも同僚にも、そうそういつでもニコニコもしていられないけれど、先の地下鉄の車掌さんのように、なるべく口角を上げて、笑顔で居たいと思う。

そういえば、母も昔よく「笑う角に福来る!」と言っていた。

2017年は赤名リカ目指して、毎日笑顔を目標に行くわよ!
(仲間には、中年オカマがきもちわるい、とか言われそうだけど!)

2016年12月15日

優しい雨の向こう側には 雨上がりの空が必ずあるのに

ここ数週間、週末は土曜も日曜もホリデーパーティが続いている。

日本で言うところの忘年会兼クリスマスパーティといったところか。

仕事場でもサンフランシスコの従業員全体で、どこから費用が出てるのか知らぬが、毎年盛大に行われる。今年はゴールデンゲートパークの美術館を貸し切り、男は黒服蝶ネクタイ、女はイブニングドレスでお祭り騒ぎだ。

同じ日にサンフランシスコのゲイ水泳チームのパーティがあったり、仲の良い友達のホームパーティが重なったりして、老体に鞭をうってタクシーではしごして顔を出す。

会社の半分仕事めいたパーティは兎も角、友達のパーティに誘ってもらえることは、仲間がどんどん日本へ帰っていき、また仕事が忙しくて疎遠になったりして、友達と呼べる人が少なくなっていく中で、本当に有難いこと。

とは言え、年末の残業続きで週末も働かなきゃいけない中で、パーティもあるとこの歳になるとやっぱりキツイ。

昔ビジネススクールのクラスでもやらされたマイヤーズ・ブリックスの性格診断を、この間若手の同僚にどのタイプかと聞かれて久々にやってみたら、やはり内向的なISFJタイプと診断されるくらいの自分である。

若い頃は、内向的でも会社の先輩や友達に誘われれば、着飾ってパーティに出るのを楽しんでいたが、やっぱり家に篭ってゲームや読書をしていたい根暗のオカマだから、もうこの歳で無理して女優になれない! 

来週の上司の家のホームパーティ、仕事もあるからパスしちゃってもいいかしらん。

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ここのところ、ずっと雨で寒い日が続いているサンフランシスコ。

東京に住む友達から、LINEで「明菜大復活よ! ディナーショーはじまったらしいわ!」と朝から興奮したメッセージが届く。

どちらかというとやっぱり聖子より明菜派の自分(やっぱり根暗のオカマ)。

「明菜もがんばってるから、うちらもがんばろ!」と返事を返す。


2016年12月11日

Stand by me

自分が10歳だったクリスマスの日の朝。目が覚めると枕元には、赤い包み紙に包まれた小さなプレゼント。

包み紙を開けると、それは真っ白い箱に入った、数ヶ月指折り数えて待っていた、新しいファミコンのゲームソフトだった。

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それから、30年後。

ここ数週間は、夜中前に仕事から帰り、疲れた身体でビール片手にテレビの前に座り、夜中の2時、3時までゲームに熱中している。

大学を出て社会人になってからは、テレビゲームも卒業したつもりでいたのだが、ネットで見かけたこのゲームの動画に一目ぼれし(?)、次の日には自分への早めのクリスマスプレゼントってことにして、ゲーム機と揃えて購入したあたしよ!

仕事疲れの上にゲームで寝不足で、現実世界では目の下にクマをつくってブスになりながらも、ゲームの世界では、若い男子4人が奪われたクリスタルを取り返すべく、自然あふれる美しい世界を旅する物語に、年甲斐もなくのめり込んでる中年オカマ。


イタリアのような街並みを歩いたり、遠くに見える海の景色を楽しみながら山道を歩いたりしてると、
あっという間に数時間経っちゃう。


30年前の冬休みの間中、母に小言を言われながらも朝から晩まで熱中していた、「ファイナルファンタジー」は、8ビットの画像に電子音だったが、今熱中しているこの「ファイナルファンタジーXV」は、本物の世界を自分で旅しているようなリアルな景色とオーケストラの音楽だ。

自分も着実に年をとったが、ゲームも着実に進化してるわけだわ、と感慨深い。

そして、あの頃ゲームを早くやりたいがために学校の後わくわくしながら足早に家に帰った自分と、残業の後、会社から足早に家に帰る今の自分が重なり、なんだか懐かしくもある。

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ゲームの世界もいいけど、現実世界も旅せねば、ということで、色々考えていた年末の旅行も決まりつつある。

今回の旅は、中年男子4人が失われた若さと青春を取り返すべく、古代エジプトの遺跡を旅する物語だ!(なんのこっちゃ)

年末年始は、初のアフリカ大陸&初のイスラム圏で、馴染みのオカマ仲間と世界不思議発見・ミステリーハンターやってくるど!

2016年12月8日

背の高いサンタクロース 私の家に来る

東京でサラリーマンをしていた頃のクリスマスは、祝日じゃなくて通常業務だったこともあってか、それほど気持ち的に盛り上がらずに過ごしていた。

仕事を早めに切り上げる同僚や先輩を横目に、同じく当日予定なしの同僚女子と「年末進行で忙しいんだから、クリスマスなんて関係なしでしょ!クリスチャンでもあるまいしさあ!」などと強がりな発言をしたり(ブス)。

だけど、アメリカに来てからは、周りのアメリカ人達の「ホリデー」気分に乗せられてか、自分も毎年11月も終わると自然とクリスマス気分になってくる。

ここ数日、通勤電車の携帯から流れる曲は「恋人がサンタクロース (C) 聖子」や「クリスマス・イブ」 だし、仕事から帰ったあとのへたっぴピアノも「チャーリーブラウンのクリスマス」という始末だ(どんだけ、乗せられてんのよ)。

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日曜日、ジムの帰り道を歩きながら、街の家々の窓からの覗くクリスマスツリーたちを見ていると、自分の家にもやっぱりツリーが欲しくなってくる(欲しがり屋のオカマ)。

どうせ買うならと、去年もお世話になった「The Guardsmen Organization」という恵まれない子供達のための慈善活動をしている団体が、サンフランシスコの大きなイベント会場を貸し切って行っている生のツリーの販売イベントにやってきた。

中に入ると、小さな子供サイズのかわいらしいツリーから、これを置ける家ってどんな家よ?ってくらいの巨大ツリーまで、数え切れないほどのツリーが立ち並んでいる。会場の空気は森の中にいるように澄んでいて気持ちいいだよ~。

多くの企業がこのイベントのスポンサーになっているらしく、企業から寄付されたワインや食べ物が会場に来たお客さんに無料で配られてたりもしている。

ワインを片手に、若いボランティアのお兄さん達が鍛えた腕にツリーを抱えて働いているのを横目で見ながら(ムフ)、自分の家のサイズに合ったツリーを探して歩いていると、会場の奥に小ぶりだがバランスのよい健康的なツリー君を発見! 

他のお客に取られる前に、と近くにいたボランティアのお兄さんの一人(いいオトコ…)に急いで声をかける。

「お兄さん、このツリーどう思う? 他のツリーと見比べてもやっぱりこの子が一番いいわ!」とほとんど独り言めいた会話をした後に、会計と配送手続きをしてもらって購入完了だ。

他のツリーを売る店よりいくらか値段が高いかもしれないけれど、ちょっとでも世の中の子供のためになるなら、いいでねーの!(かわいいお兄さんとも話せたし。ムフ)

会場の外では、お兄さんたちがツリーの荷造り。
環境を考慮してクリスマスツリー専用に育てられたものを販売しているという。


狭い我が家のリビングルームの窓際に運ばれたツリーにたっぷり水をやると、家中がツリーの美しい香りでいっぱいになり空気が澄んでいくのが分かる。

子供の頃は、自分の背にも満たないような小さいプラスチックのクリスマスツリーに妹と飾りつけをして、クリスマスの日の朝を楽しみにしていた。

あの頃は、ほんとにサンタクロースがいるもんだと信じていた。「ほんとはサンタクロースいないでしょ!」などと言ったものなら「信じない子にはプレゼントも何も来ないよ!」と半分脅迫めいたことを子供にいううちの母ちゃん。

当時、クリスマスの日の朝に、枕元にサンタクロースに頼んでいたゲーム機があった時の、あのワクワク感はすごかったなぁ。

アメリカに来てから、その当時のワクワクをまた少し思い出して、こうやってホリデーの空気の乗せられるのを楽しんでいるのかもしれない。

いい年して、クリスマスツリーではしゃぐオカマ。
(サンフランシスコでは使用後のツリーはリサイクルされます)



The Guardsmen Christmas Tree Lot
2 Marina Blvd, San Francisco, CA 94123

今年は11月26日から12月17日までの開催だそうだ。