投稿

8月, 2022の投稿を表示しています

クロアチア〜イタリア - 夜行船の旅

イメージ
ドゥブロブニクでの4日間という短い滞在の日々。 その小さな街をあてもなく散歩したり、近くにある無人島で泳いだり(ゲイの集まるヌーディストビーチもあったわ!)、旧市街にあるワインバーでクロアチアワインのテイスティングをしたり、エメラルド色のアドリア海を眺めながら夕焼けを眺めたり、としているうちに、あっという間にイタリアへ戻る日がやってきた。 この街にある港から、アドリア海の対岸にあるイタリアのバーリという街まで、夜行船で向かうのである。 ホテルの主の陽気なおばちゃんにそう伝えると、港まで車を出してくれるという。 夕方、英語を話さないおじさんの車に乗り込み、窓から夕暮れ時の美しいドゥブロブニクの街とアドリア海を眺めながら、おセンチな気分(昭和!)に浸っていたら、あっという間に港に到着した。 船に乗り込む前に、ゲートの出国検査でパスポートを手渡すと、船の印のついたスタンプを押してもらう。 EU間ではパスポートの提示は必要ないと思っていたのだが、それはあくまで「シェンゲン協定」と呼ばれる協定を結んだ国の間のみで、クロアチアはその協定に参加していないのだった。(そういえば、通貨もユーロじゃなくて、クーナだったわ。) 船に乗り込み、ホテルのフロントのようなところで部屋の鍵を受け取り、荷物を片手に、迷路のような船の中をやっとのことで、我らの部屋のドアを見つけることができた。 部屋は、まぁ期待はしていなかったけど、以前ポルトガルースペイン間を夜行列車で渡った時の部屋以上に、狭い部屋だったわよね。 それでも、どうしても船でアドリア海を渡りたいと主張していた我が家のN君の手前、まぁ、シャワーもトイレも付いているし、と文句は言わないでおくことにする。 そんなN君は、テレビで中継されている水球大会の試合が見たいというので(クロアチアは水球で有名らしい)、自分は彼を置いて甲板に出て、船が出発するまでの間、クロアチアのビールを片手にクロアチアの薄紫色に染まった港街を眺めることに。 最後に、こうやって船に寝泊まりして旅したのは、いつだったかと思い返してみると、それはもう自分が小学生くらいだった頃に、父に連れられて、神戸からかあるいは鹿児島からだったか、父の実家のある奄美群島へ向かう船の旅だったことを、思い出す。 そんなことを考えていると、船は出発の汽笛を鳴らし港を離れていった。 あっという間に、

クロアチア - "魔女の宅急便"の街の光と影

イメージ
ローマから、飛行機で1時間半ほどで、クロアチアのドゥブロブニクの空港に到着し、陽気な若いお兄さんのタクシーに乗り込んで、海沿いの道を20分ほど走ると、ドゥブロブニクの旧市街が見えてくる。 ドゥブロブニクでの宿は、我が家のN君がネットで見つけてきた、旧市街を見渡せる丘の上にある、小さなホテルだ。 宿主の陽気なおばちゃんから手渡された、クロアチア名物(?)だという、果物の甘いウェルカムドリンクのグラスを片手に、テラスから美しいアドリア海と世界遺産でもある旧市街を、ぼーっと眺めているだけでも、はるばるクロアチアまでやってきた甲斐があった、と思えてくる。(欧州の空港の混乱やらコロナやらで、ここまで来るにも、すったもんだがあったのよ…。) アドリア海の透き通る海の水の色の美しさ。 ずっと眺めていたい景色・・・。 ホテルから丘を歩いて下ると、中世ヨーロッパ感溢れる門に到着した。 旧市街は城壁で囲まれており、いくつかある門を通って街のなかに入る。 城壁上は遊歩道になっているので、美しい旧市街の街並みを眺めながら、歩く。 (観光案内所でドゥブロブニクパスを買うと、観光地巡りに色々お得です。) 城壁の途中のカフェで、アドリア海を背景に乾杯 。 城壁の崖に造られたカフェバーでは、泳いだり飲んだりできるので、N君も大はしゃぎ。 (美しい夕焼け時間は混んでますが、朝一番で行けば空いてます。) 海辺の街なので、魚介が美味い。しかもワインが安いときている。 確実に太っていくわよね・・・。 「アドリア海の真珠」とも呼ばれるこの街は、宮崎駿監督の「魔女の宅急便」や「紅の豚」の舞台モデルとなったらしいが、HBOの人気ドラマの「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地でも使われていたらしく、旅行客向けにロケ地ツアーなども人気らしい。 夜になり、数ヶ月前にオープンしたばかりだという、ドゥブロブニク唯一のゲイバーに、一杯ひっかけにいくと、ペンシルバニアから新婚旅行で来ているというストレートのカップルや、スコットランドから来ているというゲイカップルと話す機会があったが、彼らは、そのロケ地ツアーが、目当てで来たらしい。 そんな美しい観光客にも人気のドゥブロブニクだが、街のあちこちにそんな華やかな雰囲気とは異なる掲示版を、しばしば見かける。 何かと立ち止まってその掲示板をよく見てみると、この街が、セルビア人とクロアチ