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8月, 2020の投稿を表示しています

とめて夏を水晶(プリズム)色に (2)

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「シャスタに行くなら、やっぱりハートレイクは訪れるべき!」 と、オカマ仲間のK枝に以前から話を聞いていたものの、何度か訪れたシャスタではあるが、今まで一度もその"ハートレイク"に行く機会がなかったのである。 ネットで調べてみると、どうやらちゃんとした登山用の道があるわけではなく、わかりにくい道筋で、辿り着けずに断念する者も多いと書いてある。 中には、 ”山の神様の呼ばれた人だけが、辿り着ける湖らしい。" などと、少々ぶっ飛んだ記述もあったりするのだが、 空気と水が美味しく、耳が痛くなるほど静かなこの山に滞在していると、そんなぶっ飛んだ話もなんだか嘘じゃない気もしてくるものである。 以前シャスタに来る際に調べた時も、 "山の下には、地底都市が埋まっている" "UFOがしばしば上空を飛んでいる" "地底で富士山とつながっている" などと、"パワースポット"と呼ばれる所以があちこちに書かれていて、 「と、とんでもない山があるものね・・・」 と多少不安になったのを思い出したものだからなおさらである。 ------------------------ レッドウッドの香りのする空気の中、鳥のさえずりで目を覚ます。 「せっかく遥々シャスタまで来たんだから、その伝説の"ハートレイク"とやらに行ってみようじゃないの!」 ということで、キャンプサイトで簡単に朝食を済ませ、ネットの情報を頼りに、早朝からその"ハートレイク"を目指すこととなった。 "道に迷いそうになったら、道すがらすれ違う人に尋ねればいいのよ。人生と同じでね。迷ったり、困ったことがあったら、周りに助けを求めればいいの。" という、K枝のまっとうなアドバイスを元に、幾度と分かれ道にぶつかれば、時々すれ違う人に道順を尋ねて歩き続ける。 あまりの急な山道に途中で何度か挫折しそうになりながらも、ー今回は山の神様が呼んでくれたからかー、1時間ほどの登山で無事に"ハートレイク"を一目見ることができたのであった。 #あまりの美しさに疲れも忘れ、声も出ないオカマ二人 シャスタ山(さん)、ありがとう。 また来ます! 詳細のへたっぴ動画はこちら↓

とめて夏を水晶(プリズム)色に (1)

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わが職場にキャンプ狂の上司がいて、毎年夏になると、繁忙期だろうか何だろうが、週末になるとキャンプをしに山に籠ってしまう人(日本人)がいる。 その際の写真をその上司から何度か見せてもらって、そのあまりにも美しい自然に囲まれた風景に、 「自分もいつか行ってみたいです~!」 「こんな景色の中で酒飲んだら、おいしいでしょうね~。」 などと、口では言いながらも、 "あんた、テントだと身体中痛たくなって寝れないらしいわよ~?" "場所によっては、トイレもシャワーもないんだから、あんたには無理!" "時々、クマがでるらしいわよ。あ、でもあんたは、マッチョなクマ(男)になら、襲われたいタイプか!?" などと、以前からオカマ仲間に脅されたからか、 この40+年間生きてきて、いわゆる、自分でテントを張り、飯を作って、自然の中で過ごす、というものを経験したことがなかったのである。 (やったとしても、せいぜい小奇麗なホテルやロッジの敷地内にテントを張って寝泊まりした程度だ。) しかし、このご時世でどこへも旅に出られず、せいぜい週末に日帰りで近場のワイナリーかピクニック、はたまた市内を散歩する程度だと、やはり心身を100%切り替えてリフレッシュできないものである。 とはいえ、このご時世、飛行機に乗ったり、ホテルに泊まるのは抵抗がある。 "パンドラの小箱を開けるように~” と30年以上前の夏に、南野陽子が歌っていたが(最近はナンノ、『半沢直樹』に出演してるとかで・・・。観たい‼)、 それならば、人との接触もほとんどない自然の中で、 「キャンプ、やっちゃおうか!?」 と、オカマ仲間の脅しは聞かなかったことにして、ついに自分もパンドラの小箱を開けることとなったのであった(大げさ)。 ------------------------ とはいえ、キャンプ初心者の自分である。 まず、何を準備したらいいのかも、手探り状態である。 ネットで、 "キャンプ 初心者" "キャンプ 持ち物" などと検索すると、親切に事細かに説明されたサイトがたくさん出てくる。 それらによると、とにかく「寝床」と「メシ」をなんとかすれば、あとはなんとでもなるようである。 早速オンラインでテント、寝袋、キャンプ用のフライパン

やり切れない程 退屈な時があるわ

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 近所に住むゲイ友達のM男から、 「ねえこのオトコ、イケるわ〜!」 などと、朝っぱらから写真付きのLINEメッセージがよく送られてくるのだが、 今日送られてきたのは、裸の男の写真ではなく、可愛らしい富士山の形をした箸置きの写真だった。 「あら、可愛い。どしたのこれ?」 と問うと、近所の店で買ってきたのだという。 「このご時世で、毎日家で飯作って、毎日旦那と向き合って食べてると退屈で、せめて箸置きでも気分変えたくなるじゃん」 と、見た目の厳ついM男らしからぬ可愛らしい発言ではあるが、確かに言い得ている。 我が家も、この時世で毎日家メシとなり、作る料理こそネットでレシピを探しては、ちょこちょこ違ったものを試してはいるものの、もう自粛生活も6ヶ月目に突入しようとしている今、正直飽きがきている。 “確かに、M男の言う通り、皿やら箸置きやらを変えるだけで毎日の食卓も気分変わっていいかもね” というわけで、我が家もこの週末は「皿探し」の旅に出ることとなった。 --------------------- 同じくサンフランシスコに住むゲイ友達のNさんは、コロナ騒動の前には、彼の自宅でよく食事会という名のカラオケ会を開いてくれていたのだが、彼の素晴らしい手料理は、いつも素敵な皿に盛られていたのを思い出す。 “どんなに下手っぴな我が料理でも、あんな素敵な皿なら気分も上がって、日々の家メシが楽しくなりそうね” と安易な理由で、Nさんちのような、オサレな食卓をめざすべく、向かうはサンフランシスコの隣町サウサリートにある「Heath Ceramics」という店だ。 どの皿もシンプルなデザインだが、色合いや質感がよく、大した料理もできない自分でも思わず見惚れてしまう。 話によると、市内の名の知れたレストランの多くがここの皿を使っているという。 しかし、店に並べられた商品の値札を見ると、どれもかなりの値段である。 洗ってるうちにすぐに欠けたり割ったりしてしまう庶民には、これはあまりにも高すぎるじゃないのよお・・・! 遥々隣町まで皿を買いに来たものの、手ぶらで帰ることになろうかというその時、店の端に、本来なら色やら形に分けて陳列されている皿が、適当に置かれている棚があるのをN君が見つけ、店の人に問うと、 「陶器を焼いた時に、imperfectionだったものは定価でお売り出来ないので、こちらで割引

そうさ つらい時も顔を空に向けろ

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我が家のN君が、コロナ禍の煽りを受けて無職になった。 自分は、また彼を自分の会社の健康保険に入れる手続きをしたり、今後の諸々を考えていたら憂いて落ち込んだりしていたのだが。 本人は思ったほど落ち込んでもおらず、毎日ネットで職探しやら、オンラインでのクラスを受けたりして無職生活を楽しんでいる。 自分が若かった頃を思い出すと、 “あたし、いつか石油王みたいな金持ちのいいオトコ見つけて、楽して暮らすんだわ?” などと乙女な夢を抱いていたが、この調子だといつまで経っても自分で汗水流して稼がねばならなそうである・・・。 そんな中、自分が仕事の締め切り前で、発狂しそうになりながらコンピュータに向かっていると、 「ヒッヒッヒ」 と隣で笑い声が聴こえてきて、何かと思えば、仕事探しもせずに、くだらないYouTubeビデオを観て笑っているN君である。 思わず殺意を覚えて、 “団地妻 危険な昼下がり殺人事件” などと昭和の2時間ドラマな状況になりかねなかったが(なんのこっちゃ)、 「まあ、体も元気で、心も落ち込まず、健康でいてくれるなら、よしとしなきゃだわね」 と自分に言い聞かせたのだった。 ーーーーーーーーーーーー 土曜日の午後。 「月曜にズームで仕事の面接入ったから、髪の毛切らなきゃ」 と、コロナ渦で髪も髭も伸ばしっぱなしだったN君が言うので、 しょうがないわねえ、と自分が髪を切ってあげることになった。 左手にはバリカン、右手には酒(危ない)を持つ中年オカマ。 側から見たらホラーだわよね・・・。 子供の頃に観た、ハウス世界名作劇場の「トムソーヤの冒険」の散髪のシーン(今の若い子には分からんだろね)をふと思い出し、 そんなアニメの主題歌を鼻歌で歌いながらバリカンやってたら、ちょっと切りすすぎてハゲ出来ちゃったけど、本人には言わないでおくわ。