2018年8月31日

ベルサイユのばらを求めて (3)

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これまでのお話

ベルサイユのばらを求めて (1) - 旅立ち

ベルサイユのばらを求めて (2) - モンサンミッシェル

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趣味は何?と聞かれたならば、若い頃は「海外旅行!」などと胸を張って答えていた自分だが、今となっては、旅行に出れるのも年に1、2回。

しかも"地球の歩き方”に頼りっぱなしなのだがら、情けない。

そんな"地球の歩き方"`によると、モンサンミッシェルから、南へ数時間車で行ったところに、ロワール渓谷と呼ばれるワインの産地があるという。

そして、そんな"地球の歩き方"によると、そのロワール渓谷には古城が点在し、なんと古城に宿泊もできるという。

古城というと、なんとも言えぬロマンを抱くのは、ドラクエ世代の性か、あるいは未だ200年ちょいの歴史しかないアメリカという古城の存在しない国に住んでいる故なのか。

中世ヨーロッパの古城に囲まれながら、フランスワインをたらふく飲めるのならば、アル中中年としては、行くしかないじゃないの。

今回の宿は、この城よ! ドラクエIIIかよっ!
(これも"地球の歩き方”に載ってた....)

時差ぼけで早く目覚めたら、城内にあるぶどう畑を歩く。
誰もいない静けさの贅沢さよ。

はやく、大きくな~れ。
あんたきっと美味しいいい男(ワイン)に育つわね。


宿となったマルセイの城から30分弱のところにある、これまた城のワイナリー。
城内でワインテイスティングだよ!ほろ酔いでドラクエ気分。


一方こちらは6世代続いている家族経営のほのぼのしたワイナリー。
うみゃいワインが10ユーロ以下という庶民にもうれしい値段設定。


古い洞窟内に作られたワイナリーも。
流暢な英語を話すハンサムな好青年にサーブしてもらったわ。


ロワール渓谷は、ワインだけではなく、由緒ある城があちこちにあり、渓谷の主要なエリア全体がユネスコの世界遺産に認定されているという。

ワインテイスティングでほろ酔いになったら、TBS「世界遺産」のテーマ曲(Sony提供時代の古いやつ)が脳内で勝手に流れ出してきて、世界遺産、中世ヨーロッパの古城見物となった訳。



フランソワ1世をはじめとする王たちが滞在したというシャンボール城。
内部の中央にある螺旋階段は、ダヴィンチが設計したものらしいわ!


数多くあるロワールの城の中でも、特に自分が好きだったのが、
こちらのシュノンソー城。
女だらけでドラマだらけの城だったらしいわ!!


川辺のアンボワース城を眺めながら、ロワールワインで乾杯。


古城めぐりも、3、4つとこなしていくと、どんなにそれが美しくとも、飽きてくるのは、花より団子、団子より酒の中年の性。

宿に戻って現地のロワール料理でも頂こうか。

わが宿(城)に戻るべく、美しいぶどう畑の道を走る。

ちょいとおされをして、宿の城内にある裏庭でアウトドアディナー。
まずはシャンパンで乾杯(ムフ♡)。

地元の素材を使っているというロワール料理。
野菜がうまい!(ムフフ♡)


ディナーもデザートに差し掛かるころには、空は夕暮れ。
サンフランシスコでみる夕焼けとも、東京でみる夕焼けとも、
ちょっと色合いが違うみたいだ。


ニューヨークやサンフランシスコ、東京やパリのホテルよりも、よっぽど手頃な値段で、こんな夢みたいな憧れの中世の気分を味わえるのだから、やっぱり旅はいいわぁ、としみじみ思う。

日々の現実のストレスを忘れるには、非現実を体験できる旅が、一番の方法なのかもしれない。

だから、40を過ぎた今も、趣味は何?と聞かれたらやっぱり「海外旅行!」と答えるんだろう。



ほんの一時、仕事や人間関係のストレスを忘れて、そんなことをぼんやり思いながら、フランスの柔らかい夕暮れ時の空を眺めていた。



続く







2018年8月23日

ベルサイユのばらを求めて (2)

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これまでのお話

ベルサイユのばらを求めて (1) - 旅立ち

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「死ぬまでに一度は訪れたい場所って、どこ?」

オカマ仲間と飲んでいると、時々そんな話題になる。

「アイスランドの温泉で、裸のオトコ達に囲まれながら、オーロラ見たいわねぇ」

「あたしは、ドイツのロマンチック街道で、ドイツ製"ソーセージ"、むさぼり食いたいわよ」

などと(下品な)夢を見るオカマもいれば、

「四国で八十八箇所巡礼、してみたいわ」

と真面目に答えるオカマもいる。

自分といえば、数年前までは即座に、

「エジプトのピラミッド!」

と答えていたのだが、それも去年の正月についに叶えられ、最近では両手で足りる程度の"死ぬまでに訪れたい場所”リストとなっていた。

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時差ぼけも抜けないまま早朝のパリを出発し、車はフランスの北西に向かって走っている。

その目的地は、長年自分の"死ぬまでに訪れたい場所”の一つであった、「モンサンミッシェル」である。

画像は拝借しました。

以前は、「天空の城ラピュタのモデルとなったって言われてる島なんだっけ?」くらいのイメージしかなかったモンサンミッシェルなのだが、行くと決めてから調べてみると、

大天使ミカエルのお告げで作られた礼拝堂はカトリックの巡礼地となり、百年戦争期には要塞としての役目を果たし、今ではユネスコの世界遺産にも登録されている (C)ウィキペディア

という何だかすごい場所だと知ることとなったのである。

車は途中、ジャンヌダルクの最期の地として知られる古都ルーアンを経由しつつ、パリから合計4時間程高速道路走ると、ついにそのモンサンミッシェルが見えてきた!

しかし・・・・、

あいにくの・・・、

雨・・・。

自分の(勝手な)予定では、上の画像のような夕焼けの空に美しく輝く島が見えてくるはずだったはずなのだがね。

それでも、遠くにその島が見えてくると、いい歳して逸る心で写真撮りまくりの中年観光ばばあ丸出しのあたしよ。

すごいぞ! ラピュタは本当にあったんだ!
(雨ですがね)

車を島外の専用駐車場に止め、そこから無料のシャトルバスで橋を渡り島に入る。


ラピュタにもモンサンミッシェルにも雨は降るわよねぇ、
と自分に言い聞かせつつ。

潮の満ち具合によっては、島全体が水に囲まれ完全な孤島となる、ということだったので、なるべく潮が高くなる日をネットで調べて選んで来たのだけど、雨でそれどころじゃなかったわ。

島内にある宿をとっておいたので、日が沈むのを待ちつつ、観光客の減った静かな島内でとりあえず「モンサンミッシェルビール」を飲んだり、お土産屋で買っておいたポストカードに親へのメッセージを書いたりして過ごす(島内の郵便局から投函できるらしいわ)。

雨が止むまで
モンサンミッシェルのビールで乾杯だよ。

雨が止まないので、ホテルの部屋のテラスで、
パリのスーパーマーケットで買っておいたワインを開けて乾杯だよ。
あたしゃ、モンサンミッシェルに酒を飲みに来たのか。

「修道院を前に、酒ばっか飲んでてもバチがあたるわよね」

と空が暗くなってきた頃に島の外に出て歩く。

ふと振り返ると、ライトに静かに照らされる島の美しさよ!

観光ツアーで来たほうが楽だったかもしれぬが、
夜景をみたくて、島内泊まりにしたのである。

最高のショーだとは思わんかね? (C)ラピュタ

そして、翌朝。

朝一番で島の頂上にある修道院を訪れて、無事にここに来れたことに感謝する。

静かな修道院で、
「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター気取りの自分。

島内の宿の部屋から外を眺めていると、空がだんだん明るくなってきた!

晴れた!空が!好きです! (C) 南野陽子

昨日の雨とはうってかわって、青空となったモンサンミッシェルを背に、雨が降る日もあれば、いつかはやってくる晴れの日があることを、自分の人生に重ねつつ(乙女!)、生きている間に、あとどれくらい”死ぬまでに訪れたい場所”に訪れることができるのか、考えていた…。



続く!









2018年8月12日

ベルサイユのばらを求めて (1)

アメリカ大陸を超えてフランスへ向かうエールフランスの機内で、ipadに仕込んでおいた地球の歩き方を開き、今回の旅程のおさらいをしている。

まずパリで数日過ごして、時差に身体を慣れさせたあと、

パリを離れて、長年行ってみたいと思っていたモンサンミッシェルを訪れて、

ワインで有名だという中西部のロワール地方で古城に囲まれながらワインをたらふく飲み、

港町が並ぶ北部のノルマンディ地方で海を眺めながら魚介を食い、

またパリに戻ってくる、というのが大まかな流れだ。

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そんな旅の予定に心を躍らせながら、

「今回は、"パリの街に住むスマートでおされな男"を目指してして行くわ!」

と、機内で空想に耽っていた自分であったのだが、

シャルルドゴール空港に降り立った途端に、蒸し暑いフランスの夏の気候の洗礼を受け、パリ市内につく頃には、汗だくのむさくるしい中年男になり果てていた。

「こ、こんなんじゃ、せっかくのフランスで、おされな男も気取れないし、オスカル様を見つけることもできないじゃないの!(なんのこっちゃ)」

気を取り直して、宿でシャワーを浴び、お気に入りのピンクのボタンダウンシャツとショートパンツに着替えて、素足にローファーを履いたならば、気持ちはもう、"パリのマレー地区に住む、さわやかな青年”である(脳内イメージはこれな)。

そんな気分で、宿を飛び出して外を歩けば、そこは20年前と変わらず歴史ある美しい街が広がっている。

数ブロック歩き、エッフェル塔が遠くに見えてくると、年甲斐もなく気持ちが浮き立ってきたわ!

「初日だし、ちょっとくらいはしゃいだっていいわよね?」

と携帯のカメラを取り出し、エッフェル塔の写真をとったり、塔を背景に自撮りをしたりしていたら、突然空の雲行きが怪しくなってきた。

「え、夏のパリって毎日晴れなんじゃないの!?」

と思ったのもつかの間、突然どしゃぶりの雨と雷が。

「え!? ちょっと、もうやだ~~~~!!!!!」

急いで雨宿りのできる場所を探して、近所のカフェに駆け込んだが、既にお気に入りのシャツも、石田純一ぶってた素足のローファーもびしょ濡れである。

とりあえず雨が止むまでと、慣れない言葉でグラスワインを頼み、ふとカフェの窓ガラスに映った自分をみると、

そこには

"パリの街に住むスマートでおされな男"でも、

"パリのマレー地区に住むさわやかな青年”でもない、

雨に濡れてむさくるしそうにしている、

彦摩呂氏が映っていた…。



続く!

夕日のインクで書いた、出さないままのポストカード (C)南野陽子
のような、パリの美しさよ。




2018年7月26日

薔薇は気高く咲いて、薔薇は美しく散る

オカマ仲間の間では、大して盛り上がっていなかったワールドカップだが、個人的には、日本チームの頑張りにも、他国のチームの引き締まった身体のいい男達にも、大いに元気づけられたわ。

さて、次の大きなスポーツイベントは4年に一度、2020年の東京オリンピックだが、その前にもう一つ4年に一度のイベントが、今年の8月にあるという・・・。

その名も.....

GAY GAMES(ゲイ・ゲームズ)....!!! 

本家オリンピックと同じように4年に一度、世界の一都市にLGBTや彼らをサポートする人々が集まり、GAY GAMESの名の元に、各種運動競技が行われるというのだ。

そして、今回の会場となる都市が.....

フランス!

花の都!!

パリ!!!

行きたい!!!

(ちなみに前回2014年は米国オハイオ州クリーブランド(しょぼい…失礼)。次回2022年は香港とのこと(香港も行きたい!))

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ふと、自分が20年前に最後に訪れたパリの街を思い出してみる。

まだ心も体も綺麗な(?)、20歳になるかならないかの乙女だった頃の自分である。

ユーロも導入されていなかった頃の大昔だから、もはやどこの安宿に泊まったかも、何を食べたかも、詳細は思い出せないが、街のどこを歩いても歴史を感じることができ、街のどこを歩いても美しい男達と出会える(遠目に見るだけだがね)、そんな素敵な街の感覚は今でもはっきり覚えている。

そういえば、会社の有給休暇がたまっている。

そういえば、ワールドカップでフランスが優勝したし。

そういえば、昨日飲み屋で飲んだワインもフランスワインだったはずよ。

そういえば、携帯のシャッフルで今週は2回も「ベルサイユのばら」の主題歌が流れたわ!(どんな携帯だよ?)

"Gay Gamesは兎も角として、これはフランスへ行けっていうサイン、あるいは運命じゃないのかしら!"?

と、半ば強引だが、気づいたらエールフランスの航空券を購入していた自分である...。

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40過ぎの中年オカマの、ちゃんとした予定も立てずに、今回もとりあえずipadに地球の歩き方をダウンロードして、ベルサイユのばら、オスカルを探し求める(なんのこっちゃ)20年ぶりのフランスの旅は、こうして始まるのであった・・・!


続く!!!

この週末は、わが会社の上司の家で、
サンフランシスコのLGBT水球・水泳チームの、
Gay Games壮行会でした。




2018年7月23日

出逢いはスローモーション (6)

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これまでのお話

出逢いはスローモーション (1)

出逢いはスローモーション (2)

出逢いはスローモーション (3)

出逢いはスローモーション (4)

出逢いはスローモーション (5)

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「一緒に住もうか!?」

いつも、ノリや勢いで物事を言うN君だが、

今回もその調子で、突然同棲を提案してきたのである。

確かに自分も、老犬わんこも亡くなり、今の家に住んでいると色々と思い出されて辛い気持ちだったので、引っ越しを考えていたところではあったのだが。

N君もN君で、ワシントンDCから引っ越してきて、仮住まいをしていたような状態だったので、そろそろ落ち着きたかったのかもしれない。

そうは言っても、一人の男と屋根一つ下、朝晩顔を合わせて生活するとは、大きな覚悟と決断が必要である。

いつもの友人達に相談すると、

「あんた、サンフランシスコの住宅事情わかってんでしょ。二人で住んだら、家賃が半分で済むじゃないの! 一緒に引っ越すべきよ!」

「でも、あたし根暗だし、独り身が長かったから、一人で静かに本読んだりゲームしたり(エロサイトチェックしたり・・?)して過ごす時間が絶対に必要なのよぉぉ!」

「一緒に住み始めて、お互いの嫌なところが目について、別れるってパターンもあるものねぇ」

「でもさ、あんた仕事忙しいとかいって、家にほとんどいないし、N君も、水球やら水泳やらで年がら年中家にいる人じゃないし、なんとかなるんじゃない?」

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こんなご時世だからなかなかいい物件も出てこないだろうし、

「とりあえずいい物件あるか調べてみて、それから決めよう」

ということになったのだが、

いつも、ノリや勢いで行動するN君だから、

こういう時も、そこらのウェブサイトで適当な物件を見つけ出してきて、ささっと見学の予約をして、あっという間に契約完了となってしまったのである。

自分の優柔不断な態度や発言も悪いのだが、

"こんな勢いで同棲決め込んじゃっていいのかしら・・・。"

と既に心は不安との闘いである。

家の賃貸契約以外にも、

- 家賃支払いのための共同名義の銀行口座を開いたり(結婚してなくても簡単に開けるのね!)

- ダイニングテーブルやソファーを新たに購入したり(好みの相違で喧嘩になることもなかったわ・・・)

- キッチン周りのこまごましたものを揃えたり(たいして料理などしないのだが・・・)

と、ばたばた物事は進んでゆき、

引っ越し当日は、N君自ら巨大なレンタルトラックを借りてきて、

あたしはいつものM男やK枝に荷物を運ぶ手伝いを頼み込んで、

気が付けばあっという間に引っ越し完了、そして同棲の開始となったのである。

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「とりあえず、引っ越し祝いに蕎麦ゆでようか」

半分も片付いていないダイニングで、

新しいダイニングチェアーに腰かけ、

新しいダイニングテーブルで、

二人でざるなしの茹ですぎたざる蕎麦をすすりながら、

「これからも、宜しくお願いします。」

とお互い、頭を下げたのであった。




続く!!