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アクアマリンのままでいて (1)

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「ブラジル出身の有名人って誰かいる?」 「リッキーマーティンよ!」 「ひゃだ、イケる!」 「ちょっとあんた。リッキーは、プエルトリコじゃなかった?」 「ブラジルと言えば、マルシアじゃない?」 「ブラジルと言えば、カルロス・トシキよ!」 「アクアマリンのままでいて!?」 拠点となるブラジルの小さな街から、世界三大爆の一つ「イグアスの滝」に向かうタクシーの中で、昭和オカマの4人は日本語で騒いでいた。 挙句の果てに、誰かが携カルロストシキ&オメガトライブの「君は1000%」を歌い始めたものだから、運転手さんはきっと辟易としてたはずだ。 そんな中、車はブラジルの国境を越えて、アルゼンチンへ。 ついに、世界遺産「イグアスの滝」に到着である。 20数年前、渋谷の映画館でひとり、ウォン・カーワイ監督の香港ゲイ映画「ブエノスアイレス」を観て以来、いつかは訪れたいと思っていた場所である。 どんな滝が待ち受けているのかと、ジリジリと暑い太陽の下、森林の中を整備された道に沿って歩いていくと・・・ 突然目の前に現れたのは、世にも美しい滝の群れであった。 そして、轟音を立てて流れる滝の横には美しい虹が! 「遥々地球の裏側まで旅してきた甲斐があったね!」 「オカマの雑念や穢れが洗い流されるようだわ!」 「ブエノスアイレスの映画だと、あの香港人の男同士のカップルは滝までたどり着けなかったんだよね。」 「こうやって皆で来れたってことは、そういう縁があったってことなんだよね。」 翌日はブラジル側からボートに乗って、間近でずぶ濡れになりながら滝を拝み、その後は、欲張って、ヘリコプターに乗って上空から滝にのぞんだのであった。 空から眺めるイグアスの滝は、どこまでも続く森林の中に突然現れ、虹をつくりながら、止まることなく流れている。 こんな壮大な自然の景色をみていたら、日々の悩みやストレスなど本当に小さく些細なことだと、改めて気づかされた中年男子4人であった・・・。 続く