2020年5月23日

何も求めずに 何も変わらずに いつも僕らを照らす太陽を

金曜日の朝方。

早々と目を覚まして、窓を見るとまだ薄暗いが、鳥の鳴き声がちゅんちゅんと聞こえてくる。

眠りが浅いせいか、ちょっとした物音で目を覚ましてしまう(ただの老化かしらん)。

それでも、鳥たちの声を聴きながら、朝を迎えるのは趣があってよいものである。

以前は、鳥の鳴き声が聞こえることなどあまりなかった気がするのだが、このご時世に車や人の気配が減ったせいで、鳥たちが集まってきているのだろうか。

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仕事を終え、気分転換に何か楽しげな本でも買って読もうかとAmazonを眺めていたら、アルベール・カミュの「ペスト」がベストセラー1位としておすすめ欄に出ている。

カミュの「異邦人」は遠い学生時代に読んだ覚えがあるが、「ペスト」は今まで読んだことがなかった。調べてみると、どうやら今の時世を予言するような内容で、70年以上前に書かれた作品が、今世界中で売れているらしいのだ。

コロナ疲れの中、わざわざそれを読まんでもよかろうと、かわりに佐野洋子の軽めのエッセイやら、よしながふみの短編漫画などを買って読むことにしたわ。

夜飯を終え、気分転換に何か楽しげな映画でも見ようかとテレビをつけると、Apple TVのおすすめ映画欄にパニック映画の「コンテイジョン」がでてきた。マット・デイモンやジュード・ローが出ていたこの映画も、確か今の時世を予言するかのような内容だったはずだ。

コロナ疲れの中、あんまり観る気にならなかったが、N君が久々に観たいと言うので観てみたら、やっぱりリアルすぎて、ちょっと気持ちが沈んだわよね・・・。

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「コンテイジョン」の劇中に出てくるサンフランシスコの街は、通りという通りが薄暗くゴミで溢れていたけれど、実際今サンフランシスコの街を、運動不足解消にとマスクをつけて歩いたならば、ゴミなど溜まっていない、前と変わらぬ清潔な通りが続いている。

毎晩夜8時になると他の都市同様に、この街でも医療従事者への感謝の意を込めて、あちこちから拍手やら叫び声が聞こえてくる。中には家の電気をつけたり消したりしてその謝意を表そうとしている家もある。

自分も我が家の狭いベランダに立ち、この状況でもいつも笑顔で明るく迎えてくれるスーパーのおっちゃんや、毎週ちゃんとゴミを収集にしに来てくれるお兄さんたちに、「ありがとうー!」と、ゲイバーのママみたいな声で叫んでいる。

隣の家に住むゲイカップルは、裸にエプロンで、フライパンをおたまで叩きながら、Thank you!!って叫んでたわよ・・・。





2020年5月7日

追い掛けて 追い掛けても つかめないものばかりさ

「今日の夜ご飯に何にしようか」

と、適当に作った焼きソバのランチを箸でつっついてる傍から、夜飯の話をしている。

普段なら、昼飯を食っている最中に、夜飯のことなど考える気にもならぬが、この状況下、場合によっては冷凍保存している肉や魚を早めに解凍せねばらならないから、思わず箸を止めて真剣に考える。

「冷凍庫に牛と豚のひき肉もあるし、久しぶりにミートソースのパスタにしよっか。それともハンバーグ?」

などと夜飯を決めようとしていると、

「みんな、今日のディナー何~?」

と同業者のM子から、LINEのグループメッセージが携帯に届いた。

この状況下で、週末の予定も休暇の予定もない中、みな考えることといったら、食べることくらいなのである。

自分がフォローしている、インスタグラムもブログもユーチューバーも、最近は食に関するポストだらけだ。

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この状況に入る前は、せいぜい週に1、2回家で夜飯を作る以外は、外食に頼っていたものだから、自分で作れる料理のレパートリーもかなり少なく、日々の献立に頭を抱えている。

それでも、週末にもなると何か新しいものを試してみなければとの強迫観念か、ネットのレシピを漁ったりしてジタバタしている自分だ。

ふと巷でパンやらケーキやらを焼くのが流行っているらしいということで魔がさしたのか、

“世の人もすなるといふ、パン焼きといふものを中年オカマもしてみんとてするなり”

と紀貫之めいた気分でパンを焼いてみようと思い立った。

どうせやるなら、となかなかここらで食すことのできない惣菜パンを焼こうじゃないの!

とネットでいろいろ調べた結果、「ベーコンエピ」に挑戦することにしたのだが、そもそも40+年生きてきてパンを焼いたことなどない自分にとって、あまりにもハードルが高過ぎたようだ。

捏ねたり練ったりしてオーブンに入れて数十分後に姿を現したものは...。

この得体の知れぬ物体は何ぞや?
使徒を肉眼で確認! (c)エヴァ
こんなの絶対インスタに載せられないじゃないのよ。



それでも懲りずに翌週末は、先週の考えを改めもっとシンプルな、ソーセージロールパンを焼いてみることにしたわ。

が、しかし待つこと十数分。オーブンを開けると...。


またまた謎の未確認物体が!
かじったら固くて、歯茎から血が出たわよね



料理好きのM男や同業女子のM子に写真を送ってみたら、何これパッサパサだね!とバッサリ切り捨てられる始末である。

それでも懲りずに3度目の正直と、翌週もう1回同じくロールパンに挑戦してみる(しつこい!)


少しそれっぽくなってきたが
表面のひび割れが、中年オカマの肌の様相。
王蟲のようにも見えてきたわ?
許してなんて言えないよね? (c) ナウシカ



料理もパンを焼くののも、センスと熟練が必要であると、改めて思い知らされたのであったが、酒を片手に粉を練ったり、焼き上がるのを待つ間は、一時コロナ禍のことを忘れて、なかなか楽しい週末の午後だったのだ。

また懲りずに焼くわよ!!!