2017年1月30日

一瞬の光が重なって 折々の色が四季を作る 二人セゾン

久しぶりに晴れた週末。

久しぶりのジムでの筋トレを終えて外に出ると、このまま家に帰るのがもったいないくらい暖かかったので、そのままもう少し歩いてドロレスパークへ向かった。

春になればゲイのオネエさんたちや子供連れの家族でにぎわうこの公園も、さすがにまだ人は少ない。

ひとりベンチに座り、暖かくなる春を待ちながら、遠くに見えるサンフランシスコの街を眺めて、ぼーっと過ごす日曜の午前。

家に篭らずに、太陽の光にあたりながら、外の空気を吸う大切さを再認識
でもやっぱり空がまだ寒空。
春よ、来い (C)  yuming 。


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週に最低3回と決めていたジムも、年末年始の休みと旅行が入り、すっかりサボり癖がついていていた。

久々に重い腰を上げて行ってみたら、今まで軽々上げられていた重量も上げられなかった。

ピアノの練習も然りだ。

久々ににピアノの前に座って指を動かしてみると、以前出来ていた運指も転び、へたっぴピアノがもっとへたっぴになっている。

1日練習をサボると、それを取り戻すのに3日かかるとよく先生に学生時代言われていたが、あながち嘘じゃない。

継続は力なりだ。

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小腹が減り、公園を離れて散歩がてら周辺を歩いていると、いつもなら列をなしているイタリア料理・薄焼きピザの店の屋外の席が数席あいている。

こりゃいいと、早速お店にお姉さんに声をかけ、外に席に座りワインとイタリア野菜の炒めものと生ハムルッコラのピザを頼んだ。

ここ数年、好景気のサンフランシスコは人であふれ、家の売値も借値もうなぎのぼりで、通勤電車も毎朝満員で、レストランも30分や1時間並ぶのは当たり前となり、辟易としていたが、いつも並んでるこの店も並ばなくて済むならば喜んで食べるわよ!

「1時間、2時間並んでまで、食べたい料理って一体何なの?」

と、オカマ友達のY子や同業のM子と、バーで飲みながらここ数年そんな議論をよくしている。

もちろん、それだけ待つ価値のある料理もあるだろうが、そこそこの料理を出す店にそれだけ待つくらいなら、家でよっぽど安上がりな飯を自分で作って、残りの2時間、ジムやピアノの時間にするほうがいいわよ!と悪態をつく自分。(といいながら、どちらもサボってゲームばっかりしてるあたしです)

サンフランシスコでは、ラーメンブームがここ数年続いていて、日本じゃ待たずに800円で食べれるようなラーメンが、1時間半待って2000円払うような有様なのだ。

こんなときに、やっぱり日本帰りたい~って思う訳なのよ。

やっぱりピザは薄いのが好きです。
Pizzeria Delfina
3621 18th St, San Francisco, CA 94110
http://pizzeriadelfina.com/

ディナーなら、お手ごろ価格のイタメシ(今時これ言う?)が食える、お隣のDelfina本店でがおすすめです。


2017年1月22日

LA LA LAND

数ヶ月前まで水不足を心配していたのが嘘だったかのように、ずっと雨の日が続いている。

それでなくても、エジプト帰りの時差ぼけが続いているのに、太陽の光を浴びないといつまでたっても時差ぼけ治らないじゃないのよ~。

「時差ボケで、眠れないわ~」

明日も仕事があるのに夜眠れず、焦燥感に駆られて、東京に住むK子にLINEでメッセージを送ると、

「あんた時差ボケじゃなくて、ただのボケでしょ?」

と突っ込まれる。

"眠れなくても、目を閉じて横になってるだけで身体は休まる"、とどこかで読んだのを思い出して心を少し落ち着かせて、何とか数時間の眠りについた。

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雨と寝不足が続いて鬱々とした中、楽しい映画でも見て気分を盛り上げましょ、と先日ゴールデングローブを受賞したミュージカル映画『LA LA LAND』を観て来た。

ロサンゼルスのコーヒーショップで働きながら女優を夢見るミアと、レストランでピアノを弾いて生計を立てているジャズピアニストのセバスチャンの物語だ。

元々ミュージカル好きで、日本に居た頃はよく一人で帝国劇場と劇団四季に通っていた自分。

この映画も、出だしっからLAの渋滞の高速道路を舞台にして、大人数のアンサンブルのダンサーたちの歌と踊りではじまり、ミュージカル好きの中年オカマ(あたし)は画面に釘付け。

その次の、女子4人が歌って踊りながらパーティに行く準備をするシーンも、オカマにはたまらん。

トランペットとフルート。ビッグバンドの音楽とダンスで、冒頭からワクワク!
LAの高速の渋滞がひどいのは分かるが、こんなんやったら捕まるわよ。
(C) LIONSGATE

こんなん観てたら、LA行きたくなるわよね。

君に読む物語(The Notebook)のライアン・ゴズリングも朴訥としていてよかったが、
今回のピアノを弾く彼もよかった!

映画好きの母が昔から、「本も映画も、読んだり観たりしている間は、現実のいろんなことを忘れられるのがいいのよ」とよく言っていた。

寝不足のことも、溜まっている仕事の事もひととき忘れて、ほろ苦いLAの恋物語を楽しんだ週末。

明日からまた仕事がんばるど~。




2017年1月21日

時の河を越えて ⑤

エジプトを語る上で、やはりイスラム文化は欠かせない。

外務省のページに、宗教に関する建物には近づかないように、って書いてあったよねと、今までそういった建物に立ち寄ることはなかったが、アメリカへ戻る前にやはり訪れておきたいと、ルクソールから早朝便でカイロに戻ったその足で、ムハンマド・アリー・モスクを訪れた。

エジプト最後の王朝時代に建てられたモスクだという。

カイロの街を見渡せる丘の上にあるモスク


モスクの中は靴を脱いで入る。

モスクの敷地内で、シナイ半島の北の街から修学旅行でやってきたという高校生くらいの少年達と出会った。

日本やアメリカの高校生と変わらず、携帯やカメラを片手にふざけあいながらモスクを見学している、汗臭そうな青春真っ只中の高校生達・・・。

そんな高校生達も、モスクに入ると静かにメッカの方角を向くことを忘れない。

ここでもそんな若者達に、一緒に写真を撮ってと頼まれ、もうこの旅が終わるとあたしの短いモテ期も終わるのね、と切なくなる。

ふと、カイロの初日にホテルのエレベーターに乗った時に、同じタイミングで乗ってきた全身を黒の宗教衣装で覆った3人の若い女性を思い出した。

こそこそと何だか楽しそうに話している彼女達の足元をふと見ると、黒い服で隠れた色鮮やかな美しいドレスがちらりと見えた。

どこに住んでいても、どんな宗教を信じていも、おしゃれをしたい女子と汗臭い青春高校男子は万国共通だわね!

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カイロのホテルソフィテルで一休み


ナイル川を臨みながら、無事に旅が終わることに乾杯!
カクテルの名前は「ナイルガーデン」ってな。おされ?


すべての遺跡巡りと早朝のモスク参拝を終えて、ナイル川沿いのホテルのテラスで一休み。

「今回はガイドさん達のお陰で、色々勉強も出来ていい旅だったね!」

出発前にカイロ在住のK氏に、エジプトはガイドを雇ったほうが楽しいといわれ、

「確かにガイドさんいれば、言葉とか移動とか安心かも」
「でも地球の歩き方とかあれば何とかなりそうじゃね?」
「かわいい男のガイドさんならいいけど、おっさんのガイドならいらない。」
「あんただって、十分おっさんじゃん。っつーかおばさんじゃん。」

などと散々揉めて、結局ガイドさんをお願いすることになったのだが。

確かに観光ブックに遺跡や博物館の詳細は載ってはいるけど、遺跡を目の前にしてその場でガイドさんからの説明を聞くのとでは、理解度が違う。

何よりもガイドさん達が、古代エジプト文化のすばらしさ、おもしろさを熱く語ってくれたから、飽きっぽい4人も最後まで遺跡巡りを堪能し、今では、途中で腹を壊したことも忘れて「またエジプトに戻って来たい!」と思っている。

「エジプトの不景気、もう何年もずっと続いているんですよ。それに加えて、ここのところテロも起こったりしてますから。」

日本語を流暢に話す、カイロ滞在中にお世話になったエジプト人ガイドさんのムハンマドさんが、エジプトの情勢を話してくれた。

観光客の激減で、ホテルもレストランもお土産屋もガイドも、大きな打撃を受けているという。

「ギザのピラミッドも、以前は中に入るチケットを買うのに長い列が出来ていたんですよ。危険なところに近づかなければカイロもルクソールも安全な街です。エジプトの文化、本当に面白いですから。だから、もっとたくさんの人に訪れてもらいたいです。」

そういえば、アスワンの厳ついエジプト人のタクシー運転手兼ガイドさんも、同じようなことを言っていた。彼が連れていってくれた、彼の生まれた街にある繁華街も閑散としていて、壁には「観光の復興を!」と英語で書かれたスローガンが貼ってあったのを思い出す。

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ホテルで一休みした後は、カイロ市内のハンハリーリという小さなお土産屋や食材屋が並ぶ市場をみてまわった。

現地の人々の「ミルダケ タダ!」「ヤスイョ!」ももう聞けなくなるのかと思うとちょいと寂しいわ、などと思いながら市場を離れると、後ろから「サラバジャ!」と、またも、どこから学んだのか謎の日本語で、店のオヤジが笑顔で手を振って見送ってくれた。

ハンハリーリ内の灯りを売る店が綺麗で、小さいキャンドル置きを土産に購入。
(店員さんもいい男!)

エジプト旅行最後の晩餐は、カイロの中でも小ぎれいでおしゃれな店が並ぶエリアで、やっぱりエジプト飯。

Abou El Sid」という店内は薄暗いが雰囲気のある店で、現地のKさんと一緒に5人で、今回の旅が無事に終われることを、エジプトビールで乾杯だ。

おされエリアというだけに、現地のゲイの人も集まるエリアだという。普通に手をつないで歩いている男たちを見かけたけど、あれはゲイなのか、それとも仲の良い友達の印なのか。

そんな彼らをじろじろ見ていたからか、こちらに気づいて微笑んでくれた。

こちらも微笑み返し、"お互いオカマで色々あるけれど、何とかやっていきましょ”と無言のメッセージを送るあたし(乙女!)。

腹壊しながらも色々食ったけど、モロヘイヤのスープは特にうまかったよ~。

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いつかは訪れたいと思っていた頃の夢のエジプトは、"古代エジプトのピラミッドの国"、だった。

だけど、実際自分の足でこの埃ぽい空気の国を歩き、色々な人と出会っていくうちに、ピラミッドだけの国ではないことに気づく。

遺跡があってそれを守る人々がいて、宗教の教えを守りながらも自分を生きる若者がいて、観光復興のために尽力する人々がいて、いつ仕事してんのか店先に座って観光客を笑わせるおっさんたちがいて、我々となんら変わりないゲイの人々もいる。

次回来るときは、アレクサンドリアのクレオパトラにも会わなきゃいけないし、紅海のリゾートでゆっくりするのも良さそうだ。

ありがとうエジプト!
また来ます!

それでもやっぱり最後はピラミッドよ!


2017年1月20日

時の河を越えて ④

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前回までのおはなし

時の河を越えて ① - カイロ・ギザ編

時の河を越えて ② - アブシンベル・アスワン編

時の河を越えて ③ - ナイル川クルーズ編

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中年オカマ4人を乗せた船は、元旦早朝にルクソールに到着した。

ルクソールは、古代エジプト中王朝から新王朝時代の中心として栄えた都市で、古代遺跡を含む街全体が、古代都市テーベとして世界遺産に登録されている。

ガイドさんの説明を聞きながら、まずは車で王家の谷へ向かう。

街はナイル川により東西に分かれていて、太陽の沈む西側が「死」を象徴し、ツタンカーメンやラムセス2世が眠る王家の谷や王妃の谷があり、太陽の昇る東側は「生」を象徴し、ルクソール神殿やカルナック神殿が位置しているという。

そういえば、と地図を見てみると、確かにギザやサッカラのピラミッドもすべて死を象徴するナイル川の西側に建てられてるじゃないの!

「やっぱり古代エジプト、すげぇ!」
「アメリカ戻ったら、ちゃんと古代エジプトの勉強したい!」

と、遺跡好きのA子とこの歳になってもまだ学びたいと思えることがあることをお互い喜んだのも束の間、

「とりあえず、"王家の紋章"で復習しよか!」

と、結局少女マンガで片付けようとする乙女2人である。 (大学受験の古文も"あさきゆめみし"で乗り切ったあたしよ...)

遺跡にも段々見慣れてきた。
「のび太の大魔境」思い出した!と突然叫ぶA子。

ハトシェプスト女王葬祭殿

3000年前、女王がここから見た空はどんな色だったのかしらん、と思いを馳せる乙女

手荷物検査を受けたあと、王の墓が眠る谷へ入ると、エジプトと日本の国旗が並んで描かれている壁が目に入った。

近づいてみてみると、仲良く並んだ国旗の下に『王家の谷周辺は日本の友好的な協力のもと、維持・整備されています』といった内容の文が記されている。

そういえば、カイロのオペラハウスも小児病院も、今ギザに建設中の大エジプト博物館も、日本の政府や企業の支援の元に建てられたと、カイロ在住のA氏が言っていたのを思い出した。

カルナック宮殿
何もかもがでかすぎて、首が痛くなってきたわよ

ハリウッドの映画のセットじゃねーわよ!
お台場のヴィーナスフォートでもねーわよ!!


あっという間に夕暮れ時
古代遺跡を背景に見る空の美しさよ

この旅最後の遺跡は、ルクソール神殿
ライトアップされた夜に訪れるのがよろし

「男性の体を持ちつつも女性の胸を有する2人がナイルで分かれた東西エジプトを結束させている壁画」
というガイドさんの説明に思わずそわそわするオカマ4人

最後に神殿前で三日月と一緒に皆で記念撮影だ

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船に戻ると、旅の疲れが出たのか、急に足腰が痛くなってきた。

「あんたそれ、3日前の筋肉痛が今ごろ来たのよ」とババア扱いするK子と他の2人を部屋に残し、ひとり船内にあるマッサージに行くことにする。

指定された時間にマッサージルームに入ると、細身のエジプト人の青年マッサージ師が笑顔で迎えてくれた。

まずはサウナに入るよう促され、裸になってタオルを巻いてサウナ室に入ると、目に入ったのが古代エジプトの割礼を描いた壁画をモチーフにした皿である…。

なんで、これをあえてサウナ室に置くかね?
(画像はネット上から拝借)

少々不安になりながらも、サウナ室を出てマッサージテーブルにうつ伏せになると、青年マッサージ師がちょうど良い力加減で疲れた筋肉をほぐしていく。

何度か、「ひゃだ、こんな恥ずかしい体勢になるの?」といった瞬間もあったが、旅の恥はかき捨てで、これもエジプト式マッサージなのだと思うことにするわ!?

マッサージの後、どこから来たのか問われ、日本からだと答えると、青年マッサージ師は、日本はすばらしい国だ、自分もいつかは行くことを夢見ていると、目を輝かせながら話してくれた。


続く。



2017年1月13日

時の河を越えて ③

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前回までのおはなし

時の河を越えて ① - カイロ・ギザ編

時の河を越えて ② - アブシンベル・アスワン編

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アブシンベルからアスワンに戻った後、ロイヤルリリー号というナイル川を往くクルーズ船に乗り込み、3泊4日この船をベースにナイル川沿いの遺跡をまわっている。

「何だか、全然寝れなかったわ。時差ボケかしら」
「何言ってんの。あんた4人の中で一番はじめにイビキかいて寝てたわよ?」
「やだ。あんたなんか、寝言で明菜の『難破船』歌ってたじゃないのよ!」
「やめてよ、船の上なんだから。縁起でもない!」

同室のK子と朝っぱらから下らないやり取りをしている間も、船は古都ルクソールへ向けて静かにナイル川を下っていく。

ロイヤルリリー号。
船内の従業員の人々も物腰やわらかく丁寧で、思わず皆お仲間に見えてくる。
(オカマの悪い癖)

船内の部屋からのナイルの眺め。「王家の紋章」思い出したわ!
夜はババ抜き(ババアだらけだけど)をしたりと年甲斐もなく修学旅行気分。

船を降りて遺跡に向かうたびに、観光客目当ての物売りのエジプト人の男達が声をかけてくる。

「チャイナ? ジャパン?」
「コッチ ヤスイョ~」
「ミルダケ タダ!」

どこで学んだのか、皆流暢な日本語で話しかけてくる。

はじめは返事をしないと悪いような気がして話に乗っていたが、あまりにもしつこいので、慣れてくると、皆"チャイナ"でも"ジャパン"でもない振りをして、スルーを決め込んで通り過ぎるようになった。

だが、

「オニイサン カッコイイネ~」

などと若いエジプト人男の売り子に言われると、思わず足を止めてしまう哀しい中年オカマである。

ダム水没からまぬがれた、イシス神殿

ハヤブサの神とワニの神を祭るコム・オンボ神殿

天井壁には当時の着色もきれいに残っていた

太陽の光で陰を作る古代エジプトの神々の壁画が美しい



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「写真とってくれませんか?」

遺跡内を歩いていると、中東系の青年に突然声をかけられた。

ほいほい、お安い御用、と遺跡を背景に彼の写真を撮ってあげようとすると、

「遺跡ではなくて、あなたと一緒に写真をとらせてください」

というではないの!

"ひゃだ! こんなところで、何十年ぶりにナンパ? それともあたしの写真が、何か悪いことに使われるんじゃないの?"

などと色々血迷った思考が頭を過ぎったけれど、とにかく一緒に彼と笑顔で写真を撮った自分。

横で見ていた他の3人には、

「なんで、あんただけ?」
「新手のスリなんじゃないの?財布気をつけてよ?」
「エジプトのお笑いにそっくりさんがいるんじゃない?」

などと散々からかわれたが、その後も旅行中、老若男女10人近くに一緒に写真をとってくれと頼まれた自分である。

それでなくても、歩いているだけで、中東顔のいい男たちが自分に微笑みかけてきたり、話かけてきたりする。

思わず、「もしや、こんなところで、久々のモテ期突入か!?」と勘違いしたくなるのも仕方あるまい。

「あんた、そんなにもてるなら、もうエジプト永住しちゃいなよ!」とK子に言われ、一瞬本気で考えたが、後にネットで調べてみると、"ふっくらした、ヒゲの生えてない人は現地人にもて、よく写真を頼まれます"と書いてある・・・。

「これって、デブハゲがもてるってことよね?」と思わず呆然。

続く。

2017年1月11日

時の河を越えて ②

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前回までのおはなし

時の河を越えて ① - カイロ・ギザ編

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今回のエジプト旅行で、ピラミッドよりもエジプト人の男達よりも何よりも観ておきたかったのが、アブシンベル大神殿だった。

古代エジプトのラムセス2世の栄光を映すその大神殿は、ナイルの東に上る朝日に照らされた時、最も美しく見れるという (C) 寺尾聰。

何だか素敵でねーの!

というわけで、早朝にカイロの空港を発ち(みんなババアだから早起きは得意)、アスワンで乗り換えて、アブシンベルへ向かうオカマ4人組。

アブシンベルに着き、大神殿の近くのホテルに宿を取り、さて大神殿へ向かおうか!という時だった。

急に自分の腹がゴロゴロ言い出すじゃないのよ・・・!!!

"ま、まさか・・・嘘でしょ!?"

"出発前に妹からも会社の上司からも、「エジプトの水には気をつけろ」だとか「食事はサラダでもなんでも生のものは避けたほうがいい」などと散々脅されて来たけど、旅行数日目にして、既に・・・!?"

"エジプトに着いてからは、4人とも同じものを飲み食いしてたのに、なぜあたいだけ!?"

"さっき、アスワンの地元の食堂で食べたコシャリがよくなかった!?"

ホテルのトイレに座りながら、頭を抱える自分。

日本からK子に正露丸やらストッパやらを持ってきてもらったが、効く気配もない。

"えーん!"

"でも、ここまで遥々飛行機乗り継いで来たのに、大神殿見ないでは帰れないわっ!"

結局、腹に爆弾を抱えながらも、オカマの意地で、トイレを行ったり来たりしながら大神殿までたどり着いた自分である(これで少しは腹回り痩せたかすら・・・)。

手作り感たっぷりの看板。国連のユネスコのマーク入りだ。


で、でけ~~~!
腹に爆弾抱えてでも来た甲斐があったわ!と思わず涙する自分。

神殿内部も巨像が並ぶ。
(神殿内は撮影禁止よ!)


アスワンの中心街。

エジプトの伝統料理コシャリ。トマトのパスタのラー油みたいな辛いのをかけて食う。
うみゃい!!! しかし、これで腹を壊したのか。

アスワン駅で「世界の車窓から」ぶる女優(オカマ)。

日本に住んでいた頃、「世界遺産」というTBSのテレビ番組が好きで日曜の夜によく観ていた。

大学受験の時にテレビ断ちした時も「世界史の勉強の一環」という名目の元(?)、「世界ふしぎ発見!」とこの「世界遺産」だけは欠かさず観ていたくらいだ。

アブシンベル大神殿やイシス神殿を含むこのあたりのヌビア遺跡群は、アスワン・ハイ・ダム建設で水没の危機に瀕していたが、国際協力の元、移築・保護され現在の位置にその姿を留めているという。

そして、このアブシンベル大神殿保護の国際プロジェクトこそが、ユネスコの「世界遺産」のはじまりでもあったという!(TBS 世界遺産 ウェブサイトより)

すげぇなぁ!

遺跡を前に、思わずオネエやるのも忘れて唸る4人であった。

夜はライトアップされ、映像と音楽でショーが行われる。
鳥山雄司氏の初代「世界遺産」テーマ曲もよかった!



続く!

2017年1月8日

時の河を越えて ①

カイロから三大ピラミッドのあるギザへ車で向かっている。

子供の頃から、テレビやオカルト雑誌で「ピラミッドの謎に迫る!」といった特集がある度に、妹と一緒に興奮して、いつか自分の足で赴き、自分の目で見ることを夢見ていた。

それが今、現実に起ころうとしている時、いい年して、興奮して冷静に事態をとらえられないからなのか、畏れ多くて気が動転しているからなのか、あと数十分もすれば、あのピラミッドとスフィンクスに出会えることを実感できずにいる。

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「みんなでエジプト行っちゃおうか!?」

年末年始の休暇の予定を考えあぐねていた時、LAに住むイケメンカップルのAちゃんが提案してきた。

遺跡好きのAちゃんも、パートナーのM君と一緒にエジプトの遺跡群にいつか行くことを夢見ていたという。

「エジプト行きたい!だけど治安もあまりよくないみたいだよねぇ」
「外務省のウェブサイトによるとエジプトの主要観光エリアは危険度レベル1って書いてある」
「行ったら行ったで、みんな腹壊すらしいよ」
「そもそも、オカマ丸出ししてたら危険な国なんじゃない?」

いつか訪れたい夢の国を前に心配ばかりが先走り、決めかねずにいた時、以前エジプトや中東諸国に長年住んでいた日本人のK氏がアメリカでの任務を終えて、エジプトに戻ったという知らせが届いた。

K氏は数年の任務の予定でカイロに住むという。

そこでしゃしゃり出てきたのが、東京に住む自分の大学同期でオカマのK子だった。

「みんながエジプト行くなら、あたいも行きたい! 知ってる人が現地にいるなら安心じゃん!!」

そんなこんなで、色々心配事はあるものの、同年代のオカマ4人(LAの映画業界で働くAちゃん&米国・日本・中国をまたにかけるソフトウェアエンジニアのM君カップル、東京のファッション誌編集者のK子、そしてSFの地味なサラリーマンのあたい)で、古代エジプトの遺跡をめぐる旅ははじまったのであった!(C)来宮良子

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ギザの市内に入り、銃を構える軍兵のものものしい警備の門をくぐる。

するとそこには、目の前には、想像していた以上に巨大な石の建造物が。

「きゃーーーーーっ!!!」

と、いつもならオカマ丸出しで叫ぶところだが、今回ばかりは4人とも声も出さずに、空を仰ぐようにピラミッドを長いこと見つめていた。

この巨大な建造物を古代エジプト人がどうやって建てたのか、諸説あるものの未だ謎のままだ。

スフィンクスの向く先にはケンタッキーの店が・・・。


「ピラミッドは、王の墓ではなく食料の保存庫であったとも言われており、ピラミッドの内部では、ピラミッドパワーにより生肉などの食物が腐りにくくなるといわれています」と、ガイドさんが説明しているのを聞くやいなや、「ひゃだ! あたしピラミッドの中入るわ! しわの一つや二つ減って若返るかもしんない!」と叫ぶK子。

実際中に入ってみたら、蒸し暑くて、どんな新鮮な肉も男も、あっという間に腐りそうだったけど、どうなんだろ。


砂漠に暮れる太陽に、ここに皆で無事に来れたことに感謝する。

カイロに戻り、ナイル川を臨むホテルのルーフトップバーでエジプトワインを片手に4人とも興奮冷めやらずで、1日を振り返る。

街も人も親切で、4人ともすでにこの国を好きになりはじめている。


続く!





2017年1月1日

夜明けの来ない夜は無いさ あなたがポツリ言う

2017年、元旦。

「起きて!もうすぐ日の出の時間だよ!」

隣で寝ていたはずのK子は既に起きていて、ユニクロの防寒ジャケットを羽織って外にでる準備をしている。

眠い目をこすり、隣の部屋で寝ていたほかのふたりも起こして、寝癖のまま4人で急いで船の甲板に出た。

ひんやりとした冷たい空気の中、ナイル川を下る船は古都ルクソールに向かって静かに航海を続けている。

川の向こう側に見えるエジプトの空が少しずつ明るくなってくると、皆写真を撮る手を止めて、昇りはじめた太陽に向かって、この1年も皆元気に笑顔で暮らせるようにと手を合わせた。



古代エジプト人は夜明けを生みだす太陽を神として崇めていたと言う。

それから4000年。

現代を生きる我々も、こうやって今、太陽に向かって手を合わせている。そして、昨日何があろうとも、必ず訪れてくれる夜明けに感謝している。

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周りの空気が太陽の光で少しずつ暖かくなってきた頃、誰かが携帯で松田聖子の「瑠璃色の地球」を流しだした。

夜明けの来ない夜はないさ~♪

正月早々、皆で鼻歌で聖子の合唱となるのは、オカマが4人も集まれば当たり前のこと(なの??)。

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明けまして、おめでとうございます。
今年もよい1年になりますように!