Bridge Over Troubled Water

朝の5時、いつものように尿意で目が覚めた(ジジイ)。

寝室からトイレへ向かうと、何だか煙臭い。

まさか!?とキッチンへ駆け込むと、火は上がっていない。

気のせいかしらん、と思いながらも、ふとベランダの外を見ると、サンフランシスコ湾の向こう側が全く見えない。

季節はずれの霧かしらねと独り言ちて、その時はベッドに戻ったのだが、

その頃、サンフランシスコの北にある、ワイナリーや美しい自然で知られるナパ、ソノマのエリアは山火事で大変なことになっていたとは、朝のニュースで知ったのである。

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この1週間は、昼間でも夕方のような空模様で薄暗く、外は煙臭くて、みな咳をしながら歩いていた。

冬の東京の通勤列車では、マスクをしている人を大勢みかけるが、サンフランシスコでこれだけの人がマスクをして通勤しているのをみるのは、今までではじめてだ。

前にK枝やY子と泊りがけで行ったサンタローザの静かなホテルも、仕事のクライアントの美しいワイナリーも、この山火事で無くなってしまった。

大勢の人が家を一瞬にして失い、避難生活を送っている。
行方不明者も大勢いるようだ。

職場では、この山火事の被害者への救援活動などにあてられるという寄付を募っていたので、少しでも被害者の役に立てればと、参加したわ。

仕事帰りにオカマの街カストロを歩いていると、お兄さんたちがこの週末に救援物資の寄付を募ってまとめて現地に送ると言っていたので、明日は缶詰やペットフードを買ってそこに持っていくつもりだ。

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ふと、窓の外をみると、怖いくらいの真っ赤な夕焼け空がサンフランシスコの街をつつんでいる。

煙の影響で空の色がいつもと違うみたいだ。

「サンフランシスコだって、いつ地震に見舞われるか、わからないよね」

と友人が言う。

この美しい街の風景も、災害でいつ失われてもおかしくないのだ。





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