道程

「この週末って、30代最後の週末だね」

飲み屋で酒をひっかけていると、アメリカ人のN君がつぶやいた。

突然の指摘に、

「え、まだ来週もまだぎりぎり30代よ?」

と一瞬頭の中のカレンダーが混乱したが、よく考えると来週末はもう40になっているのだった。

40になるからといって、最後の週末だのなんなのと、そんなに30代にしがみつくつもりもないつもりだったのだが、

そういわれると、なんだか急に焦燥感に駆られる自分である。

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そんな"30代最後の週末”は、友達の結婚式に出席して過ごした。

先日のメキシコシティでのゲイの友達の結婚式に続き、今回はサンフランシスコでの別のゲイの友達の結婚式。(ほんと今年は結婚式多くて、ご祝儀貧乏だわ・・・)

ここのところ寒い日が続いていたのだが、今日は少し汗ばむほどの暖かく秋晴れの美しい結婚式日和だった。

今回の新郎と新郎はどちらもサンフランシスコのゲイの水泳チームに所属していて、そのチームの練習を通じて二人は出会ったという。

サンフランシスコ湾を臨む会場の中を見渡してみると、確かに出席者に体格のよいいいオトコ揃いなのは、みな水泳選手たちだからなのかしらん。

(式の最中も、思わずきょろきょろいいオトコチェックを止められない、中年オカマの悲しい性)

式の半ばには、日本の結婚式でもよくみられる、新郎達の子供の頃から現在までの写真、そして二人が出会ってからの写真のスライド上映があった。

自分がゲイかどうかも分からなかった少年期から、自分がゲイであることを悩んだ青年期、そして人生の伴侶を見つけた現在まで、スライドを通して、二人のこれまでの人生の道程を思うと、なんだか涙が出てきたわよ。

誰かがスピーチで言っていたが、今までのそれぞれの道程も二人が出会うためのものだったのだ。

そんなとても幸せそうな二人の笑顔を見ていると、自分までほっこり幸せな気持ちになってくる。

(じ、自分のこの人生の道程もいつかは二人のような幸せに繋がっていると信じていい!?)

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両新郎の人柄が反映されたほのぼのとあたたかい式のおかげで、なんだか"30代最後の週末"も気持ちよく過ごすことができたなあ。

デニー&マーク、おめでとう!
末永くお幸せに!







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