卒業

「誕生日に何かもらえるとしたら何が欲しい」

とか、

「宝くじ当たったら何買いたい」

と聞かれても、

「なーんもいらない。欲しいものないわ。」

などと、つまらない答えをしている自分。

20代や30代前半の頃は、どこそこのブランド物のバッグや財布、流行の服のためになけなしの金を費やしていたのだが、

ここ数年は、全くと言っていいほどそういったことに興味がなくなってしまったようなのだ。

東京で新人サラリーマンやってた20年くらい前は、週末ごとに"アローズ"やら"シップス"で、新しい服を買って、次の週にそれを着て出歩くのを楽しみにしていたのだけど。

今じゃ、服やかばん(やアンダーウェア・・・)も、"前着ていたものが古くなった”とか”穴があいた”とか言った時に、今まで持っていたものと同じようなものを、買い求めるくらいだ。

こんなんじゃ、オカマの風上にもおけないでねーの!

ものに対する欲って、年をとるごとに薄れるものなのかすら。

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そんな偉そうなことを言いながらも、仕事の昼休みや仕事帰りにたまにひとりふらりと立ち寄りたくなる店が、今もいくつかある。

ひとつは、サンフランシスコ発の陶器屋さんの「ヒースセラミックス(Heath Ceramics)」。

会社の近くのフェリービルディングにもお店があり、ランチを買いがてら顔を出してみる。

値段は安くないので、無暗やたらには手を出せないのだが、昨年その店で見つけたコーヒーカップは、地味な形と青の色合いに一目ぼれし購入した自分である。

家でお茶を飲むときも、(ハゲ薬を飲むときも・・・)、何にでも使っているお気に入りだ。

週末参加するゲイ友達の結婚式のギフトリストにも、この店の商品が指定されていたから、かわいいもの好きのオカマにも人気の店なのかもしれない。

もうひとつは、会社の裏の通りから少し行ったところにある、化粧品屋の「イソップ(Aesop)」。

乾燥がひどいカリフォルニアに住み始めてから、乾燥肌防止のために、ロクシタンやら何やら色々ボディクリームを試したのだが、イソップの香りが一番自然で男がつけてもくどくないのが良い!という勝手な結論となった訳(オカマのくせに よー言う)。

今はデオドラントやハンドクリーム、ホームスプレーも愛用している。

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30代の間に、"卒業"した物事がいくつかあるが、

この「流行のものを追いかける」ことも、この10年の間にいつの間にか卒業して、これから40代、50代に向けて、「自分の本当に好きなものをみつける」ことをはじめられたのだと思えば、年をとることも悪くない気がしている中年オカマである。




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