自由に浜辺を 歩けるそんな日が いつかは

朝、自宅前から乗ったバスを降り、美味しそうなベーグルや挽きたてのコーヒーの匂いをかぎながら、地下鉄の駅へ向かう道を歩くと、古い映画館の前を通る。

ゲイの集まる街の中心にある映画館だけあって、上映される映画も最新作ではなく、何十年も前の名画だったり、オカマが好きそうなB級映画だったりするのだが、先週やっていたのは、ディズニーの「リトル・マーメイド」!

しかも"Sing-a-long"と呼ばれる、スクリーンに劇中歌の歌詞が出てきて、登場人物になりきって歌ってよい、という女優ぶりたがるオカマ達にもってこいの企画。

早速、いつものオカマ仲間にグループメールを送ってみる。

「週末、リトルマーメイド、カストロシアターでやってるみたいだけど、どうよ?」
すると即、K枝から返事が入る。
「えー、私、観た事ないし歌えないからパス・・・」

確かに、自分もディズニー映画にあまり興味がなく、今まで観たことがあるのは、「アナと雪の女王」くらいで、このリトル・マーメイドも観たことがない。(ジブリ映画なら全作欠かさず観てるけど!)。

観にいっても、歌えないじゃないのよっ。

それをアメリカ人オカマのE子に言うと、「あんた、ゲイでリトルマーメイド観てないなんて、モグリだよ!」と叱られる始末。

そこまで言うならと、家で安物ワインのボトルでもあけて、Amazonでレンタルして観ることに。

1989年の作品ということで少々絵づらは古いが、人魚のアリエルが地上の普通の人間が住む世界を夢見て歌う「Part of Your World」が始まったら、酒が入ってたせいか、思わず大泣きする自分。

観終わった後、ゲイに人気があるのも分かる気がしたのは、アリエルが水面から出て日のあたるところで生活するのを夢みて、いつしかその夢を達成し、ついでに素敵ないいオトコまで捕まえちゃうところに、自分達を投影したいからなのかもしれぬ。(夢見すぎ?)

そういえば、アナと雪の女の「Let It Go」も、ゲイが大好きなのは、「もうあたしたち、ありのまま(のオカマ)でいいのよ!」とディズニーが認めたのよと、ドラアグクイーンのおネエさんが言ってたのも思い出した。

そりゃ、ゲイの政治家の彼が、アリエルぶって、こういうことをしたくなるのも分かる!

人魚になりきるBrian Sims氏(動画はこちら

自分も思わず、itunesで映画のサントラ(とついでに劇団四季の日本語版も)を購入。

電車の中で、携帯片手にリトルマーメイド聴いてる中年のおっさんがいたら、それあたしです・・・。


Castro Theatre 
429 Castro St, San Francisco, CA 94114

毎年冬になるとやる「サウンド・オブ・ミュージック」のSing a longも楽しいです。

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