リラの咲くころバルセロナへ ④

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前回までのおはなし
リラの咲くころバルセロナへ ① - リスボン編

リラの咲くころバルセロナへ ② - リスボン - シントラ編

リラの咲くころバルセロナへ ③ - マドリッド - シッチェス編

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ついに、やってきた!

リラの咲くころバルセロナへ! (c) 光GENJI
燃えろバルセロナ! (c)日出郎

と、おっさん(っつーかオカマ)丸出しではしゃいでみたものの、よく考えたらバルセロナ3泊4日の旅、何の予定も立ててなかった・・・。

とりあえず、丘の上にあるホテルにチェックインし、地球の歩き方をぶっこんでおいたipad片手に、ホテルのプールで作戦会議だよ!

作戦会議という名の一人酒。水割りをください、男の数だけ。

建築に疎い自分だが、やはりサグラダファミリアは見ておきたい。どうせ、行き当たりばったりの旅。取りあえず、行きたいところに行けるとき行っちゃおう!ということで、早速ipadでサグラダファミリアのチケット予約を試みるが・・・。

ひゃだ!今日の分はすべて完売!明日の分も夕方遅くの分しか残ってないじゃないのよ!

ネットで調べると、早朝の方が人が少なくゆったり観れて、朝日に照らされたステンドグラスが綺麗に輝く、とある。

しょうがない。サグラダファミリアは3日目の朝までお預けで、取りあえず今日、明日は街の散策しましょかね。

ガウディ建築 バトリョ邸。この壁の色使いの美しさよ。

グエル公園。建築に素人の自分でも、ガウディ建築は目に面白い。
鼻歌は、時間の国のアリス(C)聖子 (またかいな)

グエル公園の迷路。
柱の間から、南野陽子か河合その子あたりが現れそうだわよ。



ゴシック地区 カテドラル。ヨーロッパに歴史あり。
ミステリーハンター気取り (またかいな)

10代、20代だった頃の旅といえば、とにかく有名な場所を全部まわる!とか、いいオトコ達が集まるエリアをはしご!とかやっていたけれど、天候によって膝の痛みを感じる年頃になった今は、興味がある場所だけを選んで、その背後にある歴史を感じながらゆっくり静かに回りたい、と思う。

携帯を片手にゆっくり回れば、興味を持ったところはその場で、ウィキペディアや地球の歩き方で調べて、その歴史なり背景なりを調べることができるのも有難い。

ほんと年とったわよ。

一瞬(ってか一食)ベトナムヌードルに浮気したりもしたけれど、
やっぱりスペイン飯のタパス、魚介・イカスミのパエリアはうみゃい!

ワシントンDCから友達が来ているというので、
オカマばっかり集まるという、彼の泊まっているホテルの屋上のバーで一杯。

せっかくスペインに来ていることだし、本場のフラメンコ観てみたいなあ、と調べてみると、世界遺産の「カタルーニャ音楽堂」でフラメンコ・ガラが今日まで行われているという。今日が最終日。こりゃ行かなきゃだわ!

何かあった時のために(って何だろ)、と荷物に詰めておいた、しわくちゃになったジャケットを羽織り、日も暮れるころ音楽堂へ!

カタルーニャ音楽堂の、ステンドグラスの美しさよ。
空が暗くなる前に入場するのがよろし。

低くも遠くまで響くスペイン男の声とギターに合わせて、踊る美しい女たち。
カーテンコールは撮影OKですな?

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バルセロナ3日目は、あいにくの曇り空。

年甲斐もなく、そわそわと早くに目覚め、寝癖のままホテルのジムで軽く筋トレして(あんだけこの10日間、飲み食いしてたら意味ねーけど)、シャワーを浴びて、サグラダファミリアへ出発だ。

地下鉄を降りると、サグラダファミリア駅のサインが。
”サクラダ”じゃないのよね。


写真だと「?」だけど、実物を空を背景に見上げると、すごい迫力なーのよ。


内部へ入る門には菖蒲や薔薇の美しい花を形取った門が出迎えてくれる。
音声ガイドによると、日本人彫刻家の外尾悦郎氏がメインの門を手がけているという

エレベーターで生誕のファサードの塔の上階へ。バルセロナの街を一望できる。
天気を心配してたけど、この曇り空も趣あってよしとしましょ。

帰りは階段で降りる。ここでもガウディ感。

中に入ると、七色に輝くステンドグラスが迎えてくれる。


塔の天辺には色とりどりの果実。
天井を見上げると森の木々に囲まれているようだ。


太陽光を浴びて輝くステンドグラス見てたら、あまりの神々しさに涙出てきたわよね。

反対側から外へ出ると「受難のファサード」に出る。
前面の「生誕のファサード」が生きるエネルギーに満ちているのに対し、こちらは「死」がテーマだ。


キリストの像の横に彫られた16の数字。
この数字を使って計算すると、キリストが亡くなった33歳になる。

生きる生命に満ちた色鮮やかな「生誕のファサード」を通り、死をテーマにした色の無い彫刻が形作る「受難のファサード」へ出てくると、朝あんだけはしゃいでいた気持ちが、今は静かに落ち着いていることに気づく。

そして、自分の人生を振り返り、自分は今、このサグラダファミリアのどこに位置しているのだろうかと、考える。

明らかに、色鮮やかだった「生誕のファサード」の時代は過ぎ去ったけれど、「受難のファサード」へ辿り着くまでは、もう少し時間が必要そうだ。

サグラダファミリアの完成は、ガウディ没後100年の2026年を予定しているという。丁度10年後。また来れるかな。

ホテルに戻り、今回の旅の最後のディナーの前に荷物を詰める。
明日の朝には出発だ。

最後にもう一度、美しいバルセロナの街を歩く。
ランブラス通りを抜けて、夕暮れ時のカタルーニャ広場へ。


翌朝、ホテルのかわいいコンシェルジュの男に見送られ、空港へ。
帰りの便からはリスボンの街が見えた。

ありがとう、ポルトガル。
ありがとう、スペイン。

美しい街並みと心優しい人々、そして美味しい食べ物たち!

また来ます!!


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