2017年6月18日

この大空の虹になりたい 希望に届く虹になりたい

街のあちこちが虹色に染まっている。

6月にはいると、金融街からゲイの街カストロまでまっすぐに伸びる大通りのマーケットストリートには、レインボーフラッグが並び、街のお店やレストランにも、あちこちで虹色のディスプレイが見られるようになる。



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20年近く前、大学の先輩でもある彼と話すようになったきっかけは、当時通っていた東京渋谷のジムだった。

おしゃれで短髪の爽やかな外見で、外資系の航空会社に勤めているというその彼は、話すようになったその日に、彼がゲイでしかもHIVであることを打ち明けてくれた。

人生ではじめてで逢ったHIVポジティブの彼に、当時はどう接すればよいか分からなかったが、平日は仕事をバリバリとこなし、週末はドイツ製の車に乗ってジムや英会話と、活発に健康的に過ごす彼の話を聞いているうちに、当時若かった自分が持っていた偏見や構えはすぐに消え、それよりも社会人としての、憧れの人生の"先輩"として彼をみるようになっていた。

自分が東京での仕事を辞め、アメリカに行くと決めたときも、手放しで喜んでくれたのが彼だった。

それから数年後。

彼が亡くなったと、彼のお母さんからの手紙で知った。

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この街に来てからは、HIVポジティブの人と会う機会は多くあるが、皆ちゃんと薬を飲んでいる限り、HIVネガティブの人と同様に健康に生活している。

この頃はPrEp(プレップ)などの予防薬もあるし、最近の調査だとポジティブの人もネガティブの人も平均寿命は殆ど変わらない程になっているらしい。

毎年6月になると、このゲイプライドの時期に合わせて、「エイズ・ライフサイクル」というイベントが行われる。

参加者が自転車でサンフランシスコからロサンゼルスまで1週間かけて向かうというもので、参加者は募金をつのり、集まったお金はHIV/AIDSの治療や研究・予防の活動等に使われる。

今年は2500人近くの人が参加し、約15億円もの募金があったという。

自分は1週間自転車でLAまで旅する体力も勇気もないけれど、友人や会社の参加者達に、毎年そんなに多くはないけれど募金をして、少しでもこのイベントの目的の役に立ちたいと思っている。

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彼が亡くなって数年後、一通の絵葉書が自分の元に届いた。

差出人の名前は、彼の名前。

「大分前に亡くなった彼から今頃手紙が来るはずない!」と消印を見ると、彼が無くなる大分前の日付の消印と近日の消印が二つ押されている。

彼が出張先のデンバーから出したはずの絵葉書が数年間どこかに紛れたまま届かずにいたのだろうか。

絵葉書には彼の近況と、デンバーでの仕事のこと、そして最後にこう書いてあった。

"アメリカでも逞しく活躍していることと思います。

どうか健康には気をつけて。

これからも頑張って下さい。"



毎年この時期、街が虹色に染まりはじめると、ふと彼のことを思い出す。

"アメリカでの生活も色々辛いこともありますが、

なんとか元気にやっています。

Kさんもどうかお元気で!"
























4 件のコメント:

  1. そんなことがあったのですね・・・
    最近のHIVの薬の進歩には目覚ましいものを感じております。うちのHIV患者の95%以上がHIV血液検査でUndetactableの結果を得るようになり、薬の副作用がほとんど気にならないくらいで、HIVネガティブな人たちと同様なごくごく普通の生活を送れるようになっています。それでもこの薬の向上もここ10年くらいのことですよね。。。。これに間に合わず多くの尊い命が失われていったことは決して忘れてはいけないことだと思います。

    SamuraiSFのように、こうして言葉に残して伝えていくのって本当に大切なことだなって思います。僕も細々ながら今いるHIV患者さんたちの力になれることを続けて行けたらな~って思っています。

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  2. JapanSFOさん

    今日はプライドのパレードには行かれましたか? よい天気の日曜日でしたね!

    95%以上がundetactibleとは、驚きました。薬もどんどん改良されているんですね。自分の周りにもHIVポジティブで普通の生活を送っている人が何人もいます。その一方で、沢山の映画でも描かれたように、10年前はまだまだ多くの人達が亡くなっていっていたことは決して忘れてはいけないことだと思います。

    何年もサンフランシスコに住んでいると、プライドも「毎年観にいかなくても、いいかな・・・」等と怠け心が出てきますが、こうやって世界中から沢山の人たちや企業が集まって、LGBTQの「プライド」を支援していることを感じられるのは有難いことですね。


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    1. うちのクリニックはHIVクリニックではなく一般のPrimary CareなのでそんなにたくさんのHIV患者がいる訳でもないのですが、それでもこれだけの多くの人がundetactibleって嬉しいものです。

      SFプライド行ってきましたよ~昼前から行ってきたので結構寒かったです~午後からは青空が広がりましたね。SamuraiSFさんを探しましたが見つかりませんでした(笑)

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  3. JapanSFOさん

    結局自分はシビックセンターまでは出ず、カストロからの応援にとどまりました・・・。 JapanSFOさんのインスタグラムの写真(のいい男達)を見て、雰囲気を楽しめました!

    領事館のeメール等で、テロリズムに注意等言われていましたが、シビックセンターの会場でもカストロでも何事もなく無事に終わってほっとしています。

    いつか、JapanSFOさんとお会いしたいです~! 

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