もしも生まれ変わっても 私はわたしを生きたい 世界は変えられなくても

時々高校時代を今振り返って、

「クラスメートの男どもが、B'zやらWANDSやらMr. Childrenやらスピッツやらの曲で盛り上がってる傍で、ひとり密かに大黒摩季ばかり聴いていたわ・・・」

などとオカマ友達に言ってみたなら、「あんた、当時から不幸ぶったオカマやってたのね」と突っ込まれる。

確かに、汗臭い高校男児のクラスメートたちが、生意気にラルフローレンのベストにリーガルのローファーを履いて、ポケベル片手にかわいい同級生の彼女を連れて青春を謳歌してるなか、"マイナスだらけの未来はいらない~"とか、"イジけない、ネタまない、間違ってなんかない~"とか、ひとりで聴いていたのだから、そんな悪態をつかれても、言い返せない。

そんな彼女は、長いこと子宮疾患のために歌手活動休止をしていたみたいだが、その治療を終えて、昨年の末に復帰したという。

そんなニュースを聞いた後、25年前のデビュー曲から最新の曲までを網羅したベスト版が出たというので、思わず懐かしくなって日本から取り寄せて購入したわよ!

聖子や明菜もいいが、なんとなく元気が出ない朝は、大黒摩季を聴きながらシャワーを浴びて、無理やり目を醒めさせる昭和オカマの自分である。

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日本に住む我が妹も、一ヶ月程前に子宮疾患で手術をし入院していた。

結婚してからずっと不妊治療をがんばっていた妹が、それに加えて入院して手術ということで、手術前から精神的にもかなり落ち込んでいたようだ。

以前は得意のイラストや飼っている猫の写真でいっぱいだった彼女のインスタグラムも、もう長いこと投稿されていなかった。

「ほら、大黒摩季も治療終えて復帰したみたいだし大丈夫だよ! 情熱大陸のドキュメンタリーにも出てた!」

とそんな妹にLINEでメッセージを送ると、

「ほんと昔よく大黒摩季聴いてたよね~。 情熱大陸観た。泣けたよ。」

と返事。

長い不妊治療と術後の痛みに苦しむ妹に他愛もないLINEメッセージを送ることしかできぬ、頼りない兄(あたし)である。

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久しぶりにいつもの飲み屋でオカマ仲間の4人で集まっている。

「もし生まれ変わったら、ストレートになりたい?ゲイのままがいい?」
と問うてみると、

M男は、「絶対ゲイ。オトコのケツ食いたい。」と即答し、

K枝は、「自分もゲイかな~。ゲイって色々悩んだり、嫌なこと経験した分、人に優しくできるでしょ」と答える。

Y子は、「ん~。美人の女に生まれて、すんごいいいオトコと恋愛したり結婚したりって、一度は経験したいわね~」と夢見た発言をする。

親からのプレッシャーや、学校・会社でのストレスと、ゲイとして辛いことを多く経験してきたならば、生まれ変わっても、もうゲイとして生まれたくない、という人もいるだろう。

M男やK枝のように、またゲイとして生まれたい、と胸を張って言えることは幸せなことだ。

カストロ駅のエスカレーターはレインボーカラーの電飾が迎えてくれる。

我が妹も、今は辛い思いをしたり痛みと戦っているけれど、これから子供を授かることができても、そうでなくても、「生まれ変わっても、また自分に生まれ変わりたい」と思えるように過ごしてほしいと遠くから願う。

誰かと比べなければ
この人生も悪くない

もしも生まれ変わっても
私はわたしを生きたい
いつかそう思えるように

って、大黒摩季も歌ってるじゃないの。






コメント

ふわり さんの投稿…
samurai sf さん、ご無沙汰しております。

妹さんのこと、さぞかしご心配なことでしょう。私も昨年の日本滞在中、父に大病が見つかり、後ろ髪を引かれる思いで日本を後にしました。最近、歳を重ねるに連れて、親の老いや自分自身の病に直面するにつけ、こういうことをリアルに考えずに国際結婚と外国暮らしをいとも簡単に選んだ自分は浅はかだったのだなと考えてしまいます。まあ、今更考えてどうこうなることではないのですが ^^;

また、同じ女性特有の病に罹患した者として、今の妹さんのお辛さ、痛いほど分かります。私にも姉がおりまして、今でも私が落ち込むたびに、「その前向きさどこからくるの?」というくらいメールで励ましてくれたり、バカ話をしてくれたりととても有り難い存在です。samurai sf さんもどうやら優しいお兄さんで、妹さんともとても信頼しあって仲の良い印象を受けました。これは妹としてとてもラッキーなことなんですよ、実は。兄妹なのに仲が良くないとか、数年も顔も見なければ連絡も取り合わないという友達より薄い関係の方も少なくありませんからね。

話、それまくりですが、どうかこれからも妹さんのこと温かく見守って、そして馬鹿話でもいいのです、色々と会話をしてあげて下さい。妹さんも、今はお辛いでしょうが、そのうち『現状』に慣れます。そしてその現状にマッチした気持ち、生活スタイルが自然と生まれてきます。そうしなければ人間は生きていけません。大丈夫ですよと月並みなことしか言えませんが、本当に大丈夫なのですから、あまり気を詰めないで下さいね。
samurai sf さんの投稿…
ふわりさん お久しぶりです。

今週末は本当にいい天気ですね~。サンフランシスコも久々の短パンの陽気です。

あたたかいメッセージをありがとうございます。妹も大分痛みもおさまってきたみたいで、先週は母と映画を観に行くくらいの元気は出てきたみたいで安心しています。

お父様が大きなご病気をされたとのこと、心配ですね。自分も、日本にいる家族が大きな病気をしたり悔悟が必要になったとき、外国に住んでいる自分達はどうすればいいのだろうか、と同年代の同僚や友達とよく話になります。

妹や母とはよく「そのうち痛みもよくなるからね」「何でも時間が解決してくれるからね」と話していますが、ふわりさんの『現状に慣れます。現状にマッチした気持ちが生まれてきます』、というお言葉、妹にも伝えます。自分ももし何かあったときには、これを思い出して乗り切ろうと思います!

お父様、どうぞよくなられますように。

それでは、よい日曜日をお過ごし下さい。