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ベルサイユのばらを求めて (2)

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================================ これまでのお話 ベルサイユのばらを求めて (1) - 旅立ち ================================ 「死ぬまでに一度は訪れたい場所って、どこ?」 オカマ仲間と飲んでいると、時々そんな話題になる。 「アイスランドの温泉で、裸のオトコ達に囲まれながら、オーロラ見たいわねぇ」 「あたしは、ドイツのロマンチック街道で、ドイツ製"ソーセージ"、むさぼり食いたいわよ」 などと(下品な)夢を見るオカマもいれば、 「四国で八十八箇所巡礼、してみたいわ」 と真面目に答えるオカマもいる。 自分といえば、数年前までは即座に、 「エジプトのピラミッド!」 と答えていたのだが、それも 去年の正月についに叶えられ 、最近では両手で足りる程度の"死ぬまでに訪れたい場所”リストとなっていた。 ---------------------------- 時差ぼけも抜けないまま早朝のパリを出発し、車はフランスの北西に向かって走っている。 その目的地は、長年自分の"死ぬまでに訪れたい場所”の一つであった、「モンサンミッシェル」である。 画像は拝借しました。 以前は、「天空の城ラピュタのモデルとなったって言われてる島なんだっけ?」くらいのイメージしかなかったモンサンミッシェルなのだが、行くと決めてから調べてみると、 大天使ミカエルのお告げで作られた礼拝堂はカトリックの巡礼地となり、百年戦争期には要塞としての役目を果たし、今ではユネスコの世界遺産にも登録されている (C)ウィキペディア という何だかすごい場所だと知ることとなったのである。 車は途中、ジャンヌダルクの最期の地として知られる古都ルーアンを経由しつつ、パリから合計4時間程高速道路走ると、ついにそのモンサンミッシェルが見えてきた! しかし・・・・、 あいにくの・・・、 雨・・・。 自分の(勝手な)予定では、上の画像のような夕焼けの空に美しく輝く島が見えてくるはずだったはずなのだがね。 それでも、遠くにその島が見えてくると、いい歳して逸る心で写真撮りまくりの中年観光ばばあ丸出しのあたしよ。 すごいぞ! ...

ベルサイユのばらを求めて (1)

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アメリカ大陸を超えてフランスへ向かうエールフランスの機内で、ipadに仕込んでおいた地球の歩き方を開き、今回の旅程のおさらいをしている。 まずパリで数日過ごして、時差に身体を慣れさせたあと、 パリを離れて、長年行ってみたいと思っていたモンサンミッシェルを訪れて、 ワインで有名だという中西部のロワール地方で古城に囲まれながらワインをたらふく飲み、 港町が並ぶ北部のノルマンディ地方で海を眺めながら魚介を食い、 またパリに戻ってくる、というのが大まかな流れだ。 -------------------------------------- そんな旅の予定に心を躍らせながら、 「今回は、"パリの街に住むスマートでおされな男"を目指してして行くわ!」 と、機内で空想に耽っていた自分であったのだが、 シャルルドゴール空港に降り立った途端に、蒸し暑いフランスの夏の気候の洗礼を受け、パリ市内につく頃には、汗だくのむさくるしい中年男になり果てていた。 「こ、こんなんじゃ、せっかくのフランスで、おされな男も気取れないし、オスカル様を見つけることもできないじゃないの!(なんのこっちゃ)」 気を取り直して、宿でシャワーを浴び、お気に入りのピンクのボタンダウンシャツとショートパンツに着替えて、素足にローファーを履いたならば、気持ちはもう、"パリのマレー地区に住む、さわやかな青年”である( 脳内イメージはこれな )。 そんな気分で、宿を飛び出して外を歩けば、そこは20年前と変わらず歴史ある美しい街が広がっている。 数ブロック歩き、エッフェル塔が遠くに見えてくると、年甲斐もなく気持ちが浮き立ってきたわ! 「初日だし、ちょっとくらいはしゃいだっていいわよね?」 と携帯のカメラを取り出し、エッフェル塔の写真をとったり、塔を背景に自撮りをしたりしていたら、突然空の雲行きが怪しくなってきた。 「え、夏のパリって毎日晴れなんじゃないの!?」 と思ったのもつかの間、突然どしゃぶりの雨と雷が。 「え!? ちょっと、もうやだ~~~~!!!!!」 急いで雨宿りのできる場所を探して、近所のカフェに駆け込んだが、既にお気に入りのシャツも、石田純一ぶってた素足のローファーもびしょ濡れである。 とりあえず雨が止...

薔薇は気高く咲いて、薔薇は美しく散る

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オカマ仲間の間では、大して盛り上がっていなかったワールドカップだが、個人的には、日本チームの頑張りにも、他国のチームの引き締まった身体のいい男達にも、大いに元気づけられたわ。 さて、次の大きなスポーツイベントは4年に一度、2020年の東京オリンピックだが、その前にもう一つ4年に一度のイベントが、今年の8月にあるという・・・。 その名も..... GAY GAMES(ゲイ・ゲームズ)....!!!  本家オリンピックと同じように4年に一度、世界の一都市にLGBTや彼らをサポートする人々が集まり、GAY GAMESの名の元に、各種運動競技が行われるというのだ。 そして、今回の会場となる都市が..... フランス! 花の都!! パリ!!! 行きたい!!! (ちなみに前回2014年は米国オハイオ州クリーブランド(しょぼい…失礼)。次回2022年は香港とのこと(香港も行きたい!)) -------------------------------------- ふと、自分が20年前に最後に訪れたパリの街を思い出してみる。 まだ心も体も綺麗な(?)、20歳になるかならないかの乙女だった頃の自分である。 ユーロも導入されていなかった頃の大昔だから、もはやどこの安宿に泊まったかも、何を食べたかも、詳細は思い出せないが、街のどこを歩いても歴史を感じることができ、街のどこを歩いても美しい男達と出会える(遠目に見るだけだがね)、そんな素敵な街の感覚は今でもはっきり覚えている。 そういえば、会社の有給休暇がたまっている。 そういえば、ワールドカップでフランスが優勝したし。 そういえば、昨日飲み屋で飲んだワインもフランスワインだったはずよ。 そういえば、携帯のシャッフルで今週は2回も 「ベルサイユのばら」の主題歌 が流れたわ!(どんな携帯だよ?) "Gay Gamesは兎も角として、これはフランスへ行けっていうサイン、あるいは運命じゃないのかしら!"? と、半ば強引だが、気づいたらエールフランスの航空券を購入していた自分である...。 ------------------------- 40過ぎの中年オカマの、ちゃんとした予定も立てずに、今回もとりあえずipadに地球の歩き方をダウンロー...

出逢いはスローモーション (6)

================== これまでのお話 出逢いはスローモーション (1) 出逢いはスローモーション (2) 出逢いはスローモーション (3) 出逢いはスローモーション (4) 出逢いはスローモーション (5) ================== 「一緒に住もうか!?」 いつも、ノリや勢いで物事を言うN君だが、 今回もその調子で、突然同棲を提案してきたのである。 確かに自分も、老犬わんこも亡くなり、今の家に住んでいると色々と思い出されて辛い気持ちだったので、引っ越しを考えていたところではあったのだが。 N君もN君で、ワシントンDCから引っ越してきて、仮住まいをしていたような状態だったので、そろそろ落ち着きたかったのかもしれない。 そうは言っても、一人の男と屋根一つ下、朝晩顔を合わせて生活するとは、大きな覚悟と決断が必要である。 いつもの友人達に相談すると、 「あんた、サンフランシスコの住宅事情わかってんでしょ。二人で住んだら、家賃が半分で済むじゃないの! 一緒に引っ越すべきよ!」 「でも、あたし根暗だし、独り身が長かったから、一人で静かに本読んだりゲームしたり(エロサイトチェックしたり・・?)して過ごす時間が絶対に必要なのよぉぉ!」 「一緒に住み始めて、お互いの嫌なところが目について、別れるってパターンもあるものねぇ」 「でもさ、あんた仕事忙しいとかいって、家にほとんどいないし、N君も、水球やら水泳やらで年がら年中家にいる人じゃないし、なんとかなるんじゃない?」 ------------------- こんなご時世だからなかなかいい物件も出てこないだろうし、 「とりあえずいい物件あるか調べてみて、それから決めよう」 ということになったのだが、 いつも、ノリや勢いで行動するN君だから、 こういう時も、そこらのウェブサイトで適当な物件を見つけ出してきて、ささっと見学の予約をして、あっという間に契約完了となってしまったのである。 自分の優柔不断な態度や発言も悪いのだが、 "こんな勢いで同棲決め込んじゃっていいのかしら・・・。" と既に心は不安との闘いである。 家の賃貸契約以外にも、 - 家賃支払いのための共同名義の銀行口座を開...

この大空の虹になりたい 希望に届く虹になりたい  (2018)

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「サンフランシスコの街を歩けば、オカマにぶつかる」 とはよく言ったものだが、 毎年6月になると、世界中からオカマ達がわらわらと集まってきて、 いつも以上に街中が"オカマの坩堝"となる。(なんだか恐ろしい響きだわ・・・) そんなオカマだらけのサンフランシスコの中でも、特に右を向いても左を向いてもオカマだらけの「カストロ地区」は、ゲイのメッカと呼ばれていて、 物珍しさか怖いものみたさか、一般の観光バスが毎日のようにやってくる。 そんなカストロの通りを歩いてみると、 あちこちに"Harvey Milk"の名前や顔を見つけることができる。 彼は、40年前「カストロの市長」と呼ばれながら、サンフランシスコの市議に選ばれLGBTの権利に尽力し、 そしてその翌年、当時の市長とともに、彼は市庁舎で暗殺されたのだった。 それ以来、カストロの街は彼の意志を受け継ぎ、それを若い世代に伝えていく場所となっている。 --------------------------------- 人々や企業がダウンタウンに集まり、LGBTの権利を謳う6月末の「 サンフランシスコ プライド 」がメインのイベントとなるが、 その1か月くらい前から、街中の通りに虹色の旗が立てられ、 LGBTの映画祭 や AIDS LIFE CYCLE のようなチャリティ、その他各種イベントがあちこちで行われている。 近所に住む日本人ゲイ友達のK治やH太君は、プライドイベント当日のパレードに会社の同僚と参加して、虹色にデザインされた会社のロゴの入ったTシャツを着て、大通りを歩いたらしい! 自分も、パレードこそ参加しないものの、去年に続いて近所の友達を我が家に呼んで小さな「ピンクパーティ」を開いたり、映画祭でいくつか気になった映画を観に行ったりして、このプライド月間を楽しんだわ。 街中に虹色の旗がなびく! プライド前夜の「ピンクサタデー」は我が家で友人達と 皆でピンク色の服を着て、ピンク色のスパークリングワインと ピンク色と虹色のお菓子で乾杯だよ! 今年のLGBT映画祭には、日本から2作品が参加。 そのうちの一つが「彼らが本気で編むときは」。 在サンフランシスコ日本領事館がオフィ...