霧の港街の静かな元旦
明けましておめでとうございます。



こんなに静かな正月は久しぶりな気がしている。
高校を卒業し大学に入ってからは、ほぼ毎年年末年始はどこかに旅行していて、正月を家族と過ごした記憶がない。
社会人になってからもそれは続き、アメリカに来てからも、年末年始はエジプトだったり、ブラジルだったり、はたまた高野山だったりと、バタバタと過ごしてきた。
しかしこの正月は、この時世で特に何の予定もなく、家族や友人とも会えないので、朝から近所の丘に散歩に出かけたくらいである。
それはこの街に住む周りの友人も同じのようで、
「みんなお正月は何するの」
「今年はどこも行かないから、お節でも作ってみようかしら」
「うちは、元旦早々、ハンバーガー食べる予定!」
「やることなくて暇。紅白観たいんだけど、どこで観れる?」
などと年明け前から年明けまで、みなでどう籠り正月を過ごすかLINEでメッセージをやり合っていた。
我が家も、元々は年越しそばを茹でるくらいで、正月らしいものを準備する予定もなかったのだが、日本に帰れぬ寂しさからか、せめて気分だけでもお正月をと、年明け直前に駆け込みでサンフランシスコ唯一の日系スーパーマーケットであるニジヤに1時間ほど並んで、紅白蒲鉾やらかずのこやらを買い込んできたのだった。
若き頃、実家に住んでいた頃は、大晦日にもなる前から、母が台所にこもって長い時間をかけてお節の準備をしてくれていた。
この街に住む友人のM子ちゃんは、毎年高級デパートのお節を九州の実家に送ってあげているという。
そんな我が母のお節や、デパートの高級お節には到底及ばないけれど、スーパーの出来合のものを家にあった日本風の箱に詰めて、それだけじゃ腹もいっぱいにならんだろうと、冷蔵庫の残りもので煮物もどきを作ったならば、なんとなくお節っぽい雰囲気になったのであった。
近所の丘を歩いて、元旦の日光を浴びて小腹を空かせたら、そんなお節もどきをつまみながら、ご近所さんから頂いた日本酒で乾杯。
2021年も平穏に無事に過ごしていけますように。
上司からもらった柚子には蛸入れてみた。
N君作の蓮根の煮物はベーコン入りアメリカ風😅
久々に気持ちよく晴れた正月の朝
晴れた空が好きです(c)南野陽子
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