さらさらと 雨に追われるように花は散るらん

「こんまり、知ってる?」 

「こんまりのテレビ観た?」

と、最近アメリカ人の同僚や友達に聞かれるまで、彼女の存在を知らなかった自分である。

何のことかとグーグルしてみると、日本出身の"人生がときめく片づけの魔法"をかかげた、片づけコンサルタント、近藤麻理恵氏と書いてある。

挙句の果てに、社員に送られてくる会社の全体メールで、

「今週はオフィスをこんまりしましょう!」

と送られてきたり、

アカデミー賞に呼ばれた近藤氏がレッドカーペットに登場したならば、

「近藤麻理恵がただ今到着しました。参加者はレッドカーペットを散らかさないでください!

などと、アカデミーがツイートするほど、アメリカでは名の通った人のようなのである。

「ねぇ、こんまりって知ってた?」

と日本人の同僚女子に問うてみると、

「知ってる! Spark Joy (ときめき)を感じないものは断捨離しろって言ってる人でしょ?」

「やだ! そしたら、あたい、この仕事に一切Spark Joy感じないから、捨てるべき!?」

「やだ! そしたら、あたし、今の旦那に一切Spark Joy感じないから、捨てるべき!?」

確かに、自分の直感に任せて、Spark Joyの感じるものだけ求め、そうでないものは捨てていけたら、どんなに楽しい人生になるのかしらん。

とは言っても、昭和のオカマは、物事を簡単に捨てられないの!

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日曜の朝。

窓から外をみると、久しぶりに晴れ間がみえている。

"久しぶりの青空じゃないの。休日出勤はやめにして、今日はゆっくりしよ"

と、自分にそんな言い訳をして、今日は久しぶりにゆっくりすることにした。

しかし、家の中をみわたすと、仕事が忙しいのにかまけて、あちこちとっ散らかっている。

"いい加減、"こんまり"しないとね・・・”

と独り言ちながらも、重い腰をあげられずに、朝からソファーで酒をひっかけている。

ふと、ベランダをのぞいてみると、春の強い風の中、薄紅色の梅の花びらが舞う中に、去年の冬に上司からもらって植えておいたミョウガやシソの芽が出ているじゃないの!

思わず嬉しくなって、写真を撮りながら、久しぶりにSpark Joy(?)を感じていた自分だったのである。


誰にも 卒業(断捨離)できない恋がある
(C) 渡辺美里


ミョウガちゃん、元気に育っておくれ。



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