東京の空は 今日も高くすんでいる

「やっぱり、日本はいいね」

古くからの友と再会し食事をながら、思わず口にしてしまう。

人に優しい国。

人に優しい人がいっぱいいる国。

「えー、そんなに優しくないでしょ、日本なんて」

と日本に住む人は言うけれど、

そこから離れて住んでいると、

日本に帰る度に、日本がどれだけ優しい国か、

痛い程感じるのだ。



羽田空港で荷物を預けるロッカーがどこも使用中で、大荷物を抱えながら困っていた時に、空港の係員の女性が一緒になって走り回って空きを探してくれた。

十津川村でカレー屋さんに入るために狭い路地で駐車場を探していたら、わざわざ店から店員さんが出てきて、車を止めやすい場所を丁寧に教えてくれた。

何年かぶりに訪れた新宿のバーのマスターも、「サンフランシスコはどうですか」と、ちゃんと自分のことを覚えてくれている。

それに、天ぷら屋さんも、とんかつ屋さんも、すばらしい優しいサービスで、ご飯も味噌汁も(キャベツも)おかわり自由だもんなぁ!(これはちょっと違うけど・・・でも財布にも優しい!)

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それから、自分が日本に帰国するよ~と連絡すると、

中学時代の仲間達は、子育てが忙しい中、一緒に同級生の御墓参りに来てくれて、

人生の先輩でもある親友は、以前病気をして体が不自由になりながらも、一緒にランチに出てきてくれて、

来てるならみんなで集まろう!と当時サンフランシスコに住んでいた大阪の友人達とは同窓会して、

大学生時代から同じオカマ青春時代を過ごしたゲイ仲間とは、新宿2丁目の居酒屋で魚をつっつきながら人生&美容健康相談よ!

そして、アメリカに戻る日には、空港まで見送りに来てくれる家族。

「ほらあんた出発前に、いつもの弘明寺のお守り、買っておいたの渡したかったのよ~!」

と母。

「もう空港までの車の運転はくたびれるし、道に迷うから、京浜急行で来たんだよ~。間に合ってよかった~!」

と父。

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帰りの日本航空の機内に乗り込み、

席に座って、携帯のスクリーンで写真を眺めながら、

そんな日本での人々の優しさと笑顔を思い出していたら、

四十を過ぎて涙腺がますます弱くなったのか、

突然、涙が。

わー!

傍から見たら、中年オカマが一体どんなドラマやらかしたんだって、

ブスも甚だしいのだが。

すると、飲み物を配りにきたフライトアテンダントのお姉さんが、

スナックと一緒に、静かにそっと多めにナプキンを手渡してくれた。

その優しさがまた涙腺にきたのか、

また、涙が。

わー!

ほんとにいい歳した中年が、

恥ずかしくなって、

思わず耳にイヤホンを突っ込んで、

下を向いて寝たフリを決め込んだわよね。

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耳に聞こえてくるのは、ここ数日ずっとリピートして聞いていた、

小田和正の「東京の空」。



いちばん大切なのはその笑顔。
あの頃と同じ。

ありがとう!



コメント

JapanSFO さんの投稿…
これだけたくさんの素敵な人に囲まれているというのはSamuraiSFさんがとっても素敵な人だからなのでしょう。そしてのありがたさを素直に感謝できる心、本当に素晴らしいですね。感謝って言葉にしなくてもわかるかもしれないけれど、言葉に文字に残すことで本物実体を持った感謝になるのかなって思います。そしてその言葉がここに残ってそれを読むことができてとってもラッキーな気分です!
ふわり さんの投稿…
私まで涙が出てしまいました><
samurai sf さんのブログには、おそらく誰にでもあるであろう潜在的な意地の悪さとか自慢といった要素を一切感じたことがありません。なので、本当に良いご両親とご家族をお持ちになったんだろうなと思います。ヨイショじゃないですよ(死語でしょうか・・)。これからも、優しさに溢れたブログを楽しみにしています。
samurai sf さんの投稿…
温かいコメントをありがとうございます。相手に伝えようと思ってもなかなか直接伝えられない感謝の気持ちを、ここではきだしてみました 汗 若い頃は何でも永遠にあると思っていたものが、そうではないと気づいたときに、「今、ちゃんと感謝しておかなきゃ。次はないかもしれない」と思うようになったのかもしれませんね~。 
samurai sf さんの投稿…
ふわりさんありがとうございます! いえいえ、会社でも結構若い子たちをお局のように意地悪してる自分です(半分嘘です)。学生や20代だったころは親に感謝の気持ちなど思いもしませんでしたが、人間歳を取ると考え方も少しずつ変わってくるようで。それにしても最近よい天気が続きますね! ハナキンが待ち遠しいわ!(死語ですね)