イタリア - 世界遺産と「007」の町で洞窟に泊まる

コロナ禍に入ってから、映画館に行くことも滅多になくなった。

元々、地味な単館系の映画を好む自分としては、特に映画館に行かなくとも家のテレビで観れれば十分なので問題はない。

一方で、我が家のN君は、派手な、いわゆるハリウッド映画が好きなので、やはり映画は、映画館で観たいという。

そんな中、去年の今頃だっただろうか。

007/ジェームズボンドの最新作が劇場で公開されるということで、N君はどうしてもそれを映画館で観たいという。

確かに、007シリーズは、アクション映画に興味のない自分でも、世界各地の美しい風景をまるで旅をしてるかのように楽しめるので、毎回好んで観ている映画であった。

「それじゃぁ、人が少なそうな朝一番の回に観に行きましょう」

ということで、コロナ禍以来、初の劇場での映画鑑賞となったのであった。

その007最新作「No time to die」の舞台となった町が、南イタリアにあるということで、N君は、今回のイタリア・クロアチア旅行に、元々行く予定であった南イタリアのアマルフィーへ行く途中にあるところだし、どうしてもその映画に出てきた町を旅程に組み込みたいという。

自分はどちらかというと、一気にアマルフィまで行って、そこでゆっくり、細々とした移動なしで過ごしたかったのだが・・・。

あまりにもN君が推すので調べてみると、そこは洞窟住居で知られる世界遺産の町だという。

確かに、以前TBSの「世界遺産」でも見たことがある町のようだ。

"確かに今回行かなかったら、もう今世では訪れるチャンスもないかもしれない…”

ということで、南イタリア「マテーラ」へ、行くこととなったのでした。

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クロアチアのドゥブロブニクからの夜行船で、イタリアの港街バーリに早朝に着いたら、レンタカーで古いフィアットを借り、世界遺産の町、マテーラへ向けて出発である。

「マテーラに行く途中に、石積み屋根で有名な、アルベルベッロって街もあるから、行きたい!」

と、突然これまた欲張りなN君が言い出したが、慣れない船室でほとんど眠れなかった自分は、もはや抗わずに、N君の言うがままに従うことにする。


アルベルベッロの街が一望できるテラスで、
とりあえず一杯引っ掛けるあたし


円柱の白い建物に石を積み上げられて作られた屋根の家々は、
トゥルッロ群とよばれ、こちらも世界遺産に登録されているとのこと。
(Wikipediaより)

小さな街でレストランも閉まっているところが多かったので、
「地球の歩き方」頼りで行ったレストラン。
地元名物のソースのパスタが美味かった。
(このままイタリアいたら、無限に太り続けるわよね)

アルベルベッロで地元のイタリア料理屋でランチを食べたら、今度こそ、今日の目的地マテーラへ向けて出発だ。

1時間ほど西へ車を走らせると、映画で見たような古い洞穴が多く見られる岩山が姿をあらわした。

マテーラの宿泊施設の多くは、この洞窟を改装してホテルにしているところが多く、洞窟風の部屋に泊まれると言うのも、旅行客の楽しみの1つだと言う。

それならば、我々もせっかくなので、とそんな洞窟の部屋に泊まれるホテルを事前に探していたのだが、直前に決めたこの旅である。人気と言われるホテルはどこも満室である。

それでも、なんとか、洞窟風のホテルを見つけ、今夜はそこに滞在することとなった。


小さな街だが、迷路のように小道が入り組んでいて、
歩いていても面白い。


ジェームズボンドが川へ飛び込んだ橋は、
思ったよりもこじんまりとしていて、
上半身裸のお兄さんがランニング中。
(マテーラから30分ほど行ったところの街でした)

ホテルの地下は、当時の洞穴をそのまま保管しているという。


ホテルの部屋の鍵も、なんだかそれっぽい。


洞窟にしては、小綺麗な部屋内である。
(綺麗すぎてガッカリするのも、どうなの・・・)


バスルームの方が洞窟感があるか。
(写真撮り忘れたので、ホテルのサイトから拝借しました)

「ちょっとお腹の調子が悪いかも?」

ホテルのコンシェルジュに頼んでおいた、ディナーの予約の時間が近づいた頃に、N君は突然体の不調を訴え出した。

元々腹を壊しやすい自分は、十分用心していたのだが、N君はそんなの気にもせずに町の通りにある水道水をガブガブ飲んでいたから、それが当たったのかもしれない・・・。

結局N君は予約をしてもらっていたレストランに行っても、ほとんど食べることもできず、夜景が美しいと言われるマテーラの街を楽しむこともできずに、洞窟の部屋で早々寝ることに。

しょうがないので、自分は1人、夏の夜風に吹かれながら、マテーラの静かな夜の町をぶらぶらと歩きながら過ごしたのだった・・・。

美しいマテーラの街を眺めながら、
ジェームズボンドを想う。
(映画内に出てきたホテルはセットで、実在しないそうです・・・)


コメント

Giro さんの投稿…
やっぱりイタリアは良いですね~ 食べ物も美味しいし、景色が美しい。

ヨーロッパの水は硬度が高いと言われているのでそれにやられたのかもしれないですね。
その土地の薬を飲むのが一番効くと言われてます。大事に至らなければいいのですが・・・。
samurai sf さんの投稿…
Giroさん

こんにちは。本当、イタリア、大好きです。食べ物、景色、そして陽気な男たちも(笑)。

確かに硬度のせいで、やられちゃったかもしれません。その日はレストランのトイレに篭って居ましたが、次の日には元気に復活していたので、ホッとしました。

Giroさんこの冬は一時帰国はされずに、別荘でクリスマスを過ごされるとのこと。
どうぞペピートさんと素敵な冬をお過ごしください。