イタリア - 古代ローマの男たちに想いを馳せる

ローマの古い静かな通りに面したAirbnbの宿に到着したのは、予定を大幅に遅れた夜中の12時過ぎだった。

航空機に遅れが出て、ドイツのフランクフルトでの乗り継ぎに間に合わなかったのである。

若い頃であったならば、

”予定では初日にスペイン階段で、ジェラート食べる予定だったのに!”

などと、イライラと機嫌を損ねていただろうが、今では、

”まぁ、しょうがない。これも運命なのだわ”

と、自分の気持ちに折り合いをつけられるようになったのも、歳をとった証拠か。

今回、ローマの滞在を決めたのは、我が家のN君がクロアチアのドゥブロブニクに行きたいということで、ローマからドゥブロブニクへの直行便が出ているからなのだった。

自分もN君も、ローマへは20年ほど前に訪れたことがあるから、特にこれといってどうしても訪れたい街ではなかったのだが、それから20年経って改めて訪れたローマは、やっぱりすごかった。

ローマは、「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」として、ユネスコの世界遺産として登録されているくらいで (Wikipedia情報)、街をぶらりと歩いていると、あちこちにそんな歴史的建築物と遭遇することになる。

元々、TBSの番組「世界遺産」が好きで、20代の頃は、日曜の夜遅くに次の日からまた仕事であることを思うと、鬱々としていたところを、その番組を見て、世界遺産のロマンに触れて、そんなどんよりした気分を紛らわしていたくらいの自分である。

年甲斐もなく、20年前の自分と変わらず、そんな美しい世界遺産を見ては写真を撮りまくるというはしゃぎようだったわよね(恥)。

特に素晴らしかったのは、ベタではあるのだが、やはりバチカン美術館にあるシスティーナ礼拝堂とコロッセオだろうか。

システィーナ礼拝堂のベンチに座り、ミケランジェロの「アダムの創造」や「最後の審判」をはじめとした、美術や世界史の教科書に載っているような名作を目の当たりにしていたら、周りの観光客の喧騒も忘れ、あっという間に30分くらい経ってたわよね。(20年前に訪れた時は、大して感動もしなかったのだが、これも歳をとった証拠!?)

コロッセオも、2000年程も前に作られたこの巨大建造物が、今だこうやって姿を残していて、当時の歴史を我々に伝えてくれていることに感動しつつ、ふとだいぶ前に読んだ、我らが田亀源五郎大先生のコロッセオを舞台にした、ゲイ漫画を思い出しては、当時の剣闘士の男たちに想いを馳せたり。

そんな観光地巡りに疲れたら、コロッセオから徒歩1分程度のところにあるゲイバーで、コロッセオを眺めながら、イタリア名物のカクテル「スプリッツ」を飲んで、休憩することにする。(若い頃、よく好んで飲んでいた”カンパリ"もイタリアでは定番メニューで、懐かしくて思わず飲みすぎたわ・・・)

バチカン美術館は、早朝からすでに長い列。
同じくこの間ローマを旅行されていた、JapanSFOさんの情報で
チケットを事前購入していたので、並ばずに入館できました。
(SFOさん、ありがとうございます!)


スマホの写真を見返してみると、
美しい女性像よりも、裸の男たちの写真ばかり。
(ゲイの性・・・)
肝心のシスティナ大聖堂は、写真撮影厳禁なので脳裏に焼き付ける。


バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂は、ショートパンツやノースリーブが厳禁。
(20年前は、それで入場を拒否されて、出直したのよ・・・)
今回は、大汗かきながら、ボタンダウンのシャツにジーンズで無事入堂。


ローマはもう前にも来たから、観光地巡りは、しなくていいよね、
と言いながら、結局、スペイン階段でジェラートを頬張って
ヘプバーン気取り(オカマ!)。



コロッセオも、前もってネットで入場券を購入していたので、並ばず入場。
ここで命をかけて戦った男たちのドラマに想いを馳せる。
あたしも、前世にここで戦ったような錯覚(ちゃうw)


観光地巡りをしていたら、足の裏に水膨れができるほど。
疲れたら、コロッセオを背景に水分補給よ。


ローマの街は、観光地めぐりも楽しいが、目的地もなくぶらぶら歩くのも良い。

村上春樹の本は、あまり読まないが、以前たまたま手に取った「遠い太鼓」という彼の旅のエッセーが、ローマを拠点にしたもので、そんな彼のエッセーも、ただローマの街をぶらぶらと歩き、偶然見かけた公園でゆっくりと過ごすものだった。

あっという間のローマでの3日間。

次は、クロアチア、ドゥブロブニクだ。


テベレ川沿いをぼんやり歩いていたら、
歩き回って汗だくの体も涼しくなる。


ローマ歴史地区から川を越えたトラステベレ地区で見かけた
「時間」をテーマにした店。
親孝行息子のN君は、お父さんにお土産を購入。


ローマに住んでいたことがあるというN君の同僚のおすすめの店では、
目の前で、手作りパスタの実演を見ることができる。
ローマ名物の「カチョエ・ペペ」と「カルボナーラ」を食す。
ダイエットはサンフランシスコに帰ってから、と開き直ったわよね。


続く。




コメント

JapanSFO さんの投稿…
素敵な旅になったようですね。
歳をとると若い頃とは違う感覚で心も時間も流れるようで、年を取ったなりの楽しみ方ができますよね。
最近のニュースでヨーロッパが暑さとフライトの混乱ですごいことになっていると聞きますから、お互いいい時に旅行ができましたね。
続きも楽しみにしていますのでぜひまた綴ってください~お願いいたします。
samurai sf さんの投稿…
Japan SFOさん

旅行の後の、仕事に戻らなければいけない絶望感は、半端ないですが、旅行先で撮った写真を観て、その瞬間を思い出して現実逃避しています。空港でも色々とすったもんだがありましたが、Japan SFOさんのブログでの投稿のおかげで、スムーズに旅行することができました。ありがとうございます。

Dさんのお父様がお亡くなりになったと、ブログで読みました。色々と大変な時かと思いますが、SFOさんもDさんも、どうぞご自愛ください。