潮騒のふたり

晴れた金曜の午後。

仕事を早めに切り上げて、近所に住む会社の後輩君と散歩に出かけた。

だいぶ暖かい日が続いたからか、桜(あるいは梅か?)の花がちらほら咲いている木もあって、サンフランシスコの街にも春が近づいているのを感じる冬の午後である。

散歩の途中、ゲイが多く集まるバーが並ぶカストロストリートを通ると、まだ早い時間だったのだが、すでに多くの人で賑わっていた。

中には酔っ払って羽目を外して(マスクも外して!)、騒いでいる若い輩もいる。

先週から自粛生活が少し緩和され、また屋外でのレストラン営業が再開されたものの、自分はまだマスクを外して、友人や同僚と飲み食いするのは控えている。

後輩君とも、

「こんな状態じゃ、まだまだ危ないよね。」

と人混みを避けながら、歩いたのだった。

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週末も仕事がなければ、散歩以外は、大抵読書かテレビゲームか、あるいはピアノか、とにかく(酒を片手に)家に引きこもっている。

読書といえば、最近ついに(禁断の)BLマンガにはまり始めた自分である。

「あんた、まさかBL漫画に手を出すとはね?」

「どんだけ引きこもりで暇だったの?」

などと、オカマ仲間からは突っ込まれる始末である(やれやれ)。

自分の若い頃には、BL(boys love?)などと洒落た呼び名ではなく、やおい(マなしチなし、味なし)と呼ばれてたよな。

キラキラした男の子たちが出てくる少女漫画という認識で、自分のようなリアルゲイの中年のおっさんが読むようなものではないと、今まで自分から購入して読むことはなかったのだが。

きっかけは、東京に住んでいた頃に、時々お邪魔していた渋谷のバーのマスターである。

彼がインスタで「潮騒のふたり」という漫画をおすすめしているのをたまたま見たところ、絵柄もキラキラしてないし、主役が30代のおっさん2人だし、舞台が1994年とかでポケベルとかラジカセとか出てくるのが懐かしいし、と、気がつけばAmazonでダウンロード購入していた。

物語は、まだLGBTという言葉もなく、現在ほどゲイということを大っぴらにできなかった時代の教師2人の物語で、昭和の匂いのまだ残る平成初期の空気感が懐かしく、あっという間に読了。

最後は思わず感情移入して、ホロリとするところだったわよ!


BL漫画ということで、際どいシーンは何度と出てくるから、万人にはおすすめできぬが、BL漫画だからと、馬鹿にできない一冊だったのである。


思わずそのマスターに、


「他にもおすすめのBLあったら、教えてくださいっっっ!」


なんてメッセージ送ったわよね...。

https://drive.google.com/uc?export=view&id=1RLwYpdYRr9VkEJ4-9L2NN1KYJUt6AyuO
関西弁を喋る男たちが、またいいのよ~(なんのこっちゃ)。
(C) KADOKAWA



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