クロアチア〜イタリア - 夜行船の旅
ドゥブロブニクでの4日間という短い滞在の日々。 その小さな街をあてもなく散歩したり、近くにある無人島で泳いだり(ゲイの集まるヌーディストビーチもあったわ!)、旧市街にあるワインバーでクロアチアワインのテイスティングをしたり、エメラルド色のアドリア海を眺めながら夕焼けを眺めたり、としているうちに、あっという間にイタリアへ戻る日がやってきた。 この街にある港から、アドリア海の対岸にあるイタリアのバーリという街まで、夜行船で向かうのである。 ホテルの主の陽気なおばちゃんにそう伝えると、港まで車を出してくれるという。 夕方、英語を話さないおじさんの車に乗り込み、窓から夕暮れ時の美しいドゥブロブニクの街とアドリア海を眺めながら、おセンチな気分(昭和!)に浸っていたら、あっという間に港に到着した。 船に乗り込む前に、ゲートの出国検査でパスポートを手渡すと、船の印のついたスタンプを押してもらう。 EU間ではパスポートの提示は必要ないと思っていたのだが、それはあくまで「シェンゲン協定」と呼ばれる協定を結んだ国の間のみで、クロアチアはその協定に参加していないのだった。(そういえば、通貨もユーロじゃなくて、クーナだったわ。) 船に乗り込み、ホテルのフロントのようなところで部屋の鍵を受け取り、荷物を片手に、迷路のような船の中をやっとのことで、我らの部屋のドアを見つけることができた。 部屋は、まぁ期待はしていなかったけど、以前ポルトガルースペイン間を夜行列車で渡った時の部屋以上に、狭い部屋だったわよね。 それでも、どうしても船でアドリア海を渡りたいと主張していた我が家のN君の手前、まぁ、シャワーもトイレも付いているし、と文句は言わないでおくことにする。 そんなN君は、テレビで中継されている水球大会の試合が見たいというので(クロアチアは水球で有名らしい)、自分は彼を置いて甲板に出て、船が出発するまでの間、クロアチアのビールを片手にクロアチアの薄紫色に染まった港街を眺めることに。 最後に、こうやって船に寝泊まりして旅したのは、いつだったかと思い返してみると、それはもう自分が小学生くらいだった頃に、父に連れられて、神戸からかあるいは鹿児島からだったか、父の実家のある奄美群島へ向かう船の旅だったことを、思い出す。 そんなことを考えていると、船は出発の汽笛を鳴らし港を離れていった。 あっという間に、...