投稿

12月, 2021の投稿を表示しています

明日へ

イメージ
今年の年末は、温泉宿にでも泊まって、静かに年を越したいなぁ、など考えていた。 サンフランシスコから南に3時間半程行ったところにある、シカモア温泉という硫黄の強い温泉宿を、近所に住む友人や、 ブログをやっている方 が以前紹介していたのを思い出したのである。 このご時世で日本には帰れなくとも、カリフォルニアの温泉の湯けむりの中で、年を越すのも良いじゃないの。 しかし、年末の仕事のスケジュールの目途が立たず、宿の予約を後回しにしていたら、その温泉宿はすでに満室になってしまっていたのだった。 ならば、以前何度か訪れた、サンフランシスコから北に2時間ほど行ったところにある、温泉街のカリストガにしようと、いくつか目ぼしい温泉の出る宿を当たってみる。 だが、どこの宿も満室で、結局、先月オープンしたばかりだという街の外れのホテルが空いていたので、そこに一泊だけすることとなった。 天気予報では、雨模様だったが ホテルに着くころには、青空に。 雨の後の空気が気持ちよい。 温水プールからは湯けむり。 部屋のテラスからは、ぶどう畑がみえる。 プールで泳いだ後は、温泉にで温まりましょ、と思ったら、 ここのホテルは温泉が出てないことが発覚・・・ (前もって確認しなかった自分が悪い) カリストガに向かう途中のナパにて 古代ペルシャをテーマにしたDarioushワイナリー で 一杯ひっかける。 大晦日イブのディナーは、ホテルから15分ほどのところにある Press Restaurant という店で。 前菜のタコも主菜の白身魚も美味かった。 (最近、外食でどこでも味がしょっぱく感じるのは、 高血圧防止で塩分を控えてるからかしらん・・・) ーーーーーーーー 大晦日の朝。 一足先に年を越した日本の家族や友人から、年始の挨拶が届き始めた。 昨年同様、軽井沢に住む友人からは、紅白歌合戦で薬師丸ひろ子が「Wの悲劇」のテーマを歌う姿やらラスボスMISIAが「明日へ」を歌う姿やらが送られてきた。 "2021年も色々ありがとう。" "2022年もどうぞ宜しく。" 家族へ友人へ、直接会えなくとも、そんな気持ちを込めて、LINEでメッセージを送るのだった。

きのう何食べた?

イメージ
先月、漫画「きのう何食べた?」の最新刊が発売されたというので、今回は紀伊國屋書店のオンラインショップで注文したのだが、1か月以上経って忘れたころに、やっと届いたのだった。 この漫画は、弁護士のシロさんと美容師のケンジの中年ゲイカップルの物語で、一般青年誌で連載が開始されてから、かれこれ15年近く続いている。 自分もだいぶ前に、日本の母から送られてきた荷物の中に、食料品に混じって入っていたのがきっかけで読み始め、それから毎回新刊が出るのを楽しみにしているのだ。 そんなゲイ(ましてやおっさんのゲイ)が主人公の物語が、一般誌で十何年も連載し、一般向け映画として公開されてるくらいまで、世間に受け入れられるとは、時代も変わったものである。 自分が日本に住んでいた、まだうら若き乙女(?)だった頃は、ゲイが主人公の漫画なぞ、せいぜい「さぶ」やら「薔薇族」といったゲイ雑誌か、やおい(BL?)雑誌で、こそこそ読むくらいしかできなかったわよね…。 連載当初、今の自分と同い年くらいだった シロさんやケンジも、今や50半ばのおっさんである。 しかし、おっさんなのに可愛いカップルだな。 映画版、観てみたいな~。 (C) 東宝 50過ぎても、見た目も美しく、仕事もそこそこ頑張って、家ではパートナー(ケンジ)のために日々料理をする、そんなシロさんをひそかに目標としている自分である。 しかし、実際は、40半ばにして既にめっきり老け込み、料理も苦手意識があるせいか、毎晩キッチンに立つことなどないのが現状・・・。 つい数日前のクリスマスのディナーも、我が家のN君が、N君の実家で家族皆に「 ビーフ・ウェリントン 」なる、なんだかすごそうな料理を披露するというものだから、せめて自分も何か手伝おうと横で野菜を切っていたら、 「あ~ら、珍しい! 包丁持つ手もなんだか危なっかしいわね~」 などと、後ろで見ていたN君のお母さんに、嫌味を言われてしまう始末である(コワイヨ~)。 来年は、理想のシロさんに近づけるように、ジムにちゃんと通って若々しく、料理ももうちょい頑張りますかね・・・。 N君作・クリスマスディナー なんか肉がパイ生地につつまってるような、すげーやつ出てきたよ。 自分が最近やった料理といえば、蕎麦ゆでてネギ乗っけただけのやつ。 後ろの餃子は、トレーダージョーズの冷凍モノです・・・。 (それでも自分で写

真実の先を知りたくないか

イメージ
土曜日の朝。 我が家から、歩いて十数分のところにある映画館に、俳優キアヌ・リーブス本人がやってくるというので、ジムに行くついでに、ちょろっと覗いてみることに。 どうやら、彼の新作映画「マトリックス・レザレクションズ」のUSプレミアが行われるらしいのだ。 母と妹は昔から彼の大ファンで、彼の映画は何度も観ているらしいが、自分は、彼が若かった頃の「マイ・プライベート・アイダホ」や「スピード」、あるいはマトリックスも1作目しか観てない程度で、大して興味がないのが、正直なところである。 しかし、こんな近所に来ているのなら、うっかりキアヌ本人と遭遇する可能性が無きにしも非ず。 母と妹へのサインを貰うことは無理だとしても、せめて写真くらい撮って送ったら、母も妹も喜ぶことだろう。 劇場のあるカストロ通りに入ると、すでに朝から通行止め。 レッドカーペットならぬ、グリーンカーペットが敷かれている。 準備をしているお兄さんに聞くと、俳優たちが劇場入りするのは夜だという。 早々来すぎたわ・・・(失笑)。 コロナ対策も万全のよう。 結局、キアヌがやってくるのは、夕方ということなので、あとで出直すことに(あたしゃ、暇か)。 我が家のN君にも、キアヌ・リーブスが近所に来ることを知らせると、彼は「マトリックス」の大ファンで、過去作も全部観たらしく、 「第1作が一番好き。高校の時、何度も観た。」 と言う。 はて、自分が1作目を観たのはいつだったかと調べてみると、1999年の作品ということだから、東京で大学生をしていたころだったか。 こういうところで、いつもN君との年齢差を感じるのよね・・・。 夜になると、サンフランシスコ市庁舎もマトリックス色に。 ここに日本から母と妹を呼んで結婚式をあげたのも、もう2年近く前の話だ。 シンフォニーホールも、今夜は緑。 最新作の舞台がサンフランシスコというから、市も総出でPRである。 お祭り好きのN君は、水球チームのクリスマスパーティの プレゼント交換でもらったという電飾付きの靴を履いて来た。 (好きよね・・・) さて、朝訪れた、映画館のある通りに入りと、すでに大勢の人だかりができて、待てどもキアヌが現れない。 「ヘドウィグ」のニール・パトリック・ハリスや、「アナ雪」のジョナサン・グロフ(どちらもゲイよね...)等が続々と黒塗りのリムジンから現れたが、あたしの目的はキ

色褪せた いつかのメリークリスマス

イメージ
サンフランシスコは、珍しく雨の日が続いている。 晴れているならば、運動を兼ねてと、近所の家々のクリスマスツリーやら家の電飾を観ながら散歩にでも行くのだが。 結局、家にこもりながらも、せめてホリデー気分に浸ろうとクリスマスめいた曲をかけてみる。 「なんで、日本のクリスマスの曲は、悲しい歌が多いの?」 と、我が家のN君が問う。 アメリカ人のN君は、彼が日本に住んでいた頃よく聴いた、B'zの「いつかのメリークリスマス」が好きだというが、改めてその歌詞を読むと確かにもの哀しい。 山下達郎の「クリスマス・イブ」も、"ひとりきりのクリスマスイブ”を歌っているし、辛島美登里の「サイレント・イヴ」に至っては、悲しいどころかちょっと怖いくらいだわよね・・・。 とは言え、おマラ姐さん(マライアキャリー)の例の曲よりかは、やはり日本のしっとりしたクリスマスソングが好きな昭和のオカマなので、そんな"哀しい曲”たちをリピートして家の中で流している。 ——————————— 結局この年末も、コロナ禍で日本にも帰れず、引きこもりの年末年始になりそうなので、せめて家の中だけでも盛り上げましょと、生のツリーを買ってきて、飾り付けた。 街の外れの ボランティア団体 がやっているクリスマスツリー屋で購入。 (マッチョなお兄さん達がいっぱいで、ムフフ。) 年が明けると、市がちゃんとリサイクルしてくれるらしい。 そんなツリーが反射する窓の外を眺めながら、安物のワインを開け、物思いにふける。 子供の頃は、冬休みが始まると同時に、クリスマスがやってきて、前々から親に”サンタクロースに伝えておいてもらった”プレゼントが、朝目を覚ますと、枕元に置いてあった。 プレゼントに添えられてあったカードも、今思えば明らかに母の筆跡だったのだが、その時はそれでもサンタクロースを信じていたのだ。 窓に映るツリーに目を戻すと、あの日本の包装紙の独特の匂いを思い出し、突然長いこと会っていない日本の家族が恋しくなったわ。 一方で、今やクリスマスは楽しみどころか、正直ストレスである。 アメリカの家族は、どこの家もそうなのかしらぬが、プレゼントを遠くに住む人には前もって郵送したり、当日集まる人々には幾つも小さなギフトを買って包装紙に包んだり。クリスマスカードも、年末の混む郵便事情を考慮して、早めに書いて投函せね

砂漠へ

イメージ
例年、サンクスギビングの連休は、N君家族の集まりで、七面鳥を焼いたり皆でパズルをしたりと、なんともアメリカらしい休日を過ごすのだが、今年は諸事情で家族でのサンクスギビングはキャンセルとなった。 さて、家族での集まりがないとなると、まるまる4連休することがない。 「K枝ちゃん、あんたサンクスギビング休暇は、何するの?」 と近所に住むゲイ仲間のK枝に問うと、 「パームスプリングスの友達んとこ、行ってくるわ!」 と答えが返ってきた。 同じく近所に住むアメリカ人の友人E子や、LAに住む”いい男カップル”のA子やM君にも聞いてみると、皆口を揃えて、 「パームスプリングス!」 と言うではないの。 “確かにサンフランシスコは寒いし、どこかあったかいところ行くにもハワイやメキシコは遠いし…. パームスプリングスなら、同じカリフォルニア内で近いし、いいかも…” と友人達の予定に勝手に乗っかろうとる自分である。 そこに、その昔、中森明菜がSand Beige〜と歌っていたのが(あれはサハラ砂漠か)、突然脳内再生しだし、 “もうこれも何かのご縁、あるいは運命なんだわ!?” と、我らも急遽この連休は、砂漠の街パームスプリングスで過ごすこととなったのだった。 サンフランシスコから1時間半ほどのフライトで 窓の外にはパームスプリングの砂漠と風車群が見えてくる 砂漠の中に突如現れるこの小さな街は、一年中暖かいということもあり-夏は外に出れないほど暑くなるようだが-、ゲイやレズビアンの人々の老後の生活拠点としても人気である。 自分の会社のゲイの元上司も、60歳を前に早期退職すると同時にサンフランシスコから、パームスプリングスへの引越しを決めていた。 今年の夏に、パームスプリングス~デスバレーと旅行をしたという、近所に住む年下ゲイのH君は、 「パームスプリングスは、ほんと! ジジイしかいなかったわ!」 などと嘆いていたが、実際にこうやって街を歩いてみると、朝から中高年のゲイのおっさんやレズビアンのおばちゃん達が、街角で楽しそうに仲間達とコーヒーを飲んでいたりする。 まだ外の明るい夕刻に、ダウンタウンの飲み屋に向かうと、H君の言う通り、自分よりもだいぶ年上のゲイの"ジジイ"達が、みな楽しそうに夕暮れ時のカクテルを楽しんでいた。 家族とも離れて暮らし、子供もいない我々ゲイにとって、同