投稿

8月, 2016の投稿を表示しています

ありがとうって言ったら永遠にさよならになる

イメージ
台風が3つも関東地方を直撃しているというのに、その日 は朝から夏の青空だった。 ---------------------- 祖父の三回忌で、二泊三日の弾丸帰国。 職場の大ボスは「遥々日本まで行くのだから、もう少し休みを取ればいいのに」と言ってはくれるが、この繁忙期に仕事が遅れて、あとで痛い目にあうのは自分だ。 仏教の年忌の概念を知る人もいない職場で、皆が夜遅くまで残業してる中、この時期に休みを取るだけでも、ちと後ろめたい。 ----------------------- 霊園の祖父と祖母が眠る墓の前で、親戚一同が集まり、一人一人が祖父に挨拶をし、お坊さんの説教を聞く。 昨日の台風の大雨が信じられない程の日差しの強い気候で、黒いスーツは汗だくだ。 隣にいた甥っ子は「お坊さんの話、いらなくない?」と率直な感想をこぼす。こら〜!そんなこと言わないの!と甥っ子を諭しながらも内心頷くあたい(バチあたり!)。 無事に式を終え霊園近くの寿司屋で食事。 会の終わりに、お供えしてあった祖父の好物だった文明堂のどら焼きを親戚みんなで分けて、解散となった。 ------------------------ 翌日は朝から大雨。 成田に向かう前に念のためネットで運航状況をチェックすると、夕方発のアメリカ便のほとんどが欠航って!!! 速攻で日本航空に電話するも、回線がパンク状態で繋がらない! やっと繋がり、サンフランシスコでもロサンゼルスでも、大阪経由でもなんでもいいから、アメリカに帰らせて頂戴〜!と頼み込むも、今日も明日ももう席はないという。 「昨日の突然の晴れ間といい、あんたの飛行機のキャンセルといい、おじいちゃんの仕業かもね」 母が朝ごはんを準備しながらポツリと言った。 ----------------------- そういえばと、 最期に祖父に会った日、別れ際に言われた言葉を思い出す。 「仕事大変だろうけど、健康が大事なんだから、休み休みやればいいんだよ」 ちょうど慣れない仕事が続いていた時で、心も身体も疲れきっていた時だったから、祖父のその言葉を聞いた帰りのバスで思わず女優泣きした自分(オカマ)。 だからその日の祖父が言

ぼくらはきっと幸せになるために生まれてきたんだって 思う日があってもいいんだよね

イメージ
「えーん、もう学校行きたくないよ~」 「どしたの! またいじめられたか?」 「オカマっていわれた~」 「またか!」 幼稚園でも男子とボール遊びをするのではなく、女子とお医者さんごっこをし、小学校に入っても好きなテレビは「魔法の天使クリィミーマミ」。クリスマスプレゼントに頼んだのは、ダイナマンの変身セットではなく、シルバニアファミリーの木のおうち、だった。(ちなみに妹がダイナマンのセット頼んでたわ・・) そりゃあ、学校でオカマあつかいされるだろうよ・・・。 学校でいじめられて、泣きながら帰ると、母は「そんなことでなくんでないの!今度いじめられたら、母ちゃんがいじめっ子のところ行ってきたるから!」と言う。 またいじめられるから絶対やめて~!と口では言いながらも、母のその言葉がどれだけ心強かったか。 結局一度も母はいじめっ子のところへ抗議に行くこともなかったけれど、そのうち仲のよい友達も出来て、いじめられることもなくなった。 今じゃ、あの頃を、こうやってネタにして笑っていられるし、懐かしいとさえも思える。 ------------------------------------- 一橋大の大学院生が、友達にゲイだとばらされ、苦悩の末、自殺したという。 ネットでその ニュース を見たとき、心が痛かった。 ニュースの文面からでは彼の友達がどういう経緯でそういう行為に出たのか分からないし、大学側に非があるかどうかも分からないけれど。 でも彼が心に深い傷を負って、立ち上がりたくても立ち上がれない程に苦しい思いをしていたことを思うと、涙が止まらなかった。 ------------------------------------ 何のご縁か、今サンフランシスコに住んでいる自分。 ゲイのメッカとも呼ばれるこの街。朝の通勤中も、たくさんお仲間(ゲイ)を見かける。 自分と同じようにスーツを着て会社勤めをするおっさん。 ぴっちぴちの派手なタンクトップを着て朝から海沿いを走っている若者。 専業主夫になってベビーカーを引いているパパさん。 駅のホームで、朝から大喧嘩してるレズビアンカップル。 学校をサボっているのか朝からカストロで酒をひっかけている学生たち・・・。 みなそれぞれに、ストレートの人となんら変わらず、楽しいこ

スワンの涙

イメージ
平日の昼飯といえば、大抵オフィスのビル内にあるサラダやスープで済ませるか、せいぜい会社近くの日本の惣菜屋さんで弁当を買ったりする程度。 東京でサラリーマン(OL?)をしていた頃に比べたら、チョイスが少な過ぎる(しかもやたら高い!ランチに1500円とか2000円ってどんだけよ)。 なので、仕事が立て込んでいない時は、上司と中華街まで遠出して安い飲茶に行ったり、平日休みの友達と日本街まで繰り出したりするのだが、今日は街中にある前から行きたかったシーフードの店に行って来た! Swan Oyster Depot 1517 Polk St, San Francisco, CA 94109 料理人のアンソニー・ボーディン氏曰く、 「死ぬときはスワンのカウンターで死にたい」とか 「サンフランシスコでスワンのシーフード知らないやつはモグリ」だそうだが(ほんとかいな)、十数年この街に住んでて一度も行ったことがなかった自分である。 週末に行くと2時間くらい待たされる と聞いていたので敬遠していたのだが、さすがに平日の昼間11時に行くと (朝から全然仕事してないわよね) 、並んでるのは数人だけ。 「R」がつく月じゃないからちょっと食虫毒が心配だが、、、食っちゃう。 色んな生牡蠣($1オイスター )食ってきたけど、ここのはうんめ~! シチリア風刺身。長靴いっぱい食いたいよ (C)ナウシカ 店のオヤジさん「兄ちゃんは刺身、箸で食うかい?」って。 カウンター席だけの小さな店だけど、1912年から同じ場所で続いているという。 生牡蠣に刺身、海老と蟹のサラダも食ったら、腹いっぱい。うみゃいもん食うと心も元気になるね。 また、心が折れそうな時は(仕事さぼって)来るわ! --------------------------------------------------------- オリンピックは、引き続き早起きして観ている。 週末の朝はシンクロナイズドスイミングの予選だった。前回の競泳、水球、飛び込みも好きだが、シンクロも美しい選手の女優めいた演技と音楽と衣装を見るのが楽しい。 とは言っても、シンクロと言って思い出すのは、せいぜい、青春オーロラスピン「スワンの涙」 (C)宮沢りえ

何をゴールに決めて 何を犠牲にしたの

イメージ
ここ数日、毎朝5時に起きる生活が続いている。 それはもちろん仕事のためでもなく、家のことのためでもない。 それは美しい男たちをテレビで見るため…!(むふふ) オリンピックの季節。 朝だけじゃなく、仕事中も社内の若いスタッフに混ざって、スクリーンに釘付けになってる自分。 サッカーも、ラグビーも、体操もいいけれど、やっぱり気になるのが、水系競技。水泳、水球、飛び込み。水に濡れた鍛え上げられた男たちの体!たまらんがな!(むふふ) 単なるエロオカマだわよ。 男子200Mバタフライ決勝に臨む、 マイケル・フェルプス選手(アメリカ) 僅差でフェルプスに及ばなかった坂井聖人選手。 でも銀メダル獲得。おめでとう! 飛び込みのかわい子ちゃん、 トム・デイリー選手(イギリス)。 オカマの間じゃ有名だわな。 彼のパートナーが、映画「ミルク」脚本の ダスティン・ランス・ブラックって。20歳以上離れてるわよ? 水球ギリシャ戦は1点差で負けたけれど、いい試合だった。 保田賢也選手もいいけれど、ゴールキーパーの棚村克行選手が クールでカッチョ! -------------------------- 日本にいた頃、よくお世話になっていた大学の先輩も水球の選手だった。 彼はもう亡くなってしまったけど、よく車を運転しながらユーミンの「ノーサイド」をかけながら、練習の話をしてくれたのを思い出した。(「ノーサイド」はラグビーの歌だったけどね) 今も縁があって時々サンフランシスコの地元の水球チームの試合を観に行く。 元々それほどスポーツに興味があるわけでもないけれど(典型的なオカマ…)、この舞台に立つために、試合に勝つために、自分では想像もつかないような日々の努力をしてきたであろう彼らの、汗に濡れた身体と真剣な眼差しを見ているだけで、こっちも「あーもう疲れたわー」とかヤワなこと言ってないで、ちょっとは頑張ろうって気になる訳で。 明日も早起きして、水球日本対オーストラリア戦観るわよ!!

リラの咲くころバルセロナへ ④

イメージ
================ 前回までのおはなし リラの咲くころバルセロナへ ① - リスボン編 リラの咲くころバルセロナへ ② - リスボン - シントラ編 リラの咲くころバルセロナへ ③ - マドリッド - シッチェス編 ================ ついに、やってきた! リラの咲くころバルセロナへ! (c) 光GENJI 燃えろバルセロナ! (c)日出郎 と、おっさん(っつーかオカマ)丸出しではしゃいでみたものの、よく考えたらバルセロナ3泊4日の旅、何の予定も立ててなかった・・・。 とりあえず、丘の上にあるホテルにチェックインし、地球の歩き方をぶっこんでおいたipad片手に、ホテルのプールで作戦会議だよ! 作戦会議という名の一人酒。水割りをください、男の数だけ。 建築に疎い自分だが、やはりサグラダファミリアは見ておきたい。どうせ、行き当たりばったりの旅。取りあえず、行きたいところに行けるとき行っちゃおう!ということで、早速ipadでサグラダファミリアのチケット予約を試みるが・・・。 ひゃだ!今日の分はすべて完売!明日の分も夕方遅くの分しか残ってないじゃないのよ! ネットで調べると、早朝の方が人が少なくゆったり観れて、朝日に照らされたステンドグラスが綺麗に輝く、とある。 しょうがない。サグラダファミリアは3日目の朝までお預けで、取りあえず今日、明日は街の散策しましょかね。 ガウディ建築 バトリョ邸。この壁の色使いの美しさよ。 グエル公園。建築に素人の自分でも、ガウディ建築は目に面白い。 鼻歌は、時間の国のアリス(C)聖子 (またかいな) グエル公園の迷路。 柱の間から、南野陽子か河合その子あたりが現れそうだわよ。 ゴシック地区 カテドラル。ヨーロッパに歴史あり。 ミステリーハンター気取り (またかいな) 10代、20代だった頃の旅といえば、とにかく有名な場所を全部まわる!とか、いいオトコ達が集まるエリアをはしご!とかやっていたけれど、天候によって膝の痛みを感じる年頃になった今は、興味がある場所だけを選んで、その背後にある歴史を感じながらゆっくり静かに回りたい、と思う。 携帯を片手にゆっくり回れば、興味を持ったところはその場で、ウィキペディアや

リラの咲くころバルセロナへ ③

イメージ
================ 前回までのおはなし リラの咲くころバルセロナへ ① - リスボン編 リラの咲くころバルセロナへ ② - リスボン - シントラ編 ================ 砂浜に寝そべりながら、太陽を反射して輝く午後の地中海と、太陽に裸をおしげもなくさらす男達を眺めている。 来週からのバルセロナでの滞在を前に、バルセロナから電車で南へ向かって30分程のところにある、ヨーロッパ中の男達が集まるという(ほんとかいな)、海辺の街シッチェスで週末を静かに過ごしている。 酒を片手に異国の言葉で話す男達の声と波の音を遠くに聞きながら、リスボンからここに来るまでの旅を振り返ってみる。 海!酒!そして男たち! ムフ! -------------------------- リスボンからスペイン・マドリッド行きの夜行列車に乗り込んだのは、夜の9時を過ぎた頃。車内はジェームスボンドの映画に出てくるような高級感は一切なし!  列車に揺られながら食堂車で食事をし、部屋に戻ってシャワーを浴びてベッドに横になる。「寝ている間に、オリエント急行殺人事件とか、寝台特急北斗星殺人事件とか、シベリア超特急(C)水野晴郎大先生 めいた事件でも起こったらどうしましょ」、なんて女優ぶってみたけど、何も起こらなかったわ! 夜が明けて列車の窓から見える空が明るくなってきた頃に、マドリッドに到着。ここからはポルトガル語じゃなくて、スペイン語だ。駅で荷物を預け、そのまま日帰りで古都トレドへ。 イスラム教・ユダヤ教・キリスト教の文化が共存する街トレドを、受験生時代の世界史の記憶を思い出しながら歩くと、気分はミステリーハンター!(またかいな) 太陽の門。 ここは武器と防具の店だ。ドラクエ感 (またかいな) ソコトレンという列車型のバスに乗って、トレドの町が見渡せる丘の上へ。 マドリッドへ戻って、夕暮れ時の街を散策。欧州五大都市のひとつだけあって、街を往く人の数はものすごかったけれど、街のあちこちで中世ヨーロッパの歴史を感じられる風景がみられるのは、やはりヨーロッパ。 マドリッドでの夜メシはマッシュルーム料理! マッツコルーム食べるのが通だよね! 街を歩いていると、東京のデパ