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続・死に至る病、そして(終)

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N君が、コロナに罹って大騒ぎをしていたのが、もう3週間近く前の話だったのだが、 結局、自分もその後すぐに陽性反応が出て、熱と体の節々の痛みで、1週間近く寝込んでいたのだった。 体は熱で辛いし、でも仕事は溜まっていくしで、心身ともに辛い1週間だったわ! 前回の投稿では、 「N君だけ罹って、自分だけ罹らないのは、不思議!」 などと、呑気なことを言っていたのですがね・・・(苦笑)。 幸い、ワクチンが効いたのか、重症化することもなく、咳や味覚・嗅覚障害もなく、 ただ、高熱と節々の痛みのみで済んだのだが。 熱にうなされながら、ネット上でのニュースを覗いていたら、 ”コロナ感染者は、脳が縮小する” とか ”認知症に罹る可能性の増加” とか、怖い話ばかりが目に付くが、もう罹ってしまったのだからしょうがない。 しかし、今でも、なんだか体の倦怠感が続いている気がする。 友人にそんな話をしてみたら、 「あんた、コロナにかかる前から、すでに始まってるし。老化!」 などと一蹴されたわよね。 寝込んでいる間、会社の同僚がわざわざ、野菜のシチューやお粥を作って届けてくれたり、 同業女子のM子は、ラベンダーのいい香りのする花を贈ってくれたり、 あるいはいつもならば、きつい冗談を言い合うような仲の、東京に住むゲイの悪友K子に至っては、 「あんた、ほんとに、お願いだから、元気でいてよね。」 と、思わずホロっとくるようなLINEメッセージを送ってきてくれたりと、 そんな人々の優しさに触れて、涙腺の弱い中年おかまの自分は、思わず涙。 心身ともに支えてくれる、周りの人々の有り難さに改めて気付いたのだった。 ---------------------- さて、N君も自分もコロナから回復し、何度かテストキットでチェックをして陰性が確認されたので、この週末は、久しぶりに外食に出かけた。 (アメリカ疾病予防管理センターの ウェブサイト で、陽性になった日や熱が平熱に戻った日を入力すると、いつから外出できるか算出してくれます。) コロナの間、熱でうなされていた頃は、もう本当に日本食だけが頼りで、 N君は、ピザが食べたいなどと、元気なことを言うが、 自分はそんな脂っこいものは無理で、同僚が差し入れてくれた、昆布の出汁の効いた優しい味のお粥が本当にありがたったのである。 やっぱり和食が一番だよなぁ、と改めて思う。 なの...

明日、春が来たら

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オミクロン株が流行り出してから、自分の周りでもコロナ感染者が急増している。 一時期、ワクチンも打ったことだし、とジム通いを再開していたが、ジム内ではマスクをしていない人も多く、していたとしても鼻が丸出しだったりと、安心して筋トレできる感じじゃないので、ここ数週間はジムも行かずにいる(ただのサボりの言い訳?)。 せめて、運動不足解消に、散歩の時間を増やした方がよさそうだわ、と毎日家の近所をせっせと歩いている。 毎日同じ道を歩いていると、自分と同じように毎日散歩をしている人(いい男・・・)とすれ違ったり(むふ)。 この週末は、だいぶ暖かい日が続いていたからか、今日の散歩の途中は、突然冬の枯れ木だと思っていた木々から、薄紅色の花が咲き始めていて、思わず足を止めた。 これは、桜か、梅か、あるいは桃か? 毎年、2月のこの時期に、サンフランシスコの街のあちこちで咲き始めるこの美しいピンク色の花たちを見るたびに、 ”あー、日本に帰りて〜” ”日本で、家族や友人と酒を片手に、花見して〜” と、独り想うのであった。 (毎年、この時期、同じこと書いてるよな・・・) アメリカに住む、日本人の友人たちや同僚とも、ことあるごとに、 「いつ、日本に帰れるのかしらん」 という話になるのだが。 周りには、コロナが落ち着くのを見越して、航空券の価格が激上がりする前に、夏休みにと航空券を買う人も出始めている。 夏だと桜は愛でられぬが、 「日本で、浴衣着て、花火大会とか、いいよね〜」 「暑い中、汗かきながら、うまいラーメンとか焼き肉とかうまいもん食いたいわ」 「暑い中、汗かきながら、温泉もいいわぁ。んで、その後美味いビールや冷酒!」 などと、ついこの間もサンフランシスコに住むゲイ仲間で、鍋を突きながら話していたところである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日本での美味いものめぐりも、長いことできていないので、せめてここアメリカでも日本ほど美味しいは食べられなくとも、日本らしい食事をしたいと思う。 先日、会社の上司が、生でも食せる卵をいくつか譲ってくれたので、今日は家ですき焼きにでもしよう、ということとなった。 アメリカに越してきたばかりの頃は、スーパーで売っている卵の賞味期限がやたら長いことに驚いたが、同時にパッケージに「生では食べられません」と大きく書いてあって納得したわよね。 はて、我が家...

きのう何食べた?

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先月、漫画「きのう何食べた?」の最新刊が発売されたというので、今回は紀伊國屋書店のオンラインショップで注文したのだが、1か月以上経って忘れたころに、やっと届いたのだった。 この漫画は、弁護士のシロさんと美容師のケンジの中年ゲイカップルの物語で、一般青年誌で連載が開始されてから、かれこれ15年近く続いている。 自分もだいぶ前に、日本の母から送られてきた荷物の中に、食料品に混じって入っていたのがきっかけで読み始め、それから毎回新刊が出るのを楽しみにしているのだ。 そんなゲイ(ましてやおっさんのゲイ)が主人公の物語が、一般誌で十何年も連載し、一般向け映画として公開されてるくらいまで、世間に受け入れられるとは、時代も変わったものである。 自分が日本に住んでいた、まだうら若き乙女(?)だった頃は、ゲイが主人公の漫画なぞ、せいぜい「さぶ」やら「薔薇族」といったゲイ雑誌か、やおい(BL?)雑誌で、こそこそ読むくらいしかできなかったわよね…。 連載当初、今の自分と同い年くらいだった シロさんやケンジも、今や50半ばのおっさんである。 しかし、おっさんなのに可愛いカップルだな。 映画版、観てみたいな~。 (C) 東宝 50過ぎても、見た目も美しく、仕事もそこそこ頑張って、家ではパートナー(ケンジ)のために日々料理をする、そんなシロさんをひそかに目標としている自分である。 しかし、実際は、40半ばにして既にめっきり老け込み、料理も苦手意識があるせいか、毎晩キッチンに立つことなどないのが現状・・・。 つい数日前のクリスマスのディナーも、我が家のN君が、N君の実家で家族皆に「 ビーフ・ウェリントン 」なる、なんだかすごそうな料理を披露するというものだから、せめて自分も何か手伝おうと横で野菜を切っていたら、 「あ~ら、珍しい! 包丁持つ手もなんだか危なっかしいわね~」 などと、後ろで見ていたN君のお母さんに、嫌味を言われてしまう始末である(コワイヨ~)。 来年は、理想のシロさんに近づけるように、ジムにちゃんと通って若々しく、料理ももうちょい頑張りますかね・・・。 N君作・クリスマスディナー なんか肉がパイ生地につつまってるような、すげーやつ出てきたよ。 自分が最近やった料理といえば、蕎麦ゆでてネギ乗っけただけのやつ。 後ろの餃子は、トレーダージョーズの冷凍モノです・・・。 (それでも自分で写...

木の葉が色を変える 風の中を旅しています

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アメリカに住み始めてから、早十数年。 未だに慣れないのが、夏時間ーDay light savingである。 毎年3月初めから11月初めまでは、1時間繰り上げて夜の9時頃まで外が明るい生活となる。 仕事を終えたあとも、外がまだ明るいのは嬉しい。 夏時間の間は、 「今日仕事何時に終わる? まだ外も明るいし飲みにいかない?」 などとK枝やM男と、仕事の後に"ハッピーアワー"と称して、仕事の後に飲みに出かけたりする。 しかし夏時間が終わり冬時間に入ると、急に1時間繰り下がり突然日が短くなり夕方5時にもなるとすでに外は真っ暗である。 この土曜日は、ちょうどその夏時間が終わり冬時間に入る週末で、それでなくても日々不眠症の自分にとっては、この1時間のずれがますます体内時計を狂わせるのであった。 目が覚めて携帯の時計を見ると、まだ朝の4時半である。 若い頃は、1時間の時差ぐらい全然平気だったのだけどね・・・。 ーーーーーーーーーーー 「秋になったことだし、紅葉観たいな~」 と我が家のN君がふとつぶやいた。 十数年前に奈良の十津川村に住んでいたN君に言わせると、秋になると真っ赤に染まる紅葉の吉野の山々が恋しいという。 とはいえ、サンフランシスコは年中春・秋の気候で、日本のような美しい紅葉を見ることは難しい。 「それじゃぁ、久しぶりにナパに紅葉(ワイン)狩りに行こうか」 ということで、この週末は久しぶりに朝からおにぎりを握って、ナパへ"秋の大人の遠足"に行こうということなった。 ナパへはサンフランシスコから車で1時間半ほど北にある、田園風景の広がる美しい地域である。 ちょうど日本に住む友人から、 "80年代、秋のアイドルソング" なるプレイリストを送ってもらっていたものだから、ドライブのBGMは昭和の秋めいた曲ばかりである。 「もう逢えないかもしれない~秋は旅人 (C)菊池桃子」 「秋の風が、窓をたたくコテージ~ (C)南野陽子」 などと、車内で秋の昭和アイドル歌謡をひとしきり歌えば、あっという間にナパに到着だ(昭和歌謡なぞ知らぬ、運転手のN君は迷惑だったわよね・・・)。 今回は久しぶりに、日本人が経営するケンゾーエステイト(Kenzo Estate)で紅葉狩り兼ワインテイスティングをすることに。 桜の花びらのような美しい色の...

失われたラーメンを求めて

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"うぐっ…ラーメンが食いたい…!" ここ数週間、無性に"ラーメン食いたい症"にかかっている。 とは言え、数か月前に受けた健康診断では高血圧が悪化しており、塩分のかたまりと言われるラーメンをむやみに食べるのは躊躇われる哀しき中年である。 しかも、その健康診断では体脂肪率も大幅にアップしており、医者にコロナ太りを正式に認められたばかりであるから、ダイエットの敵と揶揄される愛しのラーメンちゃんとは、縁を切らねばならぬところなのだ。 学生時代には昼に日清のシーフードヌードル、夜にカレーヌードル(どちらも大好物)とひとりでカップ麺祭りをやったり、東京でのサラリーマン時代には、毎晩のように友人や後輩と飲んだ帰りにラーメン屋を渡り歩いても平気だったのだがね。 ーーーーーーーーーーーーーーー この街に住む同年代の日本人の友人達と、毎日のように「今日は何歩歩いてきたわ」とスマホの万歩計表示を送りあったり、「今日は野菜がっつり食べました」となどと飯時の写真をシェアしたりしている。 M男に至っては、ダイエットの効果が確実に出ているらしく、体重の折れ線グラフをわざわざ送ってくるくらいだ。 「あのさ、うちらいつから、こんな健康ばっかりで色気もへったくれもない話してるわけ?」 「お互い40過ぎてるんだから、嫌でも健康に気を使わなきゃ」 と、もはや中年どころか老年の会話であるが、お互いが「健康警察」として見張られているような状態なので、お互いの健康維持にある意味役に立っている。 しかし、そんな「健康警察」仲間の核ともいえる、同業女子のM子でさえも時々、 「プリングルスの緑のやつ、食べちゃったよ」 などと告白してくるので、 「M子ちゃん、たまにだからいいのよぉ。我慢のし過ぎもよくないし!」 と慰めたりする。 健康とジャンクな食欲に揺れ動く、中年心と秋の空である(なんのこっちゃ)。 ーーーーーーーーーーーーー 仕事を終えた日曜の昼。 "そう、たまになら。たまになら、いいよね" となんだかんだ言いながら、結局欲に負けてラーメンを食べに行くこととなった。 とは言え、日本のようにあちこちにラーメン屋があるわけではなく、あってもとんでもない値段で大して美味しくないラーメンを出す店も多い。 そんな時に助かるのが、地元の日本人の情報網である。 前に仕事...

続・死に至る病、そして (2)

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数週間前から、我が家のN君はなんだか落ち着かずそわそわとしていた。 こっちは仕事の締切前で朝晩関係なく、馬車馬のように働いていたのだが、一方で N君はなんだかやけに楽しそうにみえる。 「なんか、最近ずっとご機嫌だよね~?」 と意地悪な女優のように半分嫌味で聞いてみると、どうやら久々に仕事の出張でコロラド州のデンバーに行くのを楽しみにしているようなのだった。 「この仕事はじめてから、今までコロナ禍で会社のだれとも直接会ったことなかったけど、今回やっとチームメイトや直属の上司に会えるからね。」 と仕事だからしょうがなく行くというふりをしつつも、実際は楽しみなのを隠しきれずにN君は言う。 出張出発の数週間も前から、まるで遠足の日を待つ子供のようだったわよね。 一方、自分の会社はといえば、去年の3月からずっと完全に家からのリモートでの仕事となっていたのだが、ワクチン接種もだいぶ進んだということで、来月10月に約1年半ぶりに全米のオフィスを再オープンさせるという。 日本人の同僚とは、 「オフィス開いても、今更通勤する気もさらさらないし。あのごみごみした地下鉄乗るのもも嫌。」 「このまま家から働くわ。普通に仕事回るし、メイクもしなくていいから楽だし。」 などと仕事中に話している。 確かにこのご時世で、人前に出るためにきっちりと着飾る必要もなく、社内での飲み会などの付き合いや、クライアント先へ訪問する必要もなくなり、自分もその分ストレスが減り気が楽になっているのは確かなのだった。 人と出会えなくても、家でぼさぼさ頭のまま黙々と仕事をこなし、仕事の後は酒の入ったグラスを片手に一人読書をしたり、テレビゲームをしたり、ピアノを弾いたりしているほうが、よっぽどリラックスできる自分である。 そんな内向的な自分に比べて、外向的なN君は人と出会えないのがストレスなのであった。仕事仲間なり、水球仲間なりと集まってワイワイやるのを生きがいとするN君である。なので、今回の出張もまるで修学旅行のような気分で楽しみにしているは、理解はできるのだが・・・。 そういえば、だいぶ前にやった、 マイヤーズブリックスの性格診断 の結果も、確かにN君は"E" (Extraverted)の外交的性格で、自分は"I"(Introverted)の内向的性格だった。 しかし自分の本心...

8月の風を両手で抱きしめたら

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「今週末会社の同僚と久しぶりにWaterbar行ってくるよー」 8月の夏の終わりに、この街に住む同業女子のM子からLINEが入った。 Waterbar は、サンフランシスコ湾に面するエンバカデロ通り沿いにあるシーフードレストランで、店の席からはゴールデンゲートブリッジが一面に見渡せる。 しかも、ランチタイムから夕方までの間は、生牡蠣が1つにつき1ドルちょいで食べられるので、コロナ前はよく”女子会”と称して皆で、泡ちゃん片手に生牡蠣をたらふく食べたものである。 「いいな~。あーた、生牡蠣いっちゃうつもり?!」 とM子に問うと、 「もちのろん!」 と即座に返事が来た。 デルタ株やら何やらで、また引きこもり生活に戻ってしまい、平日は殆ど外に出ない生活である。 こうやって、週末だけでも同僚や友人と、屋外ではあるものの、うまいものでも食べて、日々のストレスを発散しないと、メンタルがやられてしまいそうだ。 ーーーーーーーーーーー 土曜日の朝。 久しぶりに真夏のような、暑さである。 そんな暑い夏の日は、ーM子に触発されたからかー、無性に、冷えたワインと生牡蠣にレモンをしぼって食いたい気分である。 "あーん、M子のせいだわ。こうなったら自分も牡蠣食いに行ってやる!" と中年オカマの食い意地でシーフードの店を探すも、手ごろな値段で生牡蠣を出す店は、どこも既に予約で埋まっている。 近所のスーパーマーケットにも、生牡蠣を売ってる店はあるにはあるが、値段も高く、いつ入荷したものかも怪しくて食中毒も怖くて手が出せない・・・。 ふと、同じくサンフランシスコに住む ブログ をやってる方が、時々ファーマーズマーケットで新鮮な牡蠣を買ってきて家で生牡蠣を楽しむという、美味しそうな記事を載せていたのを思い出した。 "今夜は我が家も、家で白ワイン&生牡蠣大会、やっちまおうか!" サンフランシスコから北へ車で1時間少々行ったところに、トマレスベイやボデーガベイといった、牡蠣やその他魚介で知られる海沿いのエリアがある。 今日はそのボデーガベイに、新鮮な牡蠣ちゃんたちを買い求めに行こうじゃないの。 湾から少し離れたところにあるオイスターの専門店 この古いボートが目印よ 店の中では、クマモトやミヤギなどの色々な種類とサイズの牡蠣を売っていたので、お店のお姉さんにお勧めを聞...

死に至る病、そして (4)

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平日の午後12時前。 少し仕事が落ち着いたのと、気持ちの良さそうな天気だったので、久しぶりに弁当でも買って外で食べようかということになった。 ネットで今からオーダーが出来そうな店を探すと、コロナ禍前オフィスが開いていた頃に良く訪れていた カレー屋さん が開いていたので、そこでカツカレーをオンライン注文してから家を出た。 以前は平日のライチタイムとなれば店の外に行列ができていた程の店だったが、店に着くとこの時世で誰も並んでおらず、店の近辺も閑散としている。 “また買いに来るから ね! 何とかこのコロナ禍を生き延びて!!“ とレジのお兄さん(いいオトコ!)に心で応援メッセージを送りつつ店を出たのであった。 さて、出来立てのカツカレーとペットボトルのお茶も買ったし、どこで食べようか。 ふと店の外の通りで顔を上げると、近くにはコイトタワーの丘が見える。 というわけで眺めの良い丘から、港でも観ながら昼飯にすることにしたわ。 久々に外で食べると、やっぱり飯がうまい。 がっつりカツカレーに野菜トッピングで健康に気を付けるふりをするお年頃。 食後のあとは、仕事に戻る前に散歩タイムだ。 昨年は何かと理由をつけて、日々の散歩をサボっていたので、今では腹回りだけじゃなく、顔もだいぶ膨れ、顎まわりも輪郭がやばいことになっているじゃないのよぉ。あわわ。 とはいえ、酒の量は減らせぬ中年オカマであるから、少なくとも今年は毎日散歩を目標にしているのである。 散歩のためだけに着替えて外に出るのはハードルが高いので(やれやれ...)、こうやって昼飯を買いに出た時や、スーパーへの食料の買い出しの前後に、散歩タイムを加えるようにしている。 同じくサンフランシスコに住むブログをやっている方が、サンフランシスコ市内の道全制覇を目指しているという。 面白そうなので、自分も真似してなるべく歩いたことのない道を試しているのだが、面白いデザインの家や、思いがけず眺めの良いスポットを見つけたり出来てなかなか面白い。 サンフランシスコの地図を買ってきて、今年の元旦から歩いた道を塗りつぶしているのだけど、はじからはじまで直線で7マイル(11キロくらい?)しかない小さなサンフランシスコの街とは言え、道全制覇は当分先になりそうである。 ーーーーーーーーー 「サンフランシスコがコロナワクチンの待ち時間登録はじめたわよ!」 と、友...

霧の港街の静かな元旦

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明けましておめでとうございます。 こんなに静かな正月は久しぶりな気がしている。 高校を卒業し大学に入ってからは、ほぼ毎年年末年始はどこかに旅行していて、正月を家族と過ごした記憶がない。 社会人になってからもそれは続き、アメリカに来てからも、年末年始はエジプトだったり、ブラジルだったり、はたまた高野山だったりと、バタバタと過ごしてきた。 しかしこの正月は、この時世で特に何の予定もなく、家族や友人とも会えないので、朝から近所の丘に散歩に出かけたくらいである。 それはこの街に住む周りの友人も同じのようで、 「みんなお正月は何するの」 「今年はどこも行かないから、お節でも作ってみようかしら」 「うちは、元旦早々、ハンバーガー食べる予定!」 「やることなくて暇。紅白観たいんだけど、どこで観れる?」 などと年明け前から年明けまで、みなでどう籠り正月を過ごすかLINEでメッセージをやり合っていた。 我が家も、元々は年越しそばを茹でるくらいで、正月らしいものを準備する予定もなかったのだが、日本に帰れぬ寂しさからか、せめて気分だけでもお正月をと、年明け直前に駆け込みでサンフランシスコ唯一の日系スーパーマーケットであるニジヤに1時間ほど並んで、紅白蒲鉾やらかずのこやらを買い込んできたのだった。 若き頃、実家に住んでいた頃は、大晦日にもなる前から、母が台所にこもって長い時間をかけてお節の準備をしてくれていた。 この街に住む友人のM子ちゃんは、毎年高級デパートのお節を九州の実家に送ってあげているという。 そんな我が母のお節や、デパートの高級お節には到底及ばないけれど、スーパーの出来合のものを家にあった日本風の箱に詰めて、それだけじゃ腹もいっぱいにならんだろうと、冷蔵庫の残りもので煮物もどきを作ったならば、なんとなくお節っぽい雰囲気になったのであった。 近所の丘を歩いて、元旦の日光を浴びて小腹を空かせたら、そんなお節もどきをつまみながら、ご近所さんから頂いた日本酒で乾杯。 2021年も平穏に無事に過ごしていけますように。 上司からもらった柚子には蛸入れてみた。 N君作の蓮根の煮物はベーコン入りアメリカ風😅 久々に気持ちよく晴れた正月の朝 晴れた空が好きです(c)南野陽子

上を向いて歩こう 涙がこぼれないように

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朝、寒くてベッドからなかなか出れずに、携帯でヤフーニュースなぞをダラダラと読み続けているとちょっと気になる記事があった。 どうやら 「木星と土星が400年ぶりに大接近」 して見えるらしいのだ。 子供の頃は、時々夜空の星を眺めては、 「大人になる頃には宇宙旅行できるのかしらん」 と壮大なロマンを夢見ていて、母と一緒に近所の図書館に行っては宇宙物のSF小説を借りたり、父には宇宙オカルトものの雑誌(『マヤ』とか『ムー』とか・・・)を買ってもらったりしてたものである。 UFOものも大好きで、矢追純一の特集やら『X-File』やらを妹ときゃっきゃやりながら観ていた。 しかし、実際大人になっても、宇宙旅行やらUFOやらそんな現実は在らず、そんな夢を見てたことさえも忘れてたわよね。 その記事によると、木星と土星の世紀の(?)大接近は肉眼でも観れるらしく、 「 空が暗くなり始めたら、南西の方向を見るだけ」 とのこと。 ここカリフォルニアは、ここ数週間でコロナのケースが急増して、屋外で食事することも人に会うこともできなくなった。 できることといったら、せいぜいひとり散歩することくらいである。 今夜はちょっと遅めに散歩して、木星と土星を探してみようか。 「瑠璃色の地球」とか 「上を向いて歩こう」とか を鼻歌しながら歩いてる、不審な中年オカマを見かけたら、それあたしです。 レストランが再開してた頃に 寒空の下、居酒屋で久々に外食した時の動画

やり切れない程 退屈な時があるわ

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 近所に住むゲイ友達のM男から、 「ねえこのオトコ、イケるわ〜!」 などと、朝っぱらから写真付きのLINEメッセージがよく送られてくるのだが、 今日送られてきたのは、裸の男の写真ではなく、可愛らしい富士山の形をした箸置きの写真だった。 「あら、可愛い。どしたのこれ?」 と問うと、近所の店で買ってきたのだという。 「このご時世で、毎日家で飯作って、毎日旦那と向き合って食べてると退屈で、せめて箸置きでも気分変えたくなるじゃん」 と、見た目の厳ついM男らしからぬ可愛らしい発言ではあるが、確かに言い得ている。 我が家も、この時世で毎日家メシとなり、作る料理こそネットでレシピを探しては、ちょこちょこ違ったものを試してはいるものの、もう自粛生活も6ヶ月目に突入しようとしている今、正直飽きがきている。 “確かに、M男の言う通り、皿やら箸置きやらを変えるだけで毎日の食卓も気分変わっていいかもね” というわけで、我が家もこの週末は「皿探し」の旅に出ることとなった。 --------------------- 同じくサンフランシスコに住むゲイ友達のNさんは、コロナ騒動の前には、彼の自宅でよく食事会という名のカラオケ会を開いてくれていたのだが、彼の素晴らしい手料理は、いつも素敵な皿に盛られていたのを思い出す。 “どんなに下手っぴな我が料理でも、あんな素敵な皿なら気分も上がって、日々の家メシが楽しくなりそうね” と安易な理由で、Nさんちのような、オサレな食卓をめざすべく、向かうはサンフランシスコの隣町サウサリートにある「Heath Ceramics」という店だ。 どの皿もシンプルなデザインだが、色合いや質感がよく、大した料理もできない自分でも思わず見惚れてしまう。 話によると、市内の名の知れたレストランの多くがここの皿を使っているという。 しかし、店に並べられた商品の値札を見ると、どれもかなりの値段である。 洗ってるうちにすぐに欠けたり割ったりしてしまう庶民には、これはあまりにも高すぎるじゃないのよお・・・! 遥々隣町まで皿を買いに来たものの、手ぶらで帰ることになろうかというその時、店の端に、本来なら色やら形に分けて陳列されている皿が、適当に置かれている棚があるのをN君が見つけ、店の人に問うと、 「陶器を焼いた時に、imperfectionだったものは定価でお売り出来ないので、こち...