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出逢いはスローモーション (8)

先日、日本で13組の同性愛者のカップルが結婚の自由を求めて一斉提訴したという。 「日本の同性愛結婚の第一歩!」 という報道を聞いて、胸がいっぱいになった自分である。 --------------------- 大黒摩季の歌じゃないが、オカマの自分も30を過ぎた頃には、周りが「結婚」で騒がしくなったのを覚えている。 中学時代や高校時代の友達が結婚するといえば、アメリカから遥々電報を打ち、 現地の友達が結婚するといえば、ギフトを送り、式にも披露宴にも、時には飛行機に乗って、参加してきた。 しかし、どんなに同年代の同級生や友達が次々と将来の伴侶を見つけ、幸せそうな顔で結婚していこうとも、 "まぁ、自分には関係ない話だしね" "どうせ法的に認められないんだしさぁ" "しょうがないわよ" "うちらは、一生一人で生きていかなきゃいけないの!" "お願い、あたしが病気でぶっ倒れたら、あんた支えてよぉ!” などと、オカマ仲間で酒をひっかけながら、半分皮肉になったり感傷的になったりしたものである。 皆、自分がゲイだと気づいた時から、ひとりで生きていく覚悟を、いつの頃から胸に決めていたのかもしれない。 ------------------- 2015年に米国の最高裁が同性同士の結婚を認めて以来、オカマ仲間のM男をはじめ、自分の周りにも同性同士で結婚する仲間がちらほらみられるようになってきた。 そして、国を訴えた勇気ある13組のカップルの行動がきっかけとなって、ついに日本でもその流れが現実のものとなって動き始めているのである。 すげーわ! オカマの歴史的瞬間に立ち会ってるのね?!(なんのこっちゃ) ------------------- ちょうど1年前の2月。 平日の夜、久々に仕事の後カストロの街で友人達と遅くまで飲み、家に帰ってくると、N君の様子がなんだかおかしい。 「もう飲みすぎたから、シャワー浴びないで寝るわ」 と自分が言うと、 「いいからシャワー浴びてきてよ」 とN君は言う。 何だかよくわからずに、酔っぱらった頭でシャワーを浴び、バスルームから出て、着崩してよたよたになったユニクロのパジャマを

さらさらと 雨に追われるように花は散るらん

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「こんまり、知ってる?」  「こんまりのテレビ観た?」 と、最近アメリカ人の同僚や友達に聞かれるまで、彼女の存在を知らなかった自分である。 何のことかとグーグルしてみると、日本出身の"人生がときめく片づけの魔法"をかかげた、片づけコンサルタント、近藤麻理恵氏と書いてある。 挙句の果てに、社員に送られてくる会社の全体メールで、 「今週はオフィスをこんまりしましょう!」 と送られてきたり、 アカデミー賞に呼ばれた近藤氏がレッドカーペットに登場したならば、 「近藤麻理恵がただ今到着しました。参加者はレッドカーペットを散らかさないでください! 」 などと、アカデミーがツイートするほど、アメリカでは名の通った人のようなのである。 「ねぇ、こんまりって知ってた ?」 と日本人の同僚女子に問うてみると、 「知ってる! Spark Joy (ときめき)を感じないものは断捨離しろって言ってる人でしょ?」 「やだ! そしたら、あたい、この仕事に一切Spark Joy感じないから、捨てるべき!?」 「やだ! そしたら、あたし、今の旦那に一切Spark Joy感じないから、捨てるべき!?」 確かに、自分の直感に任せて、Spark Joyの感じるものだけ求め、そうでないものは捨てていけたら、どんなに楽しい人生になるのかしらん。 とは言っても、昭和のオカマは、物事を簡単に捨てられないの! ------------------------------ 日曜の朝。 窓から外をみると、久しぶりに晴れ間がみえている。 "久しぶりの青空じゃないの。休日出勤はやめにして、今日はゆっくりしよ" と、自分にそんな言い訳をして、今日は久しぶりにゆっくりすることにした。 しかし、家の中をみわたすと、仕事が忙しいのにかまけて、あちこちとっ散らかっている。 "いい加減、"こんまり"しないとね・・・” と独り言ちながらも、重い腰をあげられずに、朝からソファーで酒をひっかけている。 ふと、ベランダをのぞいてみると、春の強い風の中、薄紅色の梅の花びらが舞う中に、去年の冬に上司からもらって植えておいたミョウガやシソの芽が出ているじゃないの! 思わず嬉しくなって、写真を撮り

アクアマリンのままでいて (2)

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「わたし、今週ジム4回目。」 「自分も、今年ジム4回目・・・」 土曜の朝、ジムに向かう途中、同業のM子とLINEでやり取り。 リオデジャネイロで、あれだけ、 「今年は、がっつりジムに通って痩せて、美しい肉体を持つ、色気ある40男目指すわ!」 などと、皆に向かって宣言していたのにも関わらず、もう2月だというのに、今年に入ってまだ数回しかジムに行けていない。 "風邪気味だから悪化したら困るわ・・・" "仕事が忙しくて、明日も朝早くにミーティングあるし・・・" などと、言い訳をしてさぼっていた情けない自分である。 こんなんじゃ、いつまでたってもリオの男のようになれないじゃないのよ! というわけで、今日は1か月前のリオの男達の写真を見返して、重い腰を上げて朝から雨のサンフランシスコの街を歩いてジムに向かった次第である。 ジムでマシーンに座り、がっつり筋トレするつもりが、気が付いたらまたもや携帯に収められたブラジル旅行の写真を眺めている。 リオの拠点となったコパカバーナビーチのホテル コルコバードのキリスト像の前でミステリーハンターを気取る ブラジルは美男、美女が多いよ、と出発前に同僚や友達からは聞いていたが、実際リオの町中を歩いていると、モデルのような美男美女に多く出くわすのである。 「ねえ、イパネマビーチは、オカマのいい男がわんさかいるらしいわよ!」 などと誰かが言いだし、 「でも、うちらみたいな中年が行っていいのかしら・・・」 「でも、せっかく地球の裏側まで来たんだしねぇ・・・」 などと言い訳しつつ、4人でイパネマビーチに向かったのであった。 イパネマビーチの中でも、ゲイが多いといわれるエリアでタクシーを降りると、右を向いても左を向いても、水着一丁の裸の男、男、男! 「こ、これが噂のイパネマビーチなのね・・・」 「こ、これが噂のブラジルの男達なのね・・・」 あまりにも地元の男達が美しすぎて、ショートパンツの下にこっそり水着をしこんできたものの結局水着になれず仕舞いだった、情けない自分である。 「2019年の目標決めたわ。痩せる。」 「自分も! ちゃんとジム行って、鍛える。