渡れる 渡れない あじさい橋
最後に梅雨時に日本に戻ったのは、いつだったかと思い返してみても思い出せない程、日本の梅雨は久しぶりである。
江ノ電の1日乗り放題切符で
帰国する度に、先祖の墓参り、そして若くして亡くなった中学の時の同級生と、大学の先輩の墓参りは、時間が許す限りするようにしている。
“本当に遠いところにお墓あるもんねぇ。訪れる方も半日がかりだわよ!”
などと口では文句を言いつつも、やはり行ける時にはお参りして挨拶してこなくちゃと思う古い昭和のオカマである。
「いなくなってしまった人たちのこと、時々でいいから思い出してください」
と古いテレビゲームの台詞にもあったが、こうやってお墓を訪れて、元気でいた当時のあれこれを思い出したり、手を合わせて近況の報告をしたりするのである。
中学の同級生のお墓参りにと、当時の部活仲間の女子達と、神奈川の外れの富士山がきれいに見える街まで、あれこれ昔話をしながら電車で向かっていると、
“卒業した後も、よくみんなで夜遅くに地元に集まって車で鎌倉とか湘南の海に行ったよなぁ”
などと、彼女が亡くなる前の頃の時間をふと思い出し、急に湘南の海を見に行きたくなったわ。
そして、翌々日。
ひとり鎌倉行きの電車に揺られていた自分である。
江ノ電の1日乗り放題切符で
鎌倉半日ひとり旅
紫陽花で知られる明月院で
気分はあじさい橋 (c)城之内早苗
京都まで行かずとも
東京から気軽に古都の旅
鎌倉の大仏様にも女学生に混ざって挨拶よ
梅雨とは思えぬ良い天気でありがたい
歩き疲れたら、由比ヶ浜の松原庵で
蕎麦ランチだ
稲村ヶ崎の駅から数分歩けば
湘南の海
日が暮れてきたら海を眺めながら
松の薫る温泉に浸かる
夕暮れの湘南を背に家路へ
20年以上前、まだ大人になりきれぬままの中学時代の仲間と、真っ暗な夜の湘南の波の音を聴きながら砂浜に座り、それぞれの悩みー今となっては本当にそれで人生を悩んでいたのかも分からぬがー、を語り合った。
青春、だったわね!
もう会えなくなってから9年経ったけど、愛犬のレオ君とそちらで仲良くやってるかな。
当時の仲間達も自分も、40過ぎてもそれぞれ色々悩みにぶち当たりながら、なんとかやってます。
また、会いに行きます。
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