木漏れ日がライスシャワーのように (2)
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これまでのお話
木漏れ日がライスシャワーのように (1)
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自分がまだ小学生だった頃。
歳が4歳ほど離れれている妹と、絵や物語を一緒に描いたり、母の化粧台の鏡の前でアイドル(おニャン子)のマネをして歌ったりと、仲良くしていた記憶もあるが、
それよりも、自分がその妹に対して、訳もなく意地悪をしていた記憶のほうが多く残っている。
今、当時を振り返ると、そんなダメな兄に対して、子供の頃から、自分よりよっぽど大人な対応をしてくれていた妹だったと今頃になって気づく自分である。
当時は、一人っ子の同級生を、なんとなくうらやましく思っていたこともあったが、今は、兄弟(姉妹?)がいることのありがたみをひしひしと感じている・・・。
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「やっぱり、父ちゃん難しいかもしれん!」
残業を終えて、家路に着くべくUberに乗り込むと、妹からLINEが入った。
自分がゲイであることや、N君と結婚することなどを、度々我が妹に相談してきたのだが、今回の結婚式の件については、父が難色を示しているというのである。
以前、母に電話で相談したときは、
「あんたたちが日取り決めたら、どこだって行くよ。パパには、話してみるからね。大丈夫でしょ。」
と言っていたのだが、実際には想像以上に父が同性婚を受け付けられないでいるようなのだ。
以前は、時々父から、
"仕事は大丈夫か~? 無理しないで頑張れよ~”
などと、LINEが時々届いていたのだが、
結婚の相談を家族にし始めた頃からか、父から直接連絡がくることはなくなっている。
オカマ仲間や日本人の同僚に相談すると、
「そりゃ、アメリカと違って、日本だもの。同性婚なんて、うちらの親の世代じゃ、理解しろっていったって無理な話よぉ」
「同性婚ってだけでも、ハードル高いのに、70、80の歳の親にアメリカに遥々来てもらうのも、大変な話だよ」
と真っ当な答えが返ってきた。
自分としても、自分がゲイであり、そんな自分が結婚式をするということで、家族にストレスになるようなことだけは避けたかったのだ。
「知らぬが仏」
ではないが、別に家族に知らせなくとも、結婚・結婚式などしなくとも、一緒にいたい人と一緒にいられればそれでいいと、今でも思っている自分である(正式に結婚をしなくとも会社の保険などは共有できるし...)。
そんな考えの自分のほうがおかしいのかと、そんなことを考えて眠れぬ夜に、ネットで検索してみると、相手がいれば結婚などしなくていい、結婚式をあげたくないという輩はいっぱいいて、思わずほっとしたりしたのだが・・・。
しかし、N君の家族は、ちゃんと結婚をして、人々を呼んで結婚式を挙げるべきだと主張し、N君の家族の集まりに参加する度に、
「はやく日取りを決めないと、式を挙げる場所も確保できないわよ」
「旅行やらなにやらの予定が立たないから、はやく日取り決めて頂戴」
とプレッシャーをかけてくるのであった・・・。
---------------------------
「父ちゃんが参加しないとなると、母ちゃんも父ちゃん残してアメリカ行くのも、難しいかもっていってる」
と妹のLINEが続く。
「父ちゃん、母ちゃんが来れなくても、あたしとうちの旦那は参加するからね」
と、そんな妹の優しい言葉に、妹も自分と両親との間でいろいろ調節をつけようとしてくれている苦労が垣間見えて、申し訳なくなる。
「あんた、仕事で忙しいだろうけど、1回お父さんに会ってちゃんと話さなきゃダメ!」
と、同じような状況を乗り越えて結婚までたどり着いたオカマ仲間のM男に言われ、確かにそうだと弾丸で日本に帰る航空券を購入したわ。
さて、どうなることやら・・・。
続く。
これまでのお話
木漏れ日がライスシャワーのように (1)
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自分がまだ小学生だった頃。
歳が4歳ほど離れれている妹と、絵や物語を一緒に描いたり、母の化粧台の鏡の前でアイドル(おニャン子)のマネをして歌ったりと、仲良くしていた記憶もあるが、
それよりも、自分がその妹に対して、訳もなく意地悪をしていた記憶のほうが多く残っている。
今、当時を振り返ると、そんなダメな兄に対して、子供の頃から、自分よりよっぽど大人な対応をしてくれていた妹だったと今頃になって気づく自分である。
当時は、一人っ子の同級生を、なんとなくうらやましく思っていたこともあったが、今は、兄弟(姉妹?)がいることのありがたみをひしひしと感じている・・・。
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「やっぱり、父ちゃん難しいかもしれん!」
残業を終えて、家路に着くべくUberに乗り込むと、妹からLINEが入った。
自分がゲイであることや、N君と結婚することなどを、度々我が妹に相談してきたのだが、今回の結婚式の件については、父が難色を示しているというのである。
以前、母に電話で相談したときは、
「あんたたちが日取り決めたら、どこだって行くよ。パパには、話してみるからね。大丈夫でしょ。」
と言っていたのだが、実際には想像以上に父が同性婚を受け付けられないでいるようなのだ。
以前は、時々父から、
"仕事は大丈夫か~? 無理しないで頑張れよ~”
などと、LINEが時々届いていたのだが、
結婚の相談を家族にし始めた頃からか、父から直接連絡がくることはなくなっている。
オカマ仲間や日本人の同僚に相談すると、
「そりゃ、アメリカと違って、日本だもの。同性婚なんて、うちらの親の世代じゃ、理解しろっていったって無理な話よぉ」
「同性婚ってだけでも、ハードル高いのに、70、80の歳の親にアメリカに遥々来てもらうのも、大変な話だよ」
と真っ当な答えが返ってきた。
自分としても、自分がゲイであり、そんな自分が結婚式をするということで、家族にストレスになるようなことだけは避けたかったのだ。
「知らぬが仏」
ではないが、別に家族に知らせなくとも、結婚・結婚式などしなくとも、一緒にいたい人と一緒にいられればそれでいいと、今でも思っている自分である(正式に結婚をしなくとも会社の保険などは共有できるし...)。
そんな考えの自分のほうがおかしいのかと、そんなことを考えて眠れぬ夜に、ネットで検索してみると、相手がいれば結婚などしなくていい、結婚式をあげたくないという輩はいっぱいいて、思わずほっとしたりしたのだが・・・。
しかし、N君の家族は、ちゃんと結婚をして、人々を呼んで結婚式を挙げるべきだと主張し、N君の家族の集まりに参加する度に、
「はやく日取りを決めないと、式を挙げる場所も確保できないわよ」
「旅行やらなにやらの予定が立たないから、はやく日取り決めて頂戴」
とプレッシャーをかけてくるのであった・・・。
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「父ちゃんが参加しないとなると、母ちゃんも父ちゃん残してアメリカ行くのも、難しいかもっていってる」
と妹のLINEが続く。
「父ちゃん、母ちゃんが来れなくても、あたしとうちの旦那は参加するからね」
と、そんな妹の優しい言葉に、妹も自分と両親との間でいろいろ調節をつけようとしてくれている苦労が垣間見えて、申し訳なくなる。
「あんた、仕事で忙しいだろうけど、1回お父さんに会ってちゃんと話さなきゃダメ!」
と、同じような状況を乗り越えて結婚までたどり着いたオカマ仲間のM男に言われ、確かにそうだと弾丸で日本に帰る航空券を購入したわ。
さて、どうなることやら・・・。
続く。
コメント
結婚式することにしたんですね、当初のsamurai sfさんの気が進まない理由が
すごく理解できて自分だったらやらないかな。。。って思ってたので、それを変えることができた相方さん、samuraisfさんの相方さんの意志を尊重された心の広さにすごいなーと思います。
なにも知らない自分ですが、お父様にお願いするのではなく、気が進まない理由を丁寧に聞いてあげることがお互いのこれからにハッピーな風が流れるんじゃないかな?って勝手ながら思います。