投稿

8月, 2021の投稿を表示しています

8月の風を両手で抱きしめたら

イメージ
「今週末会社の同僚と久しぶりにWaterbar行ってくるよー」 8月の夏の終わりに、この街に住む同業女子のM子からLINEが入った。 Waterbar は、サンフランシスコ湾に面するエンバカデロ通り沿いにあるシーフードレストランで、店の席からはゴールデンゲートブリッジが一面に見渡せる。 しかも、ランチタイムから夕方までの間は、生牡蠣が1つにつき1ドルちょいで食べられるので、コロナ前はよく”女子会”と称して皆で、泡ちゃん片手に生牡蠣をたらふく食べたものである。 「いいな~。あーた、生牡蠣いっちゃうつもり?!」 とM子に問うと、 「もちのろん!」 と即座に返事が来た。 デルタ株やら何やらで、また引きこもり生活に戻ってしまい、平日は殆ど外に出ない生活である。 こうやって、週末だけでも同僚や友人と、屋外ではあるものの、うまいものでも食べて、日々のストレスを発散しないと、メンタルがやられてしまいそうだ。 ーーーーーーーーーーー 土曜日の朝。 久しぶりに真夏のような、暑さである。 そんな暑い夏の日は、ーM子に触発されたからかー、無性に、冷えたワインと生牡蠣にレモンをしぼって食いたい気分である。 "あーん、M子のせいだわ。こうなったら自分も牡蠣食いに行ってやる!" と中年オカマの食い意地でシーフードの店を探すも、手ごろな値段で生牡蠣を出す店は、どこも既に予約で埋まっている。 近所のスーパーマーケットにも、生牡蠣を売ってる店はあるにはあるが、値段も高く、いつ入荷したものかも怪しくて食中毒も怖くて手が出せない・・・。 ふと、同じくサンフランシスコに住む ブログ をやってる方が、時々ファーマーズマーケットで新鮮な牡蠣を買ってきて家で生牡蠣を楽しむという、美味しそうな記事を載せていたのを思い出した。 "今夜は我が家も、家で白ワイン&生牡蠣大会、やっちまおうか!" サンフランシスコから北へ車で1時間少々行ったところに、トマレスベイやボデーガベイといった、牡蠣やその他魚介で知られる海沿いのエリアがある。 今日はそのボデーガベイに、新鮮な牡蠣ちゃんたちを買い求めに行こうじゃないの。 湾から少し離れたところにあるオイスターの専門店 この古いボートが目印よ 店の中では、クマモトやミヤギなどの色々な種類とサイズの牡蠣を売っていたので、お店のお姉さんにお勧めを聞

続・死に至る病、そして (1)

イメージ
このまま「最終回」にしておきたかったコロナなのだが、やはり1シーズンでは終わらなかったようだ。 ーーーー 土曜の夜。 「チームメイトから、コロナ陽性者が出た!」 とN君の水球チームのグループチャットにメッセージが入った。 サンフランシスコ市では、先月やっと一般のプールが再開されたばかりで、N君のチームの練習も先日再開したばかりである。 話を聞くと、どうやらこの週から参加した選手の一人が、ワクチンは接種済みだったものの、喉と関節の痛みがあり念のため調べたところ、陽性だったと言う。 N君は今も元気にしているし、自分も今のところ特に体調に問題ないが、水球の試合中はマスク無しで顔と顔を接近して、ボールを取り合うのである。 ワクチンを接種していても、体調も特に問題なく元気であるとは言え、うっかり感染している可能性は多いにありうるのであった。 とりあえずN君も自分も今日までに、顔を合わせた人々に、念のため急いで連絡することとなった。 屋外とはいえ、一緒に散歩したり酒を飲んだ友人にテキストメッセージで知らせると、誰も特に症状はないという。 翌日、朝一番で近所の薬局に自宅でできる簡易テストのキットを買ってきた。 2回分のキットが入った箱。薬局にて28ドルで購入。 以前やったものと同様、大きな綿棒のようなもので鼻の中をぐるぐるとやり、添付された溶液につけて15分待つ。 症状が無いとはいえ、もし感染していたらと考えるとやはり少々緊張し、2人とも思わず無言になる。 もし陰性だと赤い線が1本。陽性だと2本となる。 15分も経たぬうちから、2人してそわそわと線が2本になっていないかちらちら確認する始末である。 この穴の部分に溶液を流し込み、綿棒を下からぶっさす! タイマーをセットしておいたGoogle Homeから、15分経ったことを知らせるアラームが鳴ると、恐る恐る線を確認する…。 2人とも線は1本で、陰性! とりあえずほっとし、チームメンバーや接触のあった友人達に連絡したのだった。 線が1本なら陰性、2本なら陽性。 「俺も同じテストやらなきゃだわ」 こちらから連絡すると同時に、近所に住むM男から連絡が入った。 先日M男が一緒にキャンプに出かけた友人が陽性だったようなのだ。 結局M男も急ぎテストを受けて陰性だったが、ここ数週間で確実にコロナ陽性の話が身近で聞こえてきている。 皆ワクチン接種

もっと気ままにダイス投げるとき 新しい何かが映るわ

イメージ
飲み仲間であるアメリカ人ゲイのE子と、我が家のN君が、この7月に40歳を迎えた。 40の大台だし、コロナも皆ワクチン打って落ち着いているし、いつものみんなで集まってお祝いしましょ!ということに。 ラスベガス旅行やヨセミテ国立公園キャンプなど、いろいろ案は出たのだが、結局リムジンでも借りて近場のナパバレーでワイナリーをあちこち巡って、ワインをじゃぶじゃぶ飲む(浴びる?!)というところで落ち着いたのだった。 ーーーーーー ナパ日帰り誕生日ツアーを控えた数週間ほど前の金曜日。 いつもの飲み屋に顔を出すと、顔色の悪い元気のないE子が居た。 「ちょっと、E子! なんかあったの?!」 「いや。もう、何も話したくない気分」 と、それでも酒を一緒に飲みながら、話を聞き出すお節介ババアの自分である。 するとどうやら東海岸に住むE子の家族のことで問題があり、彼がそれを一人で背負ってることや、仕事の上司とのいざこざでストレスを溜めてることが分かった。 しかし、 「E子、大変だったねぇ」 と話を聞きながら、背中をさすってあげることくらいしか出来ぬ、お節介ババアにもなれぬただのババアな自分なのだった。 ーーーーー ナパ日帰り誕生日ツアー当日の朝。 前もって予約しておいた、運転手付きの黒塗りのリムジンに乗り込んだら、ナパに向けて出発だ。 自分はリムジンに乗るなんぞ、縁のない人生を送ってきたから、今回40も過ぎての人生初の経験である。 一方、M男やK枝は結婚式やら何やらで既に経験済み、N君は高校の時のプロムで乗ったと豪語する(高校生でリムジンって、あーた!)。 しかし、図体のでかいアメリカ人3人、そして図体も態度もでかい日本人オカマ3人、それに華奢な日本人女子のM子の計7人が乗ると、なんだか狭くるしい。 そこにそれぞれが持ち込んだ煎餅やらおにぎりをむしゃむしゃやり始めたら、もはやリムジンもへったくれもなく、おばちゃんたちの東京ハトバスツアーと化してきた。 それでも誕生会らしく、皆で紙のパーティー帽をかぶり、持ち込んだシャンパンで乾杯したら、それっぽい雰囲気にはなってきたかしらね。 そんな、はとバスリムジンも1時間ちょっともすれば、ナパに到着だ。 E子ご指定の スパークリングワイン専門のワイナリー からスタートし、N君の好きな赤ワインの美味しいワイナリーを訪れ、ワイワイと朝から飲み続ければ、昼飯の