幸せかい 傷ついてるかい あの日の夢を生きているかい
"なんで、あたし、こんな好きでもない仕事して、こんな生活毎日続けてるんだっけ。しかもこんな異国で...."
朝、目が覚めて、会社に行くのが本当に億劫で、ついそんな思考が頭から離れなくなる。
"とはいえ、この年で今の仕事捨てて、新しい職探すのもねぇ...."
と自分に言い聞かせて、なんとか起き上がり、毎日電車に揺られて会社へ向かうのである。
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「大江千里がサンフランシスコに来るんだって!?」
ロサンゼルスに住むA子から、仕事中にメッセージが入った。
ネットで調べてみると、どうやらサンフランシスコから南に少し行ったシリコンバレーで、ジャズピアノの夕べを開くようなのだ。
「大江千里といえば、"格好悪いふられ方"だよねぇ」
「昔、"山田邦子のやまだかつてないテレビ"とか、出てたのよく観てたわ」
「あたし、実は彼のこと結構タイプだったのよぉ。あの眼鏡がたまらん!」
などと、仲間内でLINE上ひとしきりバブル全盛な日本の思い出を懐かしんだ後、
"確かに、ワイン片手に、大江千里氏のジャズピアノなんて、なんだか素敵じゃないの!"
と相成り、はるばるLAからやってきたA子とその相方のM君と、自分のオカマ計3人で、大江千里氏のジャズの夕べに向かったのであった。
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はりきりすぎて、早々会場についたので、思わず堂々と一番前の席を陣取ってしまう中年ばばあ丸出しの3人である。
大江氏は舞台に登場するなり、ピアノにも触れずに彼が日本で活躍していたポップスの分野を捨てて、ジャズの世界に入った経緯を、語り始める。
四十代後半になってから、日本での仕事を捨ててニューヨークに移住し、昔から好きだったジャズの勉強のために音楽学校に入った大江氏が、言葉や文化の壁もものともせず、身体を壊すまでジャズに没頭する日々。
そしてその彼が今、そのジャズを極めて、目の前で、にこにこと彼自身が楽しむようピアノを弾くその姿に、目が離せない3人だったのだ。
同じように、と言っては烏滸がましいが、日本での仕事を捨ててアメリカでなんとかやっている我々3人には、なんともいえぬ気持の共有があったのかもしれない。
「それにしても、五十歳手前でいままで積み重ねてきたものを捨てて、新しいことをはじめるなんて、すごいよねぇ」
「だったら自分は、今の仕事辞めて、パン屋はじめたいな。中年ゲイのパン屋とか、どう?」
「そしたら、自分店子やるから、雇って~~!」
「あたしは、千里さんのマネじゃないけど、趣味のピアノをもっと極めたいわ~。」
「そしたら、俺がボーカルやるから、みんなでバンド組もう!」
ジャズライブの帰り道、大江氏の熱い語りとピアノが、アメリカ生活をくすぶっていた中年オカマの心に響いたのか、いい年した3人はそんな夢を語り始めたのだった。
人生、まだまだこれから。
今からでも新しいことをはじめられる。
大江氏から大いに元気をもらったジャズピアノの夕べだったのである。
朝、目が覚めて、会社に行くのが本当に億劫で、ついそんな思考が頭から離れなくなる。
"とはいえ、この年で今の仕事捨てて、新しい職探すのもねぇ...."
と自分に言い聞かせて、なんとか起き上がり、毎日電車に揺られて会社へ向かうのである。
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「大江千里がサンフランシスコに来るんだって!?」
ロサンゼルスに住むA子から、仕事中にメッセージが入った。
ネットで調べてみると、どうやらサンフランシスコから南に少し行ったシリコンバレーで、ジャズピアノの夕べを開くようなのだ。
「大江千里といえば、"格好悪いふられ方"だよねぇ」
「昔、"山田邦子のやまだかつてないテレビ"とか、出てたのよく観てたわ」
「あたし、実は彼のこと結構タイプだったのよぉ。あの眼鏡がたまらん!」
などと、仲間内でLINE上ひとしきりバブル全盛な日本の思い出を懐かしんだ後、
"確かに、ワイン片手に、大江千里氏のジャズピアノなんて、なんだか素敵じゃないの!"
と相成り、はるばるLAからやってきたA子とその相方のM君と、自分のオカマ計3人で、大江千里氏のジャズの夕べに向かったのであった。
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はりきりすぎて、早々会場についたので、思わず堂々と一番前の席を陣取ってしまう中年ばばあ丸出しの3人である。
大江氏は舞台に登場するなり、ピアノにも触れずに彼が日本で活躍していたポップスの分野を捨てて、ジャズの世界に入った経緯を、語り始める。
四十代後半になってから、日本での仕事を捨ててニューヨークに移住し、昔から好きだったジャズの勉強のために音楽学校に入った大江氏が、言葉や文化の壁もものともせず、身体を壊すまでジャズに没頭する日々。
そしてその彼が今、そのジャズを極めて、目の前で、にこにこと彼自身が楽しむようピアノを弾くその姿に、目が離せない3人だったのだ。
同じように、と言っては烏滸がましいが、日本での仕事を捨ててアメリカでなんとかやっている我々3人には、なんともいえぬ気持の共有があったのかもしれない。
「それにしても、五十歳手前でいままで積み重ねてきたものを捨てて、新しいことをはじめるなんて、すごいよねぇ」
「だったら自分は、今の仕事辞めて、パン屋はじめたいな。中年ゲイのパン屋とか、どう?」
「そしたら、自分店子やるから、雇って~~!」
「あたしは、千里さんのマネじゃないけど、趣味のピアノをもっと極めたいわ~。」
「そしたら、俺がボーカルやるから、みんなでバンド組もう!」
ジャズライブの帰り道、大江氏の熱い語りとピアノが、アメリカ生活をくすぶっていた中年オカマの心に響いたのか、いい年した3人はそんな夢を語り始めたのだった。
人生、まだまだこれから。
今からでも新しいことをはじめられる。
大江氏から大いに元気をもらったジャズピアノの夕べだったのである。
会場で売ってた最新作のCD購入したら、
ご本人からサインもらって大はしゃぎのあたしです。
優しい眼差しの恰好いい男(ひと)だったわ・・・!
優しい眼差しの恰好いい男(ひと)だったわ・・・!
コメント
日本だったら、もしかしたら40過ぎての再出発はチャレンジかもしれません。でも、ラッキーなことに『遅い』という概念のないアメリカにいらっしゃいます。私お遅咲きも遅咲き、キャリアチェンジいたしました。samurai sf さんがどのようなことをスタートされようと、私は応援しますよ゚\(^o^)/
こんばんは。サンクスギビングの週末は如何お過ごしでしょうか。
あたたかいメッセージありがとうございます。
とにかく今の仕事が合っていないのか、毎朝苦痛なのですが、なんとか鞭打って続けています。大江さんやふわりさんのように、遅咲きでキャリアチェンジ考えようか本気で考えています。(赤ん坊のころから「石橋をたたいても渡らない」タイプと言われてきたので、なかなか動けないでいるのですが・・・)
あっという間に11月も終わりですね。
どうぞ、よい年末をお過ごしください!