Gattaca (ガタカ)
以前から「遺伝子検査」に興味を持っていた。 カリフォルニアにある「23andMe」という会社が、10年くらい前から遺伝子分析のサービスを行っていて、先に受けた友人らがその結果をフェイスブック等に載せていてたのを、よく見ていたのだ。 「もうすぐ40だし、自分の祖先や健康を知るのも大事よねぇ」 と、最近なにかにつけて、"もうすぐ大台だから"というのを理由にしている自分だが、今回もそんな勢いで、申し込んでみた。 オンラインで申し込んでから数日で、検査キットが送られてきて、自分の唾を小さな筒に入れて返送すると、数週間後に分析結果がネット上で見られるという仕組みだ。 この小さな筒に唾をためるという作業が簡単なようで難しい! 噂の遺伝子テスト申し込んでみたわ!と友達に言うと、 「あんたは日本人だけじゃなくて、タイ人とかベトナム人の血が入ってるんじゃない?」 とか 「顔濃いから、中東系が混ざってても驚かねえわ」 などと答えが返ってきた。 確かに父が奄美出身で、夏には暑苦しくて嫌がられる感じの濃い顔で、平井堅氏や中孝介君にも勝手に親近感を覚えていた自分である。 実際、以前何度かタイへ旅行をした際は現地の人にタイ人に間違えられてタイ語で話しかけられることもしょっちゅうだったし、この1月にエジプトに行ったときは現地の中東系の人々にやたらもてたのだった。 "もし、自分の祖先が東南アジアの島国や中東の血なんぞと繋がってたら、ロマンだわん・・・?" などと夢見て結果を待つこと1ヶ月。 仕事帰りにメールをチェックしていると、分析が終わったことを知らせるメールが届いていた。 急いで分析レポートにアクセスしてみるとー 東南アジアも中東も0%じゃんよ・・・! 日本大陸の歴史を考えても、東アジアの韓国や中国が入っているのは想定内で、先に遺伝子検査を受けていたM男や他の日本人友達と結果に殆ど大差がなかった。 南アジアのインドがほんのちょこっと入っているのが、他の日本人の友人達と違う程度か。 「でもさ、こうやって結果みると、自分はなに人だから違うとか、どうでもいい話だよね」 とM男が言う。 確かに自分の友人の中に、"あたしは日本人だから"と、それ