堕ちた饗宴
街中が虹色に染まっていた、6月のPride Monthもそろそろ終わりを迎えようとしている。 その最後の週末の土曜日は、「ピンク・サタデー (Pink Saturday)」と呼ばれていて、毎年この日は朝からツインピークスの丘には大きなピンク色の三角形が張られ、カストロの街はピンク色の服を着た人たちで一杯になる。 このピンク色の三角形は、ナチス・ドイツのホロコーストで強制収容された人々のうち、ゲイであることを識別するために胸に装着が義務付けられていたものだ。 大昔に大学の授業か何かで観た映画「 ベント 」も、まさにこのピンクトライアングルの話だったよなぁ、とふと思い出した(冒頭の、ミックジャガーの女装シーンで度肝抜かれたわよ!) ------------------------ そんなよく晴れた土曜日。 「せっかくのピンク・サタデーだし、たまには我が家に人を招いて、虹色の街を眺めながら、皆でお酒での飲みましょうかしらん」 と突然思い立ち、滅多に人を呼ばない我が家で小さなパーティとなった。 いつものオカマ仲間や、今年の秋に結婚するアメリカ人のゲイカップル、同業のM子ちゃんと彼女のボーイフレンド、N君とその水球チームのチームメイト等など、小さな集まりだが色々な友達が集まって、スパークリングワインやピンクのカクテルで乾杯だ! ドレスコードはもちろんピンクよ! 空が暗くなると、我が家のベランダから遠くに見えるサンフランシスコの市庁舎も、虹色にライトアップされる。 そんな虹色の夜景を見ながら、 こうやって我々がゲイとして平穏に生活できていることも、権利のために戦った人々と、迫害され大変な目にあってきた人々の歴史の上に成り立っていることを、忘れちゃいけないのよね、 と、再認識したのだった。 虹色に輝くサンフランシスコ市庁舎よ