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5月, 2016の投稿を表示しています

死に至る病、そして

仕事場で、机に向かってせっせと仕事をこなしていると、突然、頭の上から日本人女子の同僚の声。 「あんた、ちょっと、大変!!!」 何事かと、顔を上げて見ると、大変という割には、顔がニヤついている。 「あんた、頭、ちょっとヤバいんじゃない? 薄くなってきてるよ!!!」 「ひゃだ!!!!!うそでしょ!!!!」 と、彼女の前では驚いてみたものの、大分前から、オカマ友達のY子には、「そろそろヤバイんじゃない? ぱっとみわかんないけど、光の当たり加減では、かなり頭皮目立つわよ?」と、乙女心が傷つく程に指摘されてきていた。 父も祖父たちも、髪の毛ふっさふさで、ハゲとは無縁の人たちなのに、なんであたいが!? 絶対この重労働+超ストレスな仕事のせいだっ!!! えーん!こんなんじゃお嫁にも行けないじゃないよぉ! ---------------------------------------------------- 前に、薄毛で病院にも行ったといっていた、飲み友達に相談すると、 「そんなの病院行って薬もらって飲めば数ヶ月で治るよ」 と、涼しい顔をして言う。 そんな薬飲んで治るくらいなら、この世にハゲで悩む人いないじゃないのよ!? と内心思いながらも、そういえば横浜に住むオカマのH子も、新宿のバーのマスターも、薬で薄毛・ハゲの悩みから開放されたと言っていたのを思い出した。 さっそく会社の近くの病院の予約をとって、少々緊張しながら先生に相談すると、あっさり飲み薬のプロペシアを処方された。「個人差あるけど、3ヶ月から半年は経たないと効果でないから」とのこと。 そして、先生、あたいの頭を見ながら、 「髪の毛も心配かもしれないけど、それより血圧の心配して!このままじゃ早死にするわよ!オムロンって日本の会社のいい血圧計あるから、それ買って毎日自分で血圧チェックしなさい!」 こうして、毎日ハゲ薬&自宅で血圧チェックの日々、はじまったのでった。 どうなることやら・・・。 続く!

人生は小説よりも奇なり

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仕事の合間にネットで高島屋のオンラインショップをチェックしていたら後ろから同僚に声をかけられた。 「あら、素敵なストール。いいじゃん」 「いや、母の日のプレゼント、そろそろ頼まないと配達間に合わなそうで。」 「いい息子じゃないの。」 「いやー、若い頃はくそババアとか言ったりして、悪い息子だったよー」 ------------------------------------------------ 中学や高校の頃は本当に親不孝息子で、母の作った夜ご飯に毎回文句を付けるのはもちろんの事、弁当を全部残したり、喧嘩して重い参考書を投げつけたり、母が心配して言う事も聞かずに夜遊びしたり。 それが自分も歳をとり、いつの間にか母が自分を産んでくれた歳も越すと、当時の悪態を本当に申し訳なく思うようになる。そして遠くに住んでいる以上、誕生日や母の日、また日本に休暇で戻ったときは出来る限り親孝行をしたいと思うようになった。 時々、わざわざ日本からドライフードの味噌汁だの、酒のツマミだの緑茶だのを荷物に詰めて送ってくれる。届いた時にその荷物を開ける度に、なんだか涙がでてくるわ! -------------------------------------------------- 「今日は久々に映画みてくるよー 横浜でカレー食べてからねー」 仕事中、母から携帯にメッセージが入った。妹とカレー屋でカレーを食べている写真つきだ。 「カレー美味しそう!  気をつけて行ってきてねー!」 こんなたわいもないやりとりも大事に思う。 そして休暇で実家に帰って母に会い、母の背が縮んだ気がする度に、こういう時間が永遠に続く訳ではない事に気づく。 夜、妹からも携帯にメッセージが入った。 「今日、母ちゃんとカレー食べた後、 映画みてきたよー 。 『 人生は小説よりも奇なり』 ってやつ。まあまあよかったー」 どんな映画かネットで調べてみると、自分も数年前に出張の機内でみた「Love is strange」という映画で、NYの同性婚をした老ゲイカップルの話だった。 すると妹から再びメッセージ。 「観終わった後に、母ちゃんが『あの子もアメリカで一人で寂しい思いしてなければ、相手が男でも全然いいんだけどね』って言

Kinky Boots (キンキーブーツ)

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日本に居た頃は、休みの日に時間があると、帝国劇場や四季劇場によく一人でミュージカルを観に行っていた。 アメリカに来てからは、なかなか観たい舞台がこの街に来ないのと、値段がやたら高い(人気の舞台となると200ドル超えたりするのよ)のとで、せいぜい1年に1回くらいだ。 そんな中、前々から気になっていた「Kinky Boots」が、この街に10日ほど来るという。以前ニューヨークのブロードウェイで観たというY子(オカマ)は「あんたオカマなら絶対観て。お願い!」と騒ぐし、LAの友達も「なんか観たら元気でたよ!」という。 "潰れかけの靴会社を、ドラッグクイーンのオカマが救う"なんて、確かにつまんない訳はないわよね...という訳で、水曜日ちょこっと早めに退社して、久々に劇場に行ってきやした! 今回の劇場はゴールデンゲートシアター。ロビーに入ると話が話だけに、ゲイのお兄さんおネエさん達があちこちでピンクの酒を片手に開演前の時間を楽しんでいた。自分もそれに交じって一杯引っ掛けてから開演よ! 物語は上にも書いた通り、英語が聞き取れなくとも問題なしで単純明快。派手な衣装と照明とダンス、それからシンディーローパーの音楽達が、疲れた心を元気にしてくれやした。 (若い役者さん達の女装がいっぱいでてきたけど、みんな綺麗なカラダで、もうババアのあたし目が釘付けだったわ!) 日本でも今年、日本人キャストで上演されるらしい。日本語版はどんな舞台になるのか興味津々。観に行きたいなあ。 テレビ等でゲイが少しずつ市民権を得て、こういったオカマ丸出しの舞台も日本で行われるというのが、嬉しい限りだ。